【決算まとめ⑤】ゲーム関連企業の1~3月決算を再確認…アカツキ、アピリッツ、coly、ワンダープラネット、BOI、イマジニア、CA、ギークス、東京通信、ブシロード、マーベラス
主要モバイルゲーム企業の2022年1~3月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の各社の状況をあらためて振り返ってみたい。36社から大手ゲーム株を除いた中から、残りの11社分を取り上げる。
・アカツキ<3932>
第4四半期(1~3月)は、『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』の国内版が7周年を迎え、ストアセールスランキング1位を獲得するなど、既存タイトルの回復が業績を押し上げ、前四半期比で22.2%の増収、102.4%の営業増益となった。ただ、ライブ体感⾳楽アプリ『EXtreme LIVES』を3⽉にリリースした一方で、『ONE PIECE ボン!ボン!ジャーニー!!』のサービスが4⽉に終了しており、新たな積み上げという部分では次の四半期は限定的なものにとどまりそうだ。
・アピリッツ<4174>
第4四半期(11~1月)は、ウェブソリューション事業、オンラインゲーム事業ともに売上が堅調に推移し、前四半期比で2.0%の増収、1.8%の営業増益となった。オンラインゲーム事業では、運営移管を行った『けものフレンズ3』の収益などが貢献している一方、第2四半期時に発生した移管時の一時費用は第3四半期以降は正常化し、安定成長軌道に入っているようだ。
・coly<4175>
第4四半期(11~1月)は、『魔法使いの約束』2周年のグッズ販売が好調であったことや、『スタンドマイヒーローズ』の年末年始施策が堅調に推移したことで、売上高で前年同期比22.5%増、営業利益で同22.4%増と2ケタ超の増収増益となった。ただ、新作『&0(アンドゼロ)』を5月30日にリリースしたが、ここまでは少し伸び悩んでいる印象で、これからどう成長させていくのかが2023年1月期の大きな課題となってきそう。
・ワンダープラネット<4199>
第2四半期(12~2月)は、売上高は前四半期比10.8%の増収となったが、1月より配信開始した『テクノロイド ユニゾンハート』も寄与しているためで、会社側の想定は下回った水準での着地となった。一方、営業赤字幅は前四半期を上回っているが、これは新作『アリスフィクション』の開発投資などによるものとなる。『アリスフィクション』は、6月3日に事前登録を開始し、登録者数が好調に推移しており、リリースに向けて大いに関心が募る。
・BOI<4393>
第2四半期(1~3月)は、既存ゲームタイトルの経年の影響による売上減少は続いたものの、「恋庭」の売上拡大により、前四半期比で43.1%増と大幅な増収を達成し、赤字幅も縮小した。「恋庭」は、2021年12月に導入したサブスクプランも伸びており、今期業績のけん引役となってきそうだ。新作『メメントモリ』は、続く第3四半期にリリース予定で、その収益貢献の度合いがどの程度の大きさになってくるのか、注目されるところ
・イマジニア<4644>
第4四半期(1~3月)は、新規スマートフォン向けゲームのリリースと、新作パッケージゲームソフトの発売が2023年3月期に延期されたことに加え、3月に予定していた海外向けドラマ提供も4月以降になったことで、当初予想を下回り、前四半期比で7.7%の減収、8.2%の営業減益での着地となった。なお、2023年3月期はコンテンツ事業の研究開発費を前期比で約2倍に増加し、ヒットコンテンツの創出を目指すとしている。
・サイバーエージェント<4751>
第2四半期(1~3月)は、主力タイトルの『ウマ娘 プリティーダービー』と『グランブルーファンタジー』の周年イベントが貢献し、ゲーム事業の売上高は前四半期比18.3%増、営業利益は同24.9%増となった。なお、今後は「FF」「呪術廻戦」「東京リベンジャーズ」と他社の有力IPを活用したタイトルのリリースが控えており、『ウマ娘』に続く大ヒットタイトルを生み出すことができるのかが問われるところ。
・ギークス<7060>
第4四半期(1~3月)は、IT人材事業の安定した成長に加え、ゲーム事業も既存運営タイトルの海外版の運営を開始したことで、前四半期比で2.2%の増収、27.7%の営業増益となった。続く2023年3月期は増収の計画ながら、中期経営計画達成に向けた仕込みの時期と位置付け、積極的な人財および開発への投資を推進するため、一時的な減益計画になるとしている。
・東京通信<7359>
第1四半期(1~3月)は、既存タイトルの『stop the flow!』や新作の『shoot’em all』が好調に推移し、前四半期比で6.4%の増収となったが、積極的にプロモーションを行い、新規商材や新規事業開始に伴う人件費、開発投資を実施したことで41.3%の営業減益となった。なお、先行投資の前倒しと、分散したオフィス環境の統合による中長期にわたる経営の効率化を目指した本社移転を実施することもあり、5月31日に2022年12月期の連結業績予想の下方修正を発表している。
・ブシロード<7803>
第3四半期(1~3月)は、ライブIP事業が前四半期比で増収増益となったものの、広告宣伝費が前四半期比でやや増加したこともあり、全体では前四半期比で3.9%の増収、30.9%の営業減益での着地となった。一方で、Cygames との共同事業となる新TCG「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」が4月28日の発売以降、大ヒットとなっており、第3四半期決算の発表と同時に通期業績予想の上方修正を実施している。今期・来期にこの『シャドウバース エボルヴ』の寄与度がどのくらいになってくるのか注目される。
