サンリオ、香港子会社のタックスヘイブン課税訴訟に関して最高裁判所が上告棄却と上告不受理されたと発表

サンリオ<8136>は、この日(8月10日)、香港子会社がタックスヘイブン対策税制の適用除外要件を満たしていない等と判断した東京国税局の更正処分等(2013年3月期から2016年3月期までの4事業年度)を不服とした訴訟に関して、最高裁判所より、上告棄却及び上告不受理の決定(本年8月8日付)を受領したと発表した。既に2018年3月期において「過年度法人税等」として費用処理しており、業績に与える影響はないとのこと。

同社は、東京地方裁判所に対して東京国税局の更正処分等の取消請求訴訟を提起したところ、2021年2月26日に同社の請求を棄却する第1審判決がなされた。同社は、これを不服として、東京高等裁判所に控訴し争っていたが、2021年11月24日に同社の控訴を棄却する控訴審判決となった。その後、同社は2021年12月7日に最高裁判所に上告及び上告受理の申立てをしていた。

タックスヘイブン対策税制とは、税率の低い国にペーパーカンパニーなどを作って課税逃れを防止するルールを指す。

同社では、香港子会社はキャラクターのローカライズ(現地化)業務やキャラクタービジネスを展開するという積極的な経済合理性を有し、個々の現地顧客のニーズを反映させるためのカスタマイズ、企画提案、サポートを行う独立した事業実態を備えているとし、ペーパーカンパニーではないと主張している。

■これまでの経緯
2017年12月15日: 東京国税局より更正通知の受領
2018年3月13日: 東京国税局に対する再調査の請求
2018年6月11日: 東京国税局より再調査の請求を棄却する旨の決定を受領
2018年7月9日: 東京国税不服審判所に対する審査請求
2019年6月11日: 同社による東京地方裁判所への更正処分等の取消請求訴訟の提起
2021年2月26日: 東京地方裁判所による判決の言渡し
2021年3月11日: 同社による東京高等裁判所への控訴
2021年11月24日: 東京高等裁判所による判決の言渡し
2021年12月7日: 同社による上告及び上告受理の申立て
2022年8月9日: 最高裁判所による上告棄却及び上告不受理の決定(8月8日付)を受領

■決定の内容
(1)本件上告を棄却する。
(2)本件を上告審として受理しない。
(3)上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。

株式会社サンリオ
https://www.sanrio.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サンリオ
設立
1960年8月
代表者
代表取締役社長 辻 朋邦
決算期
3月
直近業績
売上高203億1500万円、営業利益59億6400万円、経常利益63億7400万円、最終利益49億1600万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
8136
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