【決算レポート】モバイルファクトリー、モバイルゲーム事業は増収増益に 「ユニキス ガレージ」リリースで広告宣伝費が増加 『アワメモ!』でP2Eの検証を開始

柴田正之 編集部記者
/

モバイルファクトリー<3912>の2022年12月期の第1四半期(1~3月)の連結決算は、新型コロナ感染症の流行の状況の改善傾向に伴い位置ゲームが増収に寄与した一方で、ブロックチェーン事業の広告投資に伴い減益となった。

売上高6億5100万円(前年同期比0.6%増)
営業利益1億2700万円(同28.0%減)
経常利益1億2700万円(同28.0%減)
最終利益8700万円(同33.1%減)

事業セグメント別では、モバイルゲーム事業は前年度の第2四半期にリリースしたサブスクの寄与などもあり、前年同期比で増収増益となった。

一方、ブロックチェーン事業は、ステーションNFTの売上高をブロックチェーン事業に遡及して計上したことで売上高は立っているものの、「ユニキス ガレージ」リリースに際し、ユニマ関連の広告宣伝費が増加したことで赤字幅が拡大した。

そのブロックチェーン事業の状況を見てみると、NFTサービス構築支援プラットフォーム「ユニキス ガレージ」を正式リリースしたことがまずは大きなトピックとなっている。

また、『駅メモ!』シリーズでおなじみのキャラクター「でんこ」のデジタルフィギュアをイメージしたNFT商品「でんこロイド NFT ver.」を販売したほか、クリーク・アンド・リバー社<4763>と共同で、三浦みつる氏の「デジタル証明書付き複製原画+デジタル作品集の閲覧権NFT」販売企画を実施するなど、具体的なNFTの販売も動き出す形となっている。

主力の位置ゲームについては、『駅メモ!』シリーズでエンバウンドの人気コンテンツ「温泉むすめ」とのコラボキャンペーンを開催したほか、福井鉄道・えちぜん鉄道とのコラボ企画も開催した。

今後は『駅メモ!』シリーズの『アワメモ!(駅メモ! Our Rails)』において、「おでかけポイント」の追加開発を実施し、ゲームを遊びながらおこづかい稼ぎができるPlay to Earn(P2E)の検証開始に向けた準備を行う。なお、『アワメモ!』では、2023年春に同社独自の暗号資産「QYSコイン」を実装し、手に入れた「QYSコイン」を売却することも可能になる予定だ。

NFTサービス構築支援プラットフォーム「ユニキス ガレージ」については、足元4月にAPIの提供を開始し、今後もサービス拡充に向けて順次機能の追加を行っていく。

なお、上述の「QYSコイン」については、コンプライアンス充足のための関係各所との協議を継続して行うことで、信頼性の高いサービス設計を目指して取り組んでいるとし、その上場に向けて関係各所との調整を開始したとのこと。

2022年12月期通期の連結業績見通しは非開示。主力のモバイルゲーム事業に加えてブロックチェーン事業においても、今後は大きな成長が見込まれるものの、足元では新型コロナウイルス感染症の影響の収束が見通せない中で、適正かつ合理的な数値の算出が困難であるため、としている。

株式会社モバイルファクトリー
http://www.mobilefactory.jp/

会社情報

会社名
株式会社モバイルファクトリー
設立
2001年10月
代表者
代表取締役 宮嶌 裕二
決算期
12月
直近業績
売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3912
企業データを見る