コナミHD、第3四半期決算は過去最高益を更新 営業益48.8%増の603億円 主力のゲーム堅調 スポーツやカジノ、アーケードも新型コロナの不振から復調

コナミホールディングス<9766>は、この日(2月3日)、第3四半期累計(21年4~12月)の連結決算(IFRS)を発表し、売上高2150億4800万円(前年同期比12.0%増)、事業利益596億5700万円(同30.2%増)、営業利益603億1100万円(同48.8%増)、最終利益423億8100万円(同57.0%増)と増収増益を達成した。
※事業利益は、売上高から売上原価、販売管理費を控除して算出したもので、日本の会計基準でいうところの「営業利益」に近い概念だ。

・売上高:2150億4800万円(同12.0%増)
・事業利益:596億5700万円(同30.2%増)
・営業利益:603億1100万円(同48.8%増)
・最終利益:423億8100万円(同57.0%増)

デジタルエンタテインメント事業が堅調に推移したことに加えて、アミューズメント事業とゲーミング&システム事業、スポーツ事業においても新型コロナウイルス感染症の影響から復調基調にあり、全事業で増収増益となり、事業利益、営業利益、最終利益は、第3四半期累計としては最高益を更新した。

セグメント別の状況は以下のとおり。

(デジタルエンタテインメント事業)
売上高は1539億5900万円(同6.4%増)となり、事業利益は555億3400万円(同6.5%増)となった。

モバイルゲームでは、グローバル市場において、「eFootball ウイニングイレブン2021」(海外名「eFootball PES2021」)と「遊戯王 デュエルリンクス」が牽引した。国内市場では、「プロ野球スピリッツA(エース)」が引き続き好調に推移したほか、「実況パワフルプロ野球」が好評を得ている。

カードゲームでは、「遊戯王トレーディングカードゲーム」のグローバル展開を継続し、コロナ禍でも国内外で厚い支持を集めた。あわせて、「遊戯王ラッシュデュエル」では、カードが黄金に輝く新レアリティ「ゴールドラッシュレア」を導入したパックを販売するなど、若年層のユーザー向けに訴求し続けながら展開している。

家庭用ゲームでは、発売1周年を迎え、無料アップデートを行った「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」が定番タイトルとして、引き続き多くのユーザーに楽しまれている。新規タイトルとしては、シリーズ待望の新作である「ときめきメモリアル Girl's Side4th Heart」と「パワプロクンポケットR」を発売し、シリーズファンのユーザーを中心に好評されている。

eスポーツでは、「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2021MIE」において、家庭用ゲーム「eFootball ウイニングイレブン」シリーズとモバイルゲーム「プロ野球スピリッツA(エース)」を競技タイトルとした熱い戦いが繰り広げられ、日本一を決定した。

また、日本野球機構(NPB)と共同開催のプロ野球eスポーツリーグである「eBASEBALLプロスピA(エース)リーグ」2021シーズンでは、12球団の代表選手達によるリーグ戦が開幕し、日本一の座をかけた緊張感のある戦いが続いている。さらに、「東京eスポーツフェスタ2022」で実施する、「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021グランドスラム」競技大会のオンライン予選を開催し、全国で熾烈な戦いが行われた。

(アミューズメント事業)
売上高は137億900万円(同21.7%増)となり、事業利益は23億1400万円(同93.4%増)となった。

アミューズメント施設向けビデオゲームでは、音楽ゲーム「beatmania IIDX」シリーズの最新作として「beatmania IIDX29CastHour」が稼働を開始した。

メダルゲームでは、競馬メダルゲーム「GI-WorldClassic」シリーズにおいて、好きな競走馬のオーナーになって楽しむ「GrandOwner(グランドオーナー)」など様々な新要素を搭載した最新作「GIWorldClassic RISING(ジーワンワールドクラシック ライジング)」が稼働を開始した。

また、アーケードゲームをPCやスマートフォンでいつでも楽しむことができる「コナステ(KONAMI AMUSEMENT GAME STATION)」が引き続き堅調に推移しており、第3四半期においては、タイトルの追加や大型バージョンアップを実施しただけでなく、従来のPC端末・Android端末に加えて、iOS端末へ新規に対応した。

さらに、音楽とeスポーツを融合させたプロリーグ「BEMANI PRO LEAGUE2021(ビーマニ プロ リーグ ニーゼロニーイチ)」を万全な感染対策のもと開催した。熱戦の様子はライブ配信され、大きな盛り上がりを見せた。また、「戦国コレクション」シリーズの最新機種「ぱちんこ戦国コレクション小悪魔99」が稼働を開始した。

(ゲーミング&システム事業)
売上高は186億8000万円(同58.9%増)となり、事業利益は25億2400万円(前第3四半期累計は14億8600万円の損失)となった。

スロットマシンでは、主力商品のアップライト筐体「DIMENSION27(ディメンション トゥウェンティーセブン)」及び「DIMENSION49(ディメンション フォーティーナイン)」の各種筐体を販売した。また、パーティシペーション(レベニューシェア)専用筐体として市場に展開している「DIMENSION49J(ディメンション フォーティーナイン ジェー)」が、第20回ゲーミング&テクノロジーアワードで大変栄誉あるベストスロットマシンに選出した。

ゲーミングコンテンツでは、北米市場において、「Fortune Mint(フォーチュンミント)」が高稼働を維持し、スロットマシンの販売増加に繋がった。また、豪州市場で好評を博した、列車をテーマにしたビデオスロットゲーム「All Aboard(オール アボード)」や複数台のマシンにバブルがシームレスに流れる「Ocean Spin(オーシャン スピン)」を展開した。

その他、過去の競馬の結果を基にしたヒストリカルホースレーシングマシンの設置が進んでいる。カジノマネジメントシステムでは、前期の好調を維持し、カジノ施設への「SYNKROS(シンクロス)」の導入が引き続き進んでいる。

(スポーツ事業)
売上高は306億9200万円(同18.4%増)となり、事業利益は11億5100万円(前第3四半期累計は40億2700万円の損失)となった。

スポーツクラブ運営では、健康習慣の新提案として、人々のカラダがもつ本来の機能を高め、健康を維持・増進することを目的とした「カラダ活活(いきいき)プロジェクト」において、「温活フィットネス」及び「腸活フィットネス」の提供を開始した。

また、自宅などどこからでも参加できる「コナミスポーツ オンラインフィットネス」のサービス拡充を推進したほか、新業態の施設として、天井にミラーを設置した女性限定の少人数ピラティススタジオ「Pilates Mirror(ピラティスミラー)二子玉川」をオープンした。

資産を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態である受託事業では、これまで培った運営・指導のノウハウや実績を活かして事業を推進しており、新たに大阪府豊中市、東京都中央区及び佐賀県吉野ヶ里町のスポーツ施設の業務受託運営を開始した。

また、経済産業省が実施する「未来の教室」実証事業の一環として、「学校施設を中心とした地域×スポーツクラブ産業の融合による社会システムの検証」をテーマに、大阪府立箕面東高等学校で部活動指導のサポートを開始した。

なお、当事業では、新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受けているが、不採算店舗の撤退等によるコスト構造の変革に継続して取り組んでおり、第3四半期累計には16店舗の営業を終了した。

 

■2022年3月通期の見通し
2022年3月期の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症による影響を現時点において合理的に算定することが困難であることから未定としている。今後、業績予想の開示が可能となった時点で速やかに公表する、としている。

コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
企業データを見る