【決算まとめ⑤】ゲーム関連企業の4~6月決算を再確認…アカツキ、アピリッツ、coly、ワンダープラネット、BOI、イマジニア、CA、ギークス、東京通信、ブシロード、マーベラス
主要モバイルゲーム企業の2022年4~6月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の各社の状況をあらためて振り返ってみたい。36社から大手ゲーム株を除いた中から、残りの11社分を取り上げる。
・アカツキ<3932>
第1四半期(4~6月)は、前四半期に『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』の国内版が7周年の周年企画を実施していた反動でQonQで減収となった。その減収の影響に加え、新規開発タイトルや新規参入したコミック事業への積極的な投資を実施したこともあり、大幅な減益となっている。なお、『UNI’S ON AIR(ユニゾンエアー)』がアピリッツとの共同運営体制に移⾏し、今後はその売上寄与は減少するも利益への影響は軽微な見通しだという。
・アピリッツ<4174>
第1四半期(2~4月)は、Webソリューション事業とオンラインゲーム事業ともに売上高が堅調に推移し、増収増益を達成した。オンラインゲーム事業は、5月に開始した大型運営受託案件が第2四半期より寄与してくる見通し。さらに『UNI’S ON AIR(ユニゾンエアー)』が共同運営に移行となることなどで、6月30日に2023年1月期通期の連結業績予想の上方修正を実施している。
・coly<4175>
第1四半期(2~4月)は、主力タイトルの『魔法使いの約束』が前四半期に周年を迎えていた反動が大きく、減収となった。また、新作の研究開発費や組織体制強化のための採用教育費・人件費が増加したこともあり、各利益項目とも赤字に転落した。5月30日に新作『&0(アンドゼロ)』をリリースしたが、ここまでのストアランキングの推移を見ると、その寄与度はやや低調なものとなりそうだ。初の常設店舗オープン、飲食店ブランド展開などの動きも気になるところ。
・ワンダープラネット<4199>
第3四半期(3~5月)は、既存タイトルの減収に加え、7月27日に配信開始した新作『アリスフィクション』のリリース前のプロモーション費用が増加したことが影響し、赤字幅が拡大した。ただ、次の四半期はその『アリスフィクション』が1ヵ月分寄与してくることになり、業績面で底打ち反転の兆しが見えてくることが予想される。
・BOI<4393>
第3四半期(4~6月)は、中国本土関連の一時売上を計上していた前四半期からは減収となるも、「恋庭」の成長で一時売上を除く売上は増収トレンドが続いた。ただ、その一方で、9月にリリース予定の新作『メメントモリ』のリリース前の一時広告宣伝費を計上したこともあり、赤字幅は拡大した。なお、通期業績は『メメントモリ』のリリースと「恋庭」の拡大で利益計上を見込んでおり、『メメントモリ』の動向が大いに注目される。
・イマジニア<4644>
第1四半期(4~6月)は、売上高は前四半期比でほぼ横ばいの推移となったが、6月にリリースした新作『サンリオキャラクターズ ミラクルマッチ』のプロモーション費用などが増加し、利益率が低下した。なお、今期はコンテンツ事業の研究開発費を前期比で約2倍に増加させる計画であり、利益率の低下傾向が続くことになりそうだ。
・サイバーエージェント<4751>
第3四半期(4~6月)のゲーム事業は、主力の『ウマ娘 プリティダービー』が前四半期に1周年で盛り上がっていた反動もあって、QonQで減収減益となった。全体業績では、ネット広告とメディアの売上が伸びたことで売上高は引き続き高い水準を維持したものの、「ABEMA」を展開するメディア事業への投資が続いており、大幅な減益となっている。年内リリース予定の新作『呪術廻戦 ファントムパレード』などにより、ゲーム事業の『ウマ娘』の売上の減少分をどこまでカバーできるのかが注目される。
・ギークス<7060>
第1四半期(4~6月)は、主力のIT人材事業では売上・利益ともに順調な長を達成したものの、ゲーム事業は運営スタート予定のタイトルのリスケジュールの影響もあり、セグメント赤字を計上した。なお、7月28日には運営タイトルの『フットサルボーイズ!!!!! ハイファイリーグ』(配信はバンダイナムコエンターテインメント)のサービスも終了となっており、今期は当初の予定以上に下期偏重の業績動向となってきそうだ。
・東京通信<7359>
第2四半期(4~6月)は、ハイパーカジュアルゲームアプリで『Save them all』に続く大きなヒット作を創出できていないこともあり、売上高が減少した。また、当初想定していた新規事業を中心とした先行投資の前倒しや、2022年11月に予定している本社移転に関わる費用が増加し、営業利益と最終利益は赤字計上となった。なお、新規事業では、メタバース事業の取り組みも進めている。
・ブシロード<7803>
第4四半期(4~6月)は、「ヴァイスシュヴァルツ」や「カードファイト‼ ヴァンガード」「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」などのトレーディングカードゲーム(TCG)が好調に推移したほか、音楽やスポーツなどライブIP事業が回復基調に入ったことが貢献し、QonQで大幅な増収増益を達成した。2023年6月期は、既存IPのテコ入れと再成長、新規IP・プロジェクトへの投資の1年としており、利益率は低下する見込み。
・マーベラス<7844>
