日本音楽著作権協会(JASRAC)は、この日(3月25日)、2021年度通期(2021年6月、9月、12月および2022年3月の4期合計)の分配額について、前年度比3.9%減の1159億7205万7244円だったと発表した。この分配額は、主に2020年度下半期(2020年10月~2021年3月)と2021年度上半期(2021年4月~9月)の使用料収入が反映したもので、JASRAC史上3番目の分配額となった。
<利用分野別の主なトピックス(2021年度通期)>
■演奏会等・大規模演奏会等
新型コロナウイルス感染症の影響により、公演数の減少に加えて入場者数を制限する等、公演規模を縮小して開催するものが多かったため、合計で同30.3%減の35億9000万円となった。
■社交場カラオケ
新型コロナウイルス感染症の影響で店舗の閉店・休業が相次いだため、同14.5%減の93億円となった。
■放送等
2020年度の放送事業収入の減少により2021年度の年間使用料徴収額が減少した影響が2021年12月分配から反映したことなどから、同5.8%減の295億6000万円(前年比94.2%)となった。
■インタラクティブ配信
サブスクリプションサービスや動画配信サービスの市場が好調を維持していることなどから、同7.1%増の356億2000万円となった。
なお、2021年度通期の分配対象楽曲数は、282万6076曲だった。分配対象の権利者数は、音楽出版社を通じた分配を含めると、著作者7万6252人、音楽出版社2895社。このほか、117の外国団体を通じて38万3105人の著作者、4万8318社の音楽出版社にも使用料が分配される。
JASRACでは、今後もクリエーター・権利者への対価還元を通じて、音楽産業および音楽文化の発展に努めたい、としている。