【決算レポート】セガサミーHD、第1四半期はゲーム・遊技機ともに新作投入前で"想定通り"の営業減益 為替差益で経常・最終は増益着地
セガサミーホールディングス<6460>の2023年3月期 第1四半期(22年4月~22年6月)の連結決算は、売上高661億1800万円(前年同期比11.2%増)、営業利益27億7700万円(同27.8%減)、経常利益42億5500万円(同22.1%増)、最終利益31億5800万円(同7.4%増)だった。遊技機とリゾートの赤字幅が縮小したものの、ゲーム事業を展開するエンタテインメントコンテンツが減益となったことが響き営業減益となったものの、円安で為替差益15億円が発生し、経常利益と最終利益は増益となった。
・売上高:661億1800万円(同11.2%増)
・営業利益:27億7700万円(同27.8%減)
・経常利益:42億5500万円(同22.1%増)
・最終利益:31億5800万円(同7.4%増)
■エンタテインメントコンテンツ事業
売上高は527億7800万円(同11.3%増)、経常利益は81億4200万円(同4.6%減)となった。
◆コンシューマ分野
売上高が同17.6%増の347億円、営業利益が同18.4%減の53億円と増収減益だった。
・フルゲーム
家庭用ゲームソフトの売上高が同10.9%減の98億円だった。内訳をみると、新作が同30.0%減の21億円、リピートが同4%減の77億円だった。
この四半期では、新作として『十三機兵防衛圏』と『初音ミク Project DIVA MEGA39’s+』『ソニックオリジンズ』を発売し、販売本数は同58.5%減となる44万本だった。またリピート販売については14.8%減の470万本だった。リピートは想定を下回ったという。
同社では、第2四半期以降、主力新作タイトルの販売を本格化する考え。『ソニックフロンティア』や、ペルソナシリーズ(リマスター版)など15タイトル(欧米は16タイトル)を発売する計画だ。
・「F2P」タイトル
スマホゲームやPCオンラインゲームなど「F2P」タイトルの売上が同25.8%増の156億円だったことを明らかにした。2019年以降、四半期ベースでは最高水準の売上となった。
リリース年度別の売上を見ると、Colorful Paletteと共同で展開する『プロジェクトセカイ! feat. 初音ミク』を中心とする2021年3月期リリースタイトルが好調に推移したほか、『PSO2 ニュージェネシス』など2022年3月期のリリースタイトルも堅調に推移した。
なお、売上上位タイトルを見ると、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』が1位、『PSO2 ニュージェネシス』が2位、そして『セガNET麻雀 MJ』が3位だった。
◆アミューズメント分野
アミューズメント分野の業績について、売上高が同14.9%増の131億円と2ケタ増収となったものの、営業利益は同68.7%減の5億円だった。UFOキャッチャーシリーズやプライズなどの販売が好調に推移したものの、原材料価格の高騰が収益を圧迫した、としている。
同社のアミューズメント機器については、新型コロナの影響を受けて赤字となった2021年3月期は赤字に転落。アミューズメント施設も売却となったが、翌2022年3月期には営業利益25億円を計上するなど復調したが、再び世界情勢の影響を受けた。
◆映像・玩具分野
映像・玩具分野の業績は、売上高が同14.5%減の47億円、営業利益が同60.0%減の2億円だった。劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』等を公開し、玩具において、『メダルでバトル!恐竜図鑑パソコンΩ』等の新製品や定番製品を販売したという。
■遊技機事業
売上高は105億5700万円(同1.9%増)、経常損失は6億4600万円(同経常損失14億9400万円)となった。
パチスロ機では、『パチスロこの素晴らしい世界に祝福を!』等の販売を行い、8000台の販売(同9000台の販売)となり、パチンコ機では、『P頭文字D』等の販売を行い、1万4000台の販売(同1万5000台の販売)となり、概ね想定通りの販売台数となった。
なお、6.5号機を7月より投入開始しており、『パチスロ甲鉄城のカバネリ』が販売・稼働ともに好調に推移しているという。『パチスロペルソナ5』(2022年9月納品)と『パチスロハードボイルド』 (2022年10月納品)を発売する予定だ。
■リゾート事業
リゾート事業では、売上高は26億4900万円(同70.9%増)、経常損失は11億6800万円(同経常損失19億5900万円)となった。
『フェニックス・シーガイア・リゾート』において、政府や独自の観光需要喚起策が寄与し、第1四半期の施設利用者数が新型コロナウイルス感染症拡大前の2020年3月期第1四半期を上回る等、個人客中心に需要の高さが見られた。
海外では、PARADISE SEGASAMMY(同社持分法適用関連会社)が運営する『パラダイスシティ』において、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う各国の渡航制限の影響等により、2022年1月~3月のドロップ額(テーブルにおけるチップ購入額)が1月~3月と比較して16.0%、カジノ来場者数は31.8%となる等、引き続き低調に推移している。
※PARADISE SEGASAMMYは12月決算のため3ヶ月遅れで計上
■2023年3月通期の業績見通し
2023年3月通期の業績は、売上高3750億円(前期比6.5%増)、営業利益400億円(同1.3%増)、経常利益400億円(同7.6%減)、最終利益280億円(同2.8%減)、EPS126.83円を見込む。
・売上高:3750億円(同6.5%増)
・営業利益:400億円(同1.3%増)
・経常利益:400億円(同7.6%減)
・最終利益:280億円(同2.8%減)
・EPS:126.83円
計画に対する進捗率は、売上高17.6%、営業利益6.9%、経常利益10.6%、最終利益11.3%となっている。
・売上高:17.6%
・営業利益:6.9%
・経常利益:10.6%
・最終利益:11.3%
会社情報
- 会社名
- セガサミーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 里見 治/代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高4678億9600万円、営業利益568億3600万円、経常利益597億7800万円、最終利益330億5500万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 6460