カプコン、第3四半期(4~12月)決算は売上高9%減、営業益5%減 前年同期の大型タイトル寄与の反動減に リピートタイトルの販売本数は前年同期を上回る

  • カプコン<9697>は、1月30日、2023年3月期の第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表、前年同期の新作大型タイトル販売による反動減で減収減益となった。

    ただし、リピートタイトルの販売本数が継続的な販売強化により22200万本と前年同期の1820万本を上回ったことで、第四半期決算時よりもばん回が進んだ。

    売上高796億7100万円(前年同期比9.6%減)
    営業利益333億3200万円(同5.0%減)
    経常利益335億6400万円(同7.1%減)
    最終利益236億1000万円(同11.6%減)

    各セグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①デジタルコンテンツ事業 売上高612億4200万円(前年同期比13.1%減)、営業利益346億1900万円(同3.6%減)
    2021年3月に発売した『モンスターハンターライズ』の超大型有料拡張コンテンツ『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(Nintendo Switch、パソコン用)を昨年6月に発売し、より軽快に進化したアクションや個性あふれるモンスターとフィールドの登場等により、グローバルで高い評価を得るとともに、無料タイトルアップデートなどの継続した施策により安定した人気を集めた。その結果、495万本を販売し業績に大きく貢献した。加えて、『モンスターハンターライズ』も、『モンスターハンターライズ:サンブレイク』とのセット版の投入や価格施策を講じ、続伸した。

    リピートタイトルにおいては、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得に加え、新作の継続的な投入およびセール販売との相乗効果により、『モンスターハンター:ワールド』や『デビル メイ クライ 5』『バイオハザード ヴィレッジ』など、シリーズタイトルを中心として販売が拡大し収益を押し上げた。

    ②アミューズメント施設事業 売上高113億5700万円(同26.3%増)、営業利益10億1300万円(同141.6%増)
    昨年3月のまん延防止等重点措置の全面解除による来店客数の回復に加え、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図り、前年同期比で増収増益となった。

    第3四半期累計期間において、4月にスポーツとエンターテインメントを融合した体験型アミューズメント施設の「クレイジーバネット イオンモール常滑店」(愛知県)をオープンしたほか、10月にクレイジーバネットをはじめとした総合アミューズメント施設の「MIRAINO イオンモール土岐店」(岐阜県)を出店した。

    また、11月に同社人気キャラクターグッズの物販店にカフェを併設した「カプコンストア&カフェ ウメダ」(大阪府)と12月にカプセルトイ専門店の「カプセルラボ なんばウォーク店」(大阪府)をオープンした。これにより、合計4店舗を出店するとともに、9月に1店舗を閉鎖したため、施設数は45店舗となっている。

    ③アミューズメント機器事業 売上高36億9900万円(同25.1%減)、営業利益20億6800万円(同7.1%増)
    厳しい市場環境の中、昨年8月発売の『新鬼武者2』が1万5000台となったほか、9月発売の『バイオハザードRE:2』も1万5000台となり、両機種が収益に大きく貢献するとともに、市場から高評価を獲得し好調に稼働した。

    また、今後の収益拡大を図るため、市場動向を見据えた施策を推し進めた。

    ④その他事業 売上高33億7100万円(同10.8%減)、営業利益12億1900万円(同21.3%減)
    同社タイトルのブランド価値向上に向け、引き続き主力IPを活用した映像化を推進するとともに、新規タイトルや人気タイトルのキャラクターグッズ展開などに注力した。

    一方、eスポーツにおいては、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を推し進め、世界各地で開催するオンライン大会「CAPCOM Pro Tour 2022」を昨年5月から開始し、7月から同大会の新カテゴリー「ワールドウォリアー」を追加するなど、開催地域と参加者の多様化施策を講じた。

    また、9月から国内でのチームリーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2022」を実施したほか、10月から北米・欧州においても同チームリーグ戦を実施するなど、各大会の振興を図るとともに、今年6月発売予定の『ストリートファイター6』のプロモーション展開を推進した。

    ■通期業績予想は変更なし
    2023年3月期通期の連結業績予想については、昨年10月に発表した予想から変更なく、以下のとおり。

    売上高1250億円(前期比13.6%増)
    営業利益500億円(同16.5%増)
    経常利益500億円(同12.8%増)
    最終利益365億円(同12.1%増)

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役社長 最高執行責任者 (COO) 辻本 春弘
決算期
3月
直近業績
売上高1259億3000万円、営業利益508億1200万円、経常利益513億6900万円、最終利益367億3700万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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