・マーベラス<7844>
第4四半期(1~3月)は、コンシューマ事業で『ルーンファクトリー5』の北米・欧州版を発売したことなどが貢献し、売上高は前四半期比で10.8%増となったが、オンライン事業の新作『千銃士:Rhodoknight(ロードナイト)』が期待値を大きく下回ったことなどで、46.3%の営業減益となった。なお、『千銃士:Rhodoknight』は、ソフトウェア資産の一部評価減を実施し、今後のサービス継続にあたり、減価償却費の負担減による収益改善を図っていくという。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751
会社情報
- 会社名
- 株式会社アカツキ
- 設立
- 2010年6月
- 代表者
- 代表取締役CEO 香田 哲朗
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高239億7200万円、営業利益26億7600万円、経常利益28億3400万円、最終利益12億8800万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3932
会社情報
- 会社名
- 株式会社マーベラス
- 設立
- 1997年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7844
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンク・オブ・イノベーション(BOI)
- 設立
- 2006年1月
- 代表者
- 代表取締役社長 樋口 智裕
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高213億3300万円、営業利益49億円、経常利益49億2000万円、最終利益32億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4393
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803
会社情報
- 会社名
- イマジニア株式会社
- 設立
- 1986年1月
- 代表者
- 代表取締役社長兼CEO 澄岡 和憲
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高59億600万円、営業利益3億4500万円、経常利益6億5600万円、最終利益4億1600万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4644
会社情報
- 会社名
- 株式会社アピリッツ
- 設立
- 2000年7月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員CEO 和田 順児
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高84億2700万円、営業利益5億9900万円、経常利益5億9600万円、最終利益3億8600万円(2024年1月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4174
会社情報
- 会社名
- ワンダープラネット株式会社
- 設立
- 2012年9月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 常川 友樹
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高24億4900万円、営業利益1億2100万円、経常利益1億1300万円、最終利益9200万円(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4199
会社情報
- 会社名
- ギークス株式会社
- 設立
- 2007年8月
- 代表者
- 代表取締役CEO 曽根原 稔人
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高237億3900万円、営業利益9000万円、経常利益8200万円、最終損益14億7300万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7060
会社情報
- 会社名
- 株式会社coly(コリー)
- 設立
- 2014年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 中島 杏奈/共同創業者 代表取締役副社長 中島 瑞木
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高50億6400万円、営業損益8億1300万円の赤字、経常損益7億9400万円の赤字、最終損益8億3000万円の赤字(2023年1月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4175
会社情報
- 会社名
- 株式会社東京通信グループ
- 設立
- 2015年5月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 古屋 佑樹
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高62億1900万円、営業損益1億3300万円の赤字、経常利益3億5700万円、最終損益2億400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7359