ポケモンは、1月28日にNintendo Switch向けソフト『Pokemon LEGENDS アルセウス』を発売した。本作は、シリーズ初のアクションRPGとして、ポケモンと人の共生が始まる前の時代が描かれている。
本稿では、そんな『Pokemon LEGENDS アルセウス』のレビューをお届けしていく。
ポケモンとの共生が始まる前の世界
冒険の舞台は、雄大な自然が広がる「ヒスイ地方」。人とポケモンが共に暮らすことも稀な時代で、主人公は初めてのポケモン図鑑を作るため、調査に出る。
▲ヒスイ地方は、『ポケットモンスターダイヤモンド・パール』の冒険の舞台となった「シンオウ地方」の昔の名となっている。
物語は、テンガン山の上空に発生している「時空の裂け目」から、主人公が落ちてきたところから始まる。ポケモン博士のラベンが逃がしてしまったモクロー、ミジュマル、ヒノアラシを捕まえたことをきっかけに、「コトブキムラ」を拠点として活動するギンガ団に入隊することとなる。
▲調査隊、医療隊、警備隊などで構成されているギンガ団は、ヒスイ地方でポケモンの生態調査を行っている。
まずは、ギンガ団 調査隊の隊長のシマボシからの試験を受けることに。「黒曜の原野」という場所に生息する「ビッパ」「ムックル」「コリンク」の捕獲を命じられる。ここでフィールドアクションやシステムの基礎を学べるのだが、ポケモンの中にはこちらの姿を見つけることで逃げてしまうものや、戦闘態勢に入る危険なものもいるという。
▲Bボタンでしゃがみ、草むらに隠れてゲットのチャンスを伺おう。モンスターボールは、ZRボタンを押しながら右スティックで狙いを定め、ZRボタンを離すことで投げることができる。さらに、ポケモンの背面からボールを当てることで捕まえやすさが上がることも覚えておこう。
野生のポケモンが近くにいるときにZLボタンで「注目」を行えば、ボールの狙いが定めやすくなるほか、相手からの攻撃にも対処しやすくなる。また、三角マークの数によって捕まえやすさも分かるため、こまめに活用していきたい。
また、野生のポケモンに見つかり、相手が臨戦態勢に入ったときは、こちらも手持ちのポケモンが入ったボール「ポケモンボール」を投げつけて戦闘を行おう。
▲戦闘は従来のシリーズと同じくコマンド選択式。わざの欄にタイプ相性が示されている点が非常に便利だ。
本作の独自要素として、レベルが上がった際にわざに「皆伝マーク」が付くことがある。皆伝マークが付いたわざは、普通に放つだけでなく、以下の特徴を持った「早業」「力業」に切り替えて使用することができるようになる。ダメージや行動順を調整できるようになったことで、バトルを有利に進めるだけでなく、ポケモンゲットの際も非常に重宝する要素のひとつとなっている。
【早業】
・わざの威力がさがる。
・自分の行動順が早くなりやすい。
・いつもより多くPPを使う
【力業】
・わざの威力があがる。
・自分の行動順が遅くなりやすい。
・いつもより多くPPを使う。
▲戦闘に勝つことでレベルが上がり、使える技が増えていくのはこれまで通りだが、今作ではポケモンの捕獲やポケモンを使ってフィールド上のアイテムを入手することでも経験値が入手できる。
▲次に向かう場所が分からなくなった際は目的地アイコンを頼りにしよう。
▲また、ポケモンの進化は自分の好きなタイミングで行うことが可能。進化可能レベルに達した後は、ポーチから対象のポケモンを選択して進化をすることができる。
そうして調査が完了したら、ラベン博士に報告。図鑑に示された「図鑑タスク」をこなすことで、ポケモンごとの研究レベルが上がり、レベル10でそのポケモンのより詳細な情報が明らかになる。同時に、「ポケモン研究ポイント」が貯まることで団員ランクが上がり、新たなイベントが発生したり、未知のフィールドへと行けるようになるというわけだ。
▲図鑑タスクを数多くこなしていくことで徐々にポケモン図鑑ができあがっていく。
▲さらに、調査報告を行うことで、捕まえたポケモンのLv.と数に応じてお金をもらうことができる。
▲ポケモン研究ポイントが一定の値まで溜まったら、シマボシ隊長に報告して団員ランクを上げよう。
そのほか、フィールドには目が赤く光った「オヤブン」と呼ばれるポケモンが出現することも。オヤブンは、普通のポケモンよりも大きく、珍しいわざを覚えているが、レベルも高く捕まえるのが難しくなっている。レベルが低いうちは無理に挑まず、避けて通るのもアリ。出現場所は決まっているので、欲しいポケモンがいたらマップにピンを指して覚えておき、弱点を突けるポケモンを育ててから戻ってこよう。
先に紹介した図鑑タスクをこなすためにも、今作では、ポケモン図鑑を完成させるために同じポケモンを複数体ゲットする必要がある。ポケモンゲットに欠かせないボールや、バトルに使える回復アイテムは「クラフト」で作成することができる。レシピを手に入れることで、素材を消費して作成することが可能だ。素材は、フィールドで入手したり、コトブキムラのお店で購入できる。
▲特にモンスターボールは大量に必要になるので、いくつ作っておいても損はない。物語が進めば、性能の良いスーパーボールやハイパーボール、特殊な効果を備えたボールの作成も可能になる。
物語を進めていくと、主となる目標以外にも、困っている村人を助ける「サブ任務」が発生する。冒頭でも紹介した通り、本作はポケモンと人が共生する前の時代ということもあり、依頼の中にはポケモンの生態について調査してほしいという内容のものも多い。これまであまり触れてこられなかったポケモンたちの真実や、ポケモンが起こす謎の現象の解明など、これまでのシリーズでは当たり前とされてきたことを自分も改めて知る良い機会となっている。
▲個体ごとに大きさが違うなど、並べてみて改めてはっきりと分かる要素も細部まで表現されている。
そうして調査を進めていくと、森キングのバサギリが暴れて手が付けられないので鎮めてほしいという依頼がギンガ団のもとへ舞い込んでくる。キングとのバトルは通常とは異なり、専用のものが用意されており、キングの好物を混ぜて作った「シズメダマ」を当てて「あらぶりゲージ」を0にすることで勝利となる。敵の攻撃を避けつつシズメダマを投げたり、大きな隙ができたらポケモンバトルを挑んでシズメダマをぶつけるチャンスを作ったり、アクション的な要素が多いバトルとなっている。
ここでバサギリを鎮めることに成功すれば序盤の物語は一段落する。しかし、他にもあらぶっているキングがいるとのことで、まだまだ冒険の旅は続きそうな気配。ヒスイ地方のさまざまな場所でポケモンの調査を進めつつ、主人公は何故「時空の裂け目」から落ちてきたのか、自身の謎も含めて解明していくことになる。
従来のシリーズにはないアクション性が楽しめることはもちろん、これまでの「ポケモン」世界の当たり前を覆す斬新な世界観は、ファンならずとも虜になること間違いなしの一作となっている。
(文 編集部:山岡広樹)
■『Pokemon LEGENDS アルセウス』
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『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド』『ポケットモンスター シャイニングパール』 are developed by ILCA,Inc.
ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標。
Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switchは任天堂の商標。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ポケモン
- 設立
- 1998年4月
- 代表者
- 代表取締役社長 石原 恒和/代表取締役 宇都宮 崇人