【試遊レポート】『新日本プロレスSTRONG SPIRITS』は「新日」が堪能できるレスラー育成ゲーム 試行錯誤が続くスマホプロレスゲームの新機軸になるか
ブシロード<7803>は、ドリコム<3793>と共同開発しているスマートフォンゲームアプリ『新日本プロレスSTRONG SPIRITS』(以下、新日SS)のアプリ最速先行試遊会が新日本プロレス50周年記念エキシビション『シンニチイズム~NJPW ism~』内で行われている。今回、試遊部分を中心に感想を交えてレポートしておこう。
2月28日にリリースされる『新日SS』は、新日本プロレスで活躍する人気レスラーたちの実写映像を多用したプロレスラー育成ゲームとなっている。好きな選手を育成してIWGP世界ヘビー級チャンピオン、または、IWGP世界ジュニアヘビー級チャンピオンを目指していくことになる。
今回の試遊では、『道場』機能のシーズン1を体験することができた。今回の試遊では、鷹木信悟選手を選択した。育成開始時にトレーニングをサポートしてくれるサポートカードをセットしてから始める。
「道場」では、「ATK」(攻撃)や「DEF」(防御)、「PHY」(体力)などパラメーターを上げるトレーニングをこなして好きなように育成することができる。そしてシーズンの最後に待ち構える試合が終われば終了となる。途中、ターンが減ってしまうものの、体力が減ったときには休息、怪我をしたときには治療が必要になる。
シーズンでは、ターン数が20と限られており、プレイヤーの育成方針が重要になってくる。全てのパラメーターをバランス良く育てるか、特定の能力に特化させて育てるか、このあたりはプレイヤーの判断次第。シーズンに関しては「1」から「4」(※4のみターンは8)まであるため、長期的な育成方針を持つことも大事になってくる。
遊んでいると、選手の実際のトレーニング映像が使われていることがまず目を引くだろう。この映像は、ゲームのために登場する選手1人ずつ収録していったそうだ。筋骨隆々の鍛え上げられた選手たちがトレーニングに励む映像はそれだけで魅力があり、見入ってしまう。
▲ATKとPHY、SPDに重点を置いて育成した。
他の選手はどうなっているのだろうかと気になったので確認させてもらったところ、エル・デスペラード選手は、重そうなボトルを使ったり、ハンバーガーを豪快に食べたりするなど、ユニークなトレーニングを行っていた。
また、トレーニングを進めていると、イベントが発生しサポートに設定した選手との様々なエピソードが楽しめる。こちらは実話が多数盛り込まれているとのことで、その選手について、より知ることができるようになっている。もちろん、すでに知っている人ならば、なお楽しめるのではないだろうか。
▲エピソードでの選択で様々な効果が発生する。
育成フェーズが終わると、いよいよお楽しみの試合に突入する。今回は、天山広吉選手との対戦だ。入場シーンと煽りもふんだんに用意されており、さながらプロレスの試合を見ているようだ。そして試合に関してはターン制だがすべて自動で進行する。試合中の技は、すべてその選手の試合シーンから収録されており、迫力満点だ。
プロレスゲームのコアコンテンツは「試合」だが、どうやってゲームに取り込むのか、たいへん悩ましいところだったのではないか。アクションゲームにするか、コマンドバトルにするかなど、様々な選択肢があるが、本作ではターン制だがフルオートで進行するようになっている。
そう、プレイヤーは基本的に見ているだけ。
それで楽しいのかと思われるかもしれないが、これで十分楽しいのだ。実際の試合映像を使っているので、「ワールドプロレスリング」を視聴しているような気分になれる。そしてコマンド選択がないため、スピーディにテンポよく試合が進行する。見方によってはあっさり終わると感じるかもしれないが、長く遊ぶことを考えると、この長さでちょうどいいと感じた。
試合が終わるとシーズン1が終了。シーズン4まで終わると、選手育成が終了し、次の選手を選んで育成することになるそうだ。最終的には育成が完了した選手でチームを結成し、他のプレイヤーとオンラインで対戦することができるという。これが本作のエンドコンテンツになるのだろう。
最後に、家庭用ゲームではプロレスを題材にした作品は一定のポジションを得ているが、スマホゲームになると過去にもカードゲームや3Dモデルを使った育成ゲーム、アクションゲームなどが出たものの、全体としてはまだ試行錯誤が続いているという印象を受ける。
今回の『新日SS』は、昨今のスマホゲームの流行を取り入れて、思い切ってプロレスの最大の魅力である選手と人間模様、そして試合を楽しむ要素にフォーカスしているという印象を受けた。プロレスゲームにおける一つの「解」といえるだろう。
きちんと遊ぼうとすると戦略的な思考が求められるものの、操作自体はシンプルなので、ゲームで普段遊ばないプロレスファンもすんなりと入れるだろう。むしろ選手をよく知っているからこそ到達できる攻略法も出てくるかもしれない。「新日」を堪能できるゲームとしてリリースが待たれる。
■関連サイト
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会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803