【決算レポート】KLab、第4四半期は『スクスタ』などタイトル移管や撤退の影響で減収に BLCゲーム『キャプテン翼 -RIVALS-』が1月にリリース

柴田正之 編集部記者
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KLab<3656>の2022年12月期の第4四半期(10~12月)決算は、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』(『スクスタ』)の運営を他社に移管するなど、タイトルの移管および撤退により運営タイトル数が減少したことで売上高は前年同期比で減収となった。

一方で、継続的なコスト削減や運営体制の見直しなどにより、営業赤字幅は大きく縮小した。なお、経常赤字が膨らんでいるのは為替差損を計上したためとなる。

売上高43億6900万円(前年同期比15.8%減)
営業損益2800万円の赤字(前年同期3億7600万円の赤字)
経常損益2億6800万円の赤字(同1億7800万円の赤字)
最終損益2億3300万円の赤字(同17億円の赤字)

運営タイトルの動向を見ると、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』(『スクフェス』)は、「スクフェス9.5th Anniversary」によって、10月は好調に推移したものの、年末にかけては軟調となり、前四半期比で減少した。

また、『BLEACH Brave Souls』(『ブレソル』)は、第3四半期に実施した周年キャンペーンの反動減が例年よりも小さく、前四半期比で横ばいの推移となった。

『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』(『キャプテン翼』)は、サッカーW杯の期間に合わせて、各国代表の公式ユニフォーム姿でキャラクターが登場する「ワールドドリームキャンペーン」を開催したことや、グローバル版での周年キャンペーンを開催したことが奏功し、国内版も海外版もに前四半期比で増加している。

海外売上高については、前述のとおり『ブレソル』が好調を持続したことに加え、『キャプテン翼』のGL版の周年イベントもあり、3四半期連続の増加となった。

なお、前四半期に続き、売上高の海外比率が50%を超える形となった。

新作のパイプラインを見てみると、前四半期とタイトルの内容に大きな変更点はなかった。ただ、当初の計画と比べると、リリース時期の予定が後ろ倒しになってきており、これが同社の中期経営計画の見直しの一因となっている。

直近の発表としては、カジュアル放置ゲーム 『カナヘイの小動物 ピスケ&うさぎの小旅行』を2023年に配信することを発表している。本作は、人気のイラストレーターのカナヘイさんのキャラクター「ピスケ&うさぎ」のIPを活用したタイトルとなっている。

子会社BLOCKSMITH&Co.が手掛けるブロックチェーンゲームは、Thirdverseグループがパブリッシャー、BLOCKSMITH&Co.が受託開発者となる『キャプテン翼 -RIVALS-』が2023年1月にグローバルでリリースされた。

このサービス開始による子会社BLOCKSMITH&Co.の業績寄与は、2023年12月期の第1四半期から見込んでいるという。

また、ブロックチェーンゲームについては、クイズを解くことにより知識を得ながら報酬を獲得できる、学んで稼げるLearn to Earnのゲーム『Quizo.ooo(仮)』も開発中となっている。

なお、中期経営計画の見直しが実施された。これはテーマと基本方針は維持し、業績目標のターゲットイヤーのみを変更するもので、FY2024に売上高400億円、営業利益100億円としていたものをFY2025以降に変更している。

これは、前述のとおり、新作のリリース時期が後ろ倒しとなったことに加え、既存タイトルの構成も2022年以降の業績寄与を想定していた『ラピスリライツ』が早期にサービス終了となり、2023年の第1四半期中にも『スクフェス』と『幽☆遊☆白書 100%本気(マジ)バトル』が順次サービス終了となることなどを踏まえたものとなっている。

2023年12月期通期の連結業績予想は非開示。ゲーム事業を取り巻く環境の変化のスピードが以前にも増して著しく、短期間でもゲームタイトルの動向を精緻に予測することが困難になってきているほか、2023年12月期は業績への大きな貢献を見込むElectronic Artsとの共同開発タイトルについて期中のリリースを予定しているものの、現時点ではリリース時期を未公表としているため、合理的かつ信頼性のある業績予想の提示が困難なため、としている。

KLab株式会社
http://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
決算期
12月
直近業績
売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
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