【決算レポート】enish、第4四半期(10~12月)は4四半期ぶりの売上高10億円割れ 新作『つなキャン』のリリース延期が響く 『De:Lithe Φ』問題が新たな懸念材料に

柴田正之 編集部記者
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enish<3667>の2022年12月期の第4四半期期間(10~12月)の決算は、昨年2月にリリースした新作『進撃の巨人Brave Order』(以下『ブレオダ』)の寄与で前年同期比では増収となったものの、既存ネイティブタイトルの苦戦と『ゆるキャン△ つなげるみんなのオールインワン!!』(以下『つなキャン』)のリリース延期などの影響により売上高は4四半期ぶりに10億円を割り込んだ。

売上高8億6200万円(前年同期比18.0%増)
営業損益1億9600万円の赤字(前年同期3億4700万円の赤字)
経常損益2億800万円の赤字(同3億2900万円の赤字)
最終損益2億3000万円の赤字(同3億3000万円の赤字)

各タイトルの状況を見てみると、『ブレオダ』は2022年11月に555万ダウンロードを突破した。さらに今年3月からのTVアニメ「進撃の巨人 The Final Season 完結編」の放送開始に向けて施策の準備を進めているという。

『五等分の花嫁 五つ子ちゃんはパズルを五等分できない。』(以下『ごとぱず』)は、★5SSカードやオリジナル衣装が登場した。

ただ、『ブレオダ』と『ごとぱず』は、この第4四半期については、どちらも低減傾向にあったとのこと。

新作パイプラインは、今春リリース予定に延期となった『つなキャン』を含む3~4本と前四半期より1本増加した。

増えたタイトルの詳細などは明らかにされていないが、同社は今後の継続した成長に向け優良IP案件を開発することを基本方針としており、何らかのIP案件が新たにパイプラインに加わったものと思われる。

なお、2023年12月期通期の連結業績予想については非開示。モバイルゲーム事業を取り巻く環境は変化が激しく、同社の事業も短期間に大きく変動する可能性があることなどから、信頼性の高い業績予想数値を算出することが困難なため、としている。

また、直近では、HashPaletteからの受託案件として開発を進めてきたブロックチェーンゲーム『De:Lithe Φ (ディライズ ファイ)』について、双方の主張が対立する事態となっている。同社は「取り組みを継続することは困難」ともしており、2023年12月期業績への影響は注視しておく必要がありそうだ。

株式会社enish
http://www.enish.jp/

会社情報

会社名
株式会社enish
設立
2009年2月
代表者
代表取締役社長 安徳 孝平
決算期
12月
直近業績
売上高35億800万円、営業損益12億600万円の赤字、経常損益12億6500万円の赤字、最終損益13億7400万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3667
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