マーベラス、22年3月期決算は増収増益に オンライン事業の売上減少やコロナ禍での舞台公演事業の苦戦をゲームソフト販売や『ポケモンメザスタ』がカバー
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マーベラス<7844>は、5月12日、2022年3月期の連結決算を発表、オンライン事業の既存タイトルの売上が減少し、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた舞台公演事業も苦戦する中、ゲームソフト販売や『ポケモンメザスタ』の好調が大きく収益貢献し、増収増益を達成した。
売上高257億2800万円(前々期比0.8%増)
営業利益46億円(同4.2%増)
経常利益50億5400万円(同10.9%増)
最終利益38億1700万円(同16.9%増)セグメントごとの状況は以下のとおり。
①オンライン事業…売上高62億2100万円(前々期比17.0%減)、セグメント利益6億100万円(同55.7%減)
『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』『剣と魔法のログレス いにしえの女神』『ブラウザ三国志』といった長期運営タイトルにおいて、経年に加え、競争環境の激化により売上が減少した。また、新作タイトルとして、2021年11月24日にスマーフォン向けゲームアプリ『千銃士:Rhodoknight (ロードナイト)』の配信を開始したが、期待値を大きく下回る推移となり、将来収益の見直しによるソフトウェア資産の一部評価減を実施した。今後のサービス継続にあたり、減価償却費の負担減による収益改善を図っていく。
②コンシューマ事業…売上高154億9000万円(同7.0%増)、セグメント利益50億9600万円(同22.6%増)
ゲームソフト販売部門においては、「ルーンファクトリー」シリーズの最新作『ルーンファクトリー5』を2021年5月に国内、9月にアジア、2022年3月に北米・欧州で、Nintendo Switch向けに発売した。2022年3月末時点では世界累計出荷本数が50万本を超えるヒットを記録している。また、「ノーモア★ヒーローズ」シリーズ最新作となる『No More Heroes 3』を、Nintendo Switch向けに2021年8月に発売した。さらに、『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』Steam版を同年9月に、『牧場物語 再会のミネラルタウン』PS4版とXbox版を同年10月および11月に発売し、それぞれのタイトルにおいて累計出荷本数が100万本を突破した。また、前期発売の『天穂のサクナヒメ』も累計出荷本数が100万本を超えるなど、リピート販売も好調に推移した。
アミューズメント部門においては、キッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』が、2021年12月に累計プレイ回数1億回を突破するなど、非常に好調に推移した。また、新コンセプトによる小型プライズマシン『TRYDECK(トライデッキ)』を、同年11月より全国のアミューズメント施設にて順次稼働開始した。
③音楽映像事業…売上高40億2000万円(同13.2%増)、セグメント利益5億100万円(同7.2%減)
音楽映像制作部門においては、TVアニメ「トロピカル~ジュ!プリキュア」をはじめとした、プリキュアシリーズのTVアニメや映画、関連イベントのパッケージ商品化を行ったほか、「トロピカル~ジュ!プリキュア感謝祭」を2022年2月に開した。また、2021年10月から12月に放送し好評を博したTVアニメ「吸血鬼すぐ死ぬ」や、「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ ミレニアムシーンズ」をパッケージ商品化し、好調なセールスを記録した。ステージ制作部門においては、「舞台『刀剣乱舞』」「ミュージカル『テニスの王子様』」「ミュージカル『薄桜鬼 真改』」「『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE」「ミュージカル『憂国のモリアーティ』」「舞台『血界戦線』」といったシリーズ作品を公演した。また、今期の完全新作として、「ワールドトリガー the Stage」「歌劇『桜蘭高校ホスト部』」を公演し、好評を博した。しかし、長期にわたった緊急事態宣言によるイベント人数規制や公演中止など、新型コロナウイルスの影響を大きく受けた。
■2023年3月期通期の連結業績予想は「未定」
なお、2023年3月期通期の連結業績予想は、新型コロナウイルスの収束が不透明の中、事業への影響を現段階において合理的に算定することが困難であることから、未定としている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社マーベラス
- 設立
- 1997年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7844