【決算レポート】マーベラス、アミューズメントゲーム『ポケモンメザスタ』がけん引し増収増益を達成 苦戦のオンラインは新作の動向が気がかり

木村英彦 編集長
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マーベラス<7844>の第3四半期累計(2021年4~12月)の連結決算は、売上高189億5300万円(前年同期比9.6%増)、営業利益40億0600万円(同19.9%増)、経常利益41億9000万円(同27.5%増)、最終利益29億3700万円(同25.3%増)と増収増益を達成した。

・売上高:189億5300万円(同9.6%増)
・営業利益:40億0600万円(同19.9%増)
・経常利益:41億9000万円(同27.5%増)
・最終利益:29億3700万円(同25.3%増)

タカラトミーアーツと共同で展開しているアミューズメントゲーム『ポケモンメザスタ』が好調で、業績拡大をけん引した、としている。『ポケモンメザスタ』については、タカラトミー<7867>も好調である旨の発表を行っていた(関連記事)。

 
■コンシューマ事業
好調だったコンシューマ事業からみていくと、売上高は114億6900万円(同29.8%増)、セグメント利益は41億7300万円(同68.7%増)と大幅増益となった。

キッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』が、2021年12月に累計プレイ回数1億回を突破するなど引き続き好調に推移した。また、新コンセプトによる小型プライズマシン『TRYDECK(トライデッキ)』を、同年11月より全国のアミューズメント施設で順次稼働開始した。

また、家庭用ゲームソフトについては、『ルーンファクトリー5』の販売好調に加えて、その他旧作のリピートタイトルが堅調に推移したという。また、2019年に発売した『牧場物語 再会のミネラルタウン』のPlayStation4版とXBOX版を2021年10月及び11月に発売した。

 
■オンライン事業
売上高は45億7100万円(同21.0%減)、セグメント利益は7億6400万円(同42.6%減)と減収減益となった。

新作タイトル『千銃士:Rhodoknight(ロードナイト)』の配信を開始したが、収益貢献は限定的だったという。Google Playのセールスランキングでは初動ではTOP100に入ったが、直近では300位前後で推移しており、やや苦戦気味のように見受けられる。一度リリースしたゲームの巻き返しは簡単ではないが、どういった取り組みを行うのか注目される。

出所:data.ai

 

また、『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』や『剣と魔法のログレス いにしえの女神』『ブラウザ三国志』など長期運営を行っている、既存タイトルについては、コラボ施策や周年イベントを行ったが、経年や競争環境の激化により売上が減少したとのこと。

 
■音楽映像事業
売上高は29億1600万円(同8.7%増)、セグメント利益は1億3600万円(同78.2%減)と大幅減収・減益となった。「舞台『刀剣乱舞』」(1月~6月公演)の売上計上や舞台公演数が増えたことでわずかに増収となったものの、新型コロナウイルスの影響で利益が大幅に減った。

音楽映像制作部門では、TVアニメ『吸血鬼すぐ死ぬ』を2021年10月から12月に放送したほか、劇場版プリキュアの最新作『映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪!』が同年10月23日に公開となった。また、TVアニメ『トロピカル~ジュ!プリキュア』、TVアニメ『遊☆戯☆王SEVENS』等のパッケージ商品化を行った。

ステージ制作部門では、それぞれのシリーズ最新作となる「舞台『血界戦線』Blitz Along Alone」、「PERSONA5the Stage #3」等に加え、新規タイトルとして『ワールドトリガー the Stage』の公演を行った。

 
■2022年3月通期の見通しを上方修正
同時に、2022年3月通期の業績予想の上方修正を行い、売上高250億円(前回予想240億円)、営業利益44億円(同40億円)、経常利益45億円(同40億円)、最終利益31億円(同27億6000万円)と売上高を引き上げ各利益項目をそれぞれ引き上げた。

・売上高:250億円(前回予想240億円)
・営業利益:44億円(同40億円)
・経常利益:45億円(同40億円)
・最終利益:31億円(同27億6000万円)

従来予想からの修正率は、売上高4.1%増、営業利益10.0%増、経常利益12.5%増、最終利益12.3%増となっている。

・売上高:4.1%増
・営業利益:10.0%増
・経常利益:12.5%増
・最終利益:12.3%増

同社では、上方修正の理由について、伸び盛りのコンシューマ事業で、新作・旧作ゲームソフトの販売が国内外で好調に推移していること、そして増益要因にもあげたように、『ポケモンメザスタ』が好調な売上となっていることをあげた。

株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
決算期
3月
直近業績
売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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