【決算レポート】ミクシィ、1QはFC東京連結化でスポーツ急成長も先行投資響き営業減益 利益高進捗も費用増見込み通期予想は据え置き

ミクシィ<2121>の2023年3月期 第1四半期(22年4月~22年6月)の連結決算は、売上高310億2200万円(前年同期比8.7%増)、営業利益67億1000万円(同4.0%減)、経常利益53億2600万円(同7.6%減)、最終利益35億2400万円(同13.1%減)と増収減益だった。

・売上高:310億2200万円(同8.7%増)
・営業利益:67億1000万円(同4.0%減)
・経常利益:53億2600万円(同7.6%減)
・最終利益:35億2400万円(同13.1%減)

同社では、『モンスターストライク』を展開するデジタルエンターテインメント事業が堅調に推移したものの、スポーツ事業への先行投資を強化したことや、ライフスタイル事業の赤字転落が響いた、としている。M&Aや投資の積極化に伴い、のれん償却費や減価償却費の増加も負担となった。

 

セグメント別の状況は以下のとおり。セグメント利益または損失は、のれん償却費や減価償却費は考慮していないので注意してほしい。


■デジタルエンターテインメント事業
売上高は224億7800万円(同0.5%減)、セグメント利益は107億5000万円(同1.5%増)となった。

 当初は減収を見込んでいたが、『モンスターストライク』が想定を上回ったこともあり、前年同期並みの水準での着地となった。『SPY×FAMILY』など有力IPとのコラボレーションや新たな機能の追加によりMAU(月次アクティブユーザー数)の減少をわずかにとどめ、ARPU(客単価)は微増となった。

また、『コトダマン』については、周年イベントを実施したほか、『劇場版 呪術廻戦 0』など大型IPとのコラボレーションを実施したことが奏功し、2022年4月には過去最高売上を達成したとのこと。

 なお、セグメント利益が増益となったが、これについては広告宣伝費を前年同期から3億円減少したことが主な要因と説明している。


■スポーツ事業
売上高は63億5000万円(同56.9%増)、セグメント損失は6億5300万円(前年同期はセグメント損失6億8100万円)と大幅増収となった。

「TIPSTAR」と「チャリ・ロト」の車券販売が伸びたことに加えて、プロサッカークラブ「FC東京」を運営する東京フットボールクラブが連結に加わったことで大幅な増収を達成した。競輪場の包括運営も収益に寄与したという。

「TIPSTAR」と「チャリ・ロト」については、GMV(Gross Merchandise Value、流通取引総額)が同30.1%伸びたとのこと。FC東京が連結に加わらなかったとしても28.5%の増収だったそうだ。

なお、FC東京については、1月決算ということもあり、2月~4月の数字を取り込んだそうだ。主な収益は、スポンサーとチケット、マーチャンダイジングで構成される。

 利益面では、TIPSTARのコスト効率化などを図ったことで、セグメント損失の赤字幅は縮小した。またこちらはセグメント損失には入らないが、減価償却費とのれん償却費の合計額が1億2600万円増えた。


■ライフスタイル事業
売上高は18億4700万円(同7.3%増)、セグメント損失は1億7300万円(同セグメント利益1億5900万円)となった。

 前年同期ではSNS「mixi」のポイント失効による一時的な売上が計上されていたが、「家族アルバム みてね」と「minimo」が伸びたことで増収を達成した。一時的な売上の影響を除くと、同26.6%増になるそうだ。

他方、セグメント損失と赤字転落となったが、これは前年同期に計上した一時的な売上がなくなったことや、販売好調だった「みてね みまもりGPS」の本体販売強化による広告宣伝費など一時的なコストが増えたたため。


■投資事業
売上高は3億1300万円(同92.8%増)、セグメント利益は1億7900万円(同セグメント損失3900万円)となった。

グループの出資するファンドの損益を取り込んだことと、アイ・マーキュリーキャピタルの保有する投資有価証券の売却による収益を計上し、大幅増収・黒字転換となった。

なお、これは投資事業に付きまとう課題といえるものだが、投資先企業のイグジットのタイミングで収益を計上するため、どうしても四半期ごとのボラティリティが大きくなってしまう傾向にある。


■2023年3月通期の業績見通し
2023年3月通期の業績は、売上高1200億円(前期比1.6%増)、営業利益85億円(同47.1%減)、経常利益85億円(同50.1%減)、最終利益50億円(同51.3%減)、EPS68.91円を見込む。従来予想からは変更はない。

・売上高:1200億円(同1.6%増)
・営業利益:85億円(同47.1%減)
・経常利益:85億円(同50.1%減)
・最終利益:50億円(同51.3%減)
・EPS:68.91円

計画に対する進捗率は、売上高25.9%、営業利益78.9%、経常利益62.7%、最終利益70.5%と利益進捗率の高さが目立っている。上方修正必至のように思えるが、従来予想を据え置いた理由として、複数本リリース予定のモンストシリーズの開発費や、オフラインイベント開催など、今後費用計上を予定しているため、と説明した。

・売上高:25.9%
・営業利益:78.9%
・経常利益:62.7%
・最終利益:70.5%

 

株式会社MIXI
https://mixi.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1468億6800万円、営業利益:191億7700万円、経常利益156億6900万円、最終利益70億8200万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
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