【決算レポート】バンナムHD、9月中間は『エルデンリング』好調で営業益32%増の816億円と大幅増 通期上方修正も進ちょく率63%と高水準

バンダイナムコホールディングス<7832>が11月10日に発表した第2四半期累計(22年4月~22年9月)の連結決算は、売上高4776億2000万円(前年同期比21.3%増)、営業利益816億0700万円(同32.2%増)、経常利益923億6500万円(同44.1%増)、最終利益665億5700万円(同68.4%増)と増収増益だった。

・売上高:4776億2000万円(同21.3%増)
・営業利益:816億0700万円(同32.2%増)
・経常利益:923億6500万円(同44.1%増)
・最終利益:665億5700万円(同68.4%増)

デジタル事業で『ELDEN RING(エルデンリング)』のリピート販売が海外を中心に好調に推移し、全体の伸びをけん引した。アミューズメント事業とトイホビー事業も収益を押し上げた。経常利益については、円安による外貨建取引に関わる為替差益も増益要因となった。

セグメント別の状況は以下のとおり。


■デジタル事業
・売上高:1938億9700万円(同29.6%増)
・営業利益:446億4900万円(同71.7%増)

家庭用ゲームソフトの売上高は同52.7%増の851億円だった。『ELDEN RING(エルデンリング)』の販売本数が9月末時点で1750万本を突破するなどリピート販売が好調だったほか、『デジモンサヴァイブ』や『太鼓の達人』などの複数のタイトルがスマッシュヒットになったことが主な要因だ。

 スマートフォンゲームを中心とするネットワークコンテンツの売上高は、同8.9%増の940億円だった。「ドラゴンボール」シリーズや「ONE PIECE」といった主力タイトルが映画のヒットや周年イベントの効果で好調に推移したそうだ。さらに、前期にサービスを開始したタイトルも貢献したという。

前期リリースタイトルでは以下のタイトルが貢献したものとみられる。

・『機動戦士ガンダム U.C. ENGAGE』
・『転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚』
・『僕のヒーローアカデミア ULTRA IMPACT』

 
■トイホビー事業
・売上高:2133億6800万円(同19.8%増)
・営業利益:335億6200万円(同1.4%増)

「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじ等のハイターゲット層(大人層)向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化等により、国内外において好調に推移した。

国内では、定番IPの玩具に加え、「ONE PIECE」のトレーディングカードゲームや「機動戦士ガンダム」シリーズのデジタルカード等のカード商材、「キャラパキ」等の菓子商材が人気となった。

 
■IPプロデュース事業
・売上高:350億6500万円(同2.9%減)
・営業利益:34億5900万円(同13.7%減)

「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ等のIPに関する映像作品の制作、映像・音楽パッケージソフトの販売・配信、ライブイベントの開催やライセンスビジネス等を行ったが、IP関連のライセンス収入が好調だった前年同期には及ばなかった。

 
■アミューズメント事業
・売上高:486億5700万円(同24.7%増)
・営業利益:48億0400万円(同96.3%増)

国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同期比で21.6%増となるなど、施設事業が回復したほか、機器販売事業が欧米を中心に好調に推移した、としている。コロナ禍でのコスト削減も収益回復要因となった。第2四半期(7~9月)の売上を見ると、同23.6%増の204億円だった。これは新型コロナ禍前の水準を上回るもので、直近では最高水準の売上となっている。

新型コロナの新規感染者は増減の波があるものの、徐々に正常化に向かっている状況にあるが、同社のアミューズメント施設では、こうした流れとは別に、店舗の主力ゲーム機がクレーンゲームに移行し、メインの来客層が若年層の男性から女性や子供を含めたファミリー層に変化したことが好業績につながったという。


■その他事業
・売上高:150億7000万円(同10.5%増)
・営業利益:4億5600万円(同21.4%減)

グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでいる。


■2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績は、売上高9400億円(前期比5.7%増)、営業利益1280億円(同2.0%増)、経常利益1390億円(同4.0%増)、最終利益950億円(同2.4%増)、EPS431.81円を見込む。好調な中間決算を受けて、従来予想に比べて売上高6.8%、営業利益28.0%、経常利益37.6%、最終利益35.7%引き上げた。

・売上高:9400億円(同5.7%増)
・営業利益:1280億円(同2.0%増)
・経常利益:1390億円(同4.0%増)
・最終利益:950億円(同2.4%増)
・EPS:431.81円

 計画に対する進捗率は、売上高50.8%、営業利益63.8%、経常利益66.4%、最終利益70.1%となっている。

・売上高:50.8%
・営業利益:63.8%
・経常利益:66.4%
・最終利益:70.1%

高い進ちょく率となっており、通期見通しはこれでも保守的に映るが、下期でも先行き不透明な状況が継続すると見込んでいるという。

株式会社バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンダイナムコホールディングス
設立
2005年9月
代表者
代表取締役社長 川口 勝
決算期
3月
直近業績
売上高1兆502億1000万円、営業利益906億8200万円、経常利益1041億6400万円、最終利益1014億9300万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7832
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