第1四半期(4~6月)は、前四半期にデジタルコンテンツ事業で『ルーンファクトリー5』の北米・欧州版を発売していた反動で減収となるも、キッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』の好調でアミューズメント事業が伸び、増益となった。第2四半期は『ルーンファクトリー5』のSteam版と『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』のPS4版を発売しており、デジタルコンテンツ事業の売上回復が期待される。
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役 藤田 晋
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高7202億0700万円、営業利益245億5700万円、経常利益249億1500万円、最終利益53億3200万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751
会社情報
- 会社名
- 株式会社アカツキ
- 設立
- 2010年6月
- 代表者
- 代表取締役CEO 香田 哲朗
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高239億7200万円、営業利益26億7600万円、経常利益28億3400万円、最終利益12億8800万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3932
会社情報
- 会社名
- 株式会社マーベラス
- 設立
- 1997年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7844
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンク・オブ・イノベーション(BOI)
- 設立
- 2006年1月
- 代表者
- 代表取締役社長 樋口 智裕
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高213億3300万円、営業利益49億円、経常利益49億2000万円、最終利益32億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4393
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803
会社情報
- 会社名
- イマジニア株式会社
- 設立
- 1986年1月
- 代表者
- 代表取締役社長兼CEO 澄岡 和憲
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高59億600万円、営業利益3億4500万円、経常利益6億5600万円、最終利益4億1600万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4644
会社情報
- 会社名
- 株式会社アピリッツ
- 設立
- 2000年7月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員CEO 和田 順児
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高84億2700万円、営業利益5億9900万円、経常利益5億9600万円、最終利益3億8600万円(2024年1月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4174
会社情報
- 会社名
- ワンダープラネット株式会社
- 設立
- 2012年9月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 常川 友樹
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高24億4900万円、営業利益1億2100万円、経常利益1億1300万円、最終利益9200万円(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4199
会社情報
- 会社名
- ギークス株式会社
- 設立
- 2007年8月
- 代表者
- 代表取締役CEO 曽根原 稔人
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高237億3900万円、営業利益9000万円、経常利益8200万円、最終損益14億7300万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7060
会社情報
- 会社名
- 株式会社coly(コリー)
- 設立
- 2014年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 中島 杏奈/共同創業者 代表取締役副社長 中島 瑞木
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高50億6400万円、営業損益8億1300万円の赤字、経常損益7億9400万円の赤字、最終損益8億3000万円の赤字(2023年1月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4175
会社情報
- 会社名
- 株式会社東京通信グループ
- 設立
- 2015年5月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 古屋 佑樹
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高62億1900万円、営業損益1億3300万円の赤字、経常利益3億5700万円、最終損益2億400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7359