【決算レポート】東京通信、第2四半期(4~6月)は新規事業などへの先行投資の前倒しで営業赤字を計上 メタバース事業創出に向けた取り組みを推進
東京通信<7359>の2022年12月期の第2四半期(4~6月)の連結決算は、プラットフォーム事業の電話占い「カリス」が引き続き堅調に推移したものの、ハイパーカジュアルゲームアプリで『Save them all』に続く大きなヒット作を創出できていないこともあり、売上高が減少した。
また、当初想定していた新規事業を中心とした先行投資の前倒しや、2022年11月に予定している本社移転に関わる費用が増加し、営業利益と最終利益は赤字計上となった。
売上高11億5500万円(前年同期比8.7%減)
営業損益800万円の赤字(前年同期1億4600万円の黒字)
経常利益400万円(前年同期比94.5%減)
最終損益4700万円の赤字(前年同期2億2400万円の黒字)
※売上高の前年同期比較は「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い、参考値となる。
インターネットメディア事業は、昨年度の大ヒットタイトル『Save them all』が時間経過とともに落ち着いたことで売上高が減少したものの、精力的にハイパーカジュアルゲームアプリの開発投資に注力し、新作『Big Makeover』がヒットした。
また、Play-to-Earn領域でインセンティブゲームの展開を開始し、『ソリティアスクラッチ』や『ポイ活ソリティア』などのタイトルが堅調に推移した。
さらに、2022年7月よりNintendo Switchで同社の過去のタイトルなどを活用したゲームコンテンツの配信を開始し、第1弾として『意味がわかると怖いミステリー』をリリースした。
プラットフォーム事業は、電話占い「カリス」がマーケティング強化も功を奏し、引き続き大きく貢献した。
また、新規事業のヘルステックアプリ「OWN.」をリリースしており、今後は恋愛相談サービス・ライブコマースサービス・推し活×メッセージアプリを、それぞれ第3四半期、第4四半期にリリースしていく予定だ。
インターネット広告事業は、堅調だった既存案件の需要が落ち着いた一方で、SEOコンサルティングサービスなどの新規商材開発のためコストが増加し、減収となった。
新規事業で注目したいのは、Web3.0 -メタバース領域への新たな取り組みだ。まずは、アイドル×メタバースの構想における足掛かりとして、オーバース社へ出資を行った。
また、今後のメタバース事業創出に向けて、ArithmerおよびNSCホールディングスと提携し、メタバースにおける街づくりプラットフォーム構築の構想に参画した。こちらはメタバース事業創出を目的とした合弁会社アミザが8月15日付で設立されている。
そのほかのトピックとしては、持株会社体制移行の検討を開始したことが上げられる。これはコーポレート機能を担う持株会社とプロフィットセンターとしての各事業を分離し、意思決定を迅速化することと、人材・リーダーシップの強化、次世代の経営人材に向けた育成基盤を構築することを目的としており、順調に進めば2023年4月に持株会社体制への移行と商号変更を行う予定だ。
なお、2022年12月期通期の連結業績予想については、当初想定していた新規事業を中心とした先行投資の前倒しと、分散したオフィス環境の統合による中長期にわたる経営の効率化を目指した本社移転を実施することを決定し、その影響を織り込む形で5月31日に期初予想の下方修正を発表している。
売上高53億円(前年同期59億円)
営業利益1000万円(前年同期比97.9%減)
経常利益1000万円(同97.6%減)
最終損益1億4000万円の赤字(前年同期2億3000万円の黒字)
会社情報
- 会社名
- 株式会社東京通信グループ
- 設立
- 2015年5月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 古屋 佑樹
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高62億1900万円、営業損益1億3300万円の赤字、経常利益3億5700万円、最終損益2億400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7359