カヤック<3904>の2021年12月期の第4四半期(10~12月)の連結決算は、ハイパーカジュアルゲーム(以下、ハイカジ)をけん引役としたゲームエンタメサービスの成長に加え、eスポーツサービスの伸長により、四半期ベースで過去最高の売上高を達成した。
売上高35億9700万円(前年同期比43.0%増)
営業利益2億8800万円(同20.5%増)
経常利益3億5300万円(同55.3%増)
最終利益2億2700万円(同254.9%増)
一方で、四半期ベースの費用も拡大傾向にある。特に外注費は、グループ会社の受託事業拡大の影響で前年同期比でほぼ倍増の11億円台まで拡大している。また、ハイカジの拡大に伴い、広告宣伝費も増加した。
ゲームエンタメサービスの状況を見てみると、第4四半期の売上高は18億8400万円(前年同期比56.8%増)と大幅な増収を達成した。特にゲーム売上高におけるハイカジの比率が2021年12月期は55%と2020年12月期の50%からさらに増したことがポイントだろう。
そのハイカジの新作は、この第4四半期期間中のリリースはなかったものの、7月にリリースした『Gun Sprint』と『Balloon Crusher: Shoot’em all』が順調な成長を継続しており、第4四半期の収益に貢献したという。
なお、ハイカジは、2022年12月期も四半期に1本ペースの新作リリースを目標としていくとのこと。
eスポーツサービスについても見てみると、こちらも第4四半期の売上高6億5600万円(同78.1%増)と大きく伸長している。2月にウェルプレイドとRIZeSTの合併により誕生したウェルプレイド・ライゼストが順調に市場シェアを獲得しているという。
また、ゲームトーナメントプラットフォーム「Tonamel(トナメル)」の大会開催数も直前四半期比11.7%増の3089件と3000件を突破した。
また、大きなトピックとしては、新規事業を創出するその他サービス事業部(OC事業部)内に、新たにメタバース専門部隊を設立した。同部隊では、「SAO VR」や「からかい上手の高木さんVR」を手がけてきた天野清之氏がリーダーに就任し、今後本格的にメタバース関連に注力し、加速していくとしている。
なお、2022年12月期は、売上高150億円、営業利益15億円(営業利益率10%)を目指すとしている。ゲームエンタメサービスは、ハイカジとアキバスタジオの成長基調の維持に加えて、SES(システムエンジニアリングサービス)事業を行うカヤックボンドの成長も見込んでいるという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社カヤック
- 設立
- 2005年1月
- 代表者
- 代表取締役CEO 柳澤 大輔/代表取締役CTO 貝畑 政徳/代表取締役CBO 久場 智喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高174億6700万円、営業利益10億2100万円、経常利益10億3800万円、最終利益5億1100万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3904