【決算レポート】マーベラス、『ルーンファクトリー5』ヒットの反動減で2Q(7~9月)は減収減益に 好スタートの『ドルフィンウェーブ』の運営・育成に最大限注力

柴田正之 編集部記者
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マーベラス<7844>の2023年3月期の第2四半期(7~9月)の連結決算は、前年同期は5月に発売した『ルーンファクトリー5』が業績に寄与していたことによる反動もあり、減収減益となった。

なお、経常利益が膨らんでいるのは、急激な円安による保有外貨預金への影響で営業外収益に為替差益を計上したためとなる。

売上高62億2700万円(前年同期比2.2%減)
営業利益9億9400万円(同30.8%減)
経常利益12億9500万円(同14.2%減)
最終利益9億300万円(同10.1%減)

セグメントごとの状況を見てみると、まずはデジタルコンテンツ事業は、前年同期比で売上高17.0%減、セグメント利益70.2%減となった。前述のとおり、前年同期は『ルーンファクトリー5』が業績に寄与していたほか、『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』のリピート販売も好調であったことによる反動減が出た格好だ。

ちなみに期中は、コンシューマゲームでは『ルーンファクトリー5』のSteam版を7月14日に、『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』のPS4版を7月28日に発売した。また、オンラインゲームでは、子会社ジー・モードより、スマートフォンで鉄道模型や自分だけのレイアウトを作って楽しめるゲームアプリ『デジプラコレクション まるごと鉄道!』を8月10日に配信開始している。

続く第3四半期は、コンシューマゲームで『No More Heroes 3』を PS、XBOXプラットフォーム、Steam向けに国内外で10月より発売したほか、オンラインゲームで子会社HONEY∞PARADE GAMESの完全新作となるジェットバトルゲーム『ドルフィンウェーブ』を10月20日にリリースした。

『ドルフィンウェーブ』は、各ストアのセールスランキングで上位に入るなど、好調なスタートを切っており、今後の定番タイトルとなるように運営・育成に努めていくとしている。

アミューズメント事業は、前年同期比で売上高46.0%増、セグメント利益52.8%増と大幅な増収増益を達成した。なお、四半期の売上赤は23億4400万円と20億円の大台を突破している。

そのけん引役は、主力のキッズアミューズメントマシン『ポケモンメザスタ』で、7月7日より稼動を開始した新弾「ダブルチェイン1弾」が、新弾としての過去最高の売上を更新したことが大きく寄与している。

なお、第3四半期については、9月15日より、『ポケモンメザスタ』の新弾「ダブルチェイン 2弾」が稼動中で、こちらも非常に好調に推移しているという。

さらに『ポケモンガオーレ』の海外展開も、新型コロナウイルスの影響が続いていた一部地域の市場が改善し、稼動状況が回復しているとのこと。

音楽映像事業は、前年同期に「舞台『刀剣乱舞』」の売上計上があった反動減などにより、前年同期比で23.0%の減収となった。ただし、舞台公演関連の補助金の計上があったことや、コロナ禍からの若干の収益改善などで、利益率が大幅に改善し、セグメント利益は同246.2%の増益となった。

第3四半期は、ステージ制作部門で「ミュージカル『新テニスの王子様』Revolution Live 2022」を10月に開催したほか、「ミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYU LIVE 3」を10月から11月まで開催する。

また、新作公演として、「『ダイヤの A』 The MUSICAL」を9月から10月に公演し、「音楽劇『まほろばかなた』」を10月から11月の予定で公演している。

映像事業部門では、2021年10月から12月に第1期が放送されたTVアニメ「吸血鬼すぐ死ぬ」の第2期が2023年1月より放送開始予定となっている。

なお、2023年3月期通期の連結業績予想は、第1四半期決算の発表時に開示したレンジ形式での予想を据え置いており、以下のとおり。

売上高250億~288億円(前年同期比2.8%減~11.9%増)
営業利益40億~46億円(同13.1%減~増減なし)
経常利益42億~48億円(同16.5%減~5.0%減)
最終利益29億4000万~33億6000万円(同23.0%減~12.0%減)

業績予想の達成のために、オンラインゲームの新作『ドルフィンウェーブ』の運営・育成に最大限注力するほか、第4四半期に発売を予定している『牧場物語 Welcome!ワンダフルライフ』と『ルーンファクトリー3スペシャル』、そして完全新作『LOOP8(ループエイト)』の拡販にも努めていくとしている。

株式会社マーベラス
https://www.marv.jp/

会社情報

会社名
株式会社マーベラス
設立
1997年6月
代表者
代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
決算期
3月
直近業績
売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7844
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