【決算レポート】東京通信、第4四半期(10~12月)は電話占い「カリス」の好調で増収も新ジャンルのアプリ開発費などが先行 ネクスと組みGameFi領域に参入へ
東京通信<7359>の2022年12月期の第4四半期(10~12月)の連結決算は、プラットフォーム事業において電話占い「カリス」が好調に推移したことなどで大幅な増収となったものの、インターネットメディア事業で新ジャンルのアプリ開発費やプロモーション費が増加したことなどで赤字計上となった。
なお、最終赤字が膨らんでいるのは、今後推進する子会社のオフィス拠点の統合の過程で生じる可能性がある将来の損失に備えて、偶発損失引当金繰入額を計上したことなどが影響している。
売上高13億7500万円(前年同期比11.4%増)
営業損益2100万円の赤字(前年同期6300万円の黒字)
経常損益4300万円の赤字(前年同期6200万円の黒字)
最終損益1億5700万円の赤字(前年同期600万円の赤字)
※売上高の前年同期比較は「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い、参考値となる。
インターネットメディア事業は、ハイパーカジュアルゲームアプリの大ヒットタイトル『Save them all』の収益減少の影響があるものの、『stop the flow!』や『draw flights』といったヒットタイトルの運用が好調に推移した。
また、外部のIP(知的財産)を活用したハイパーカジュアルゲームアプリ『救え!邪神ちゃんドロップキック』を昨年12月27日にリリースした。
一方で、精力的にハイパーカジュアルゲームアプリや新ジャンルのアプリ開発投資に注力しており、利益率は低下している。
ネクスグループ<6634>とアライアンス契約を締結し、「ネクスコイン」を基軸通貨とするブロックチェーンゲームに特化したゲーム配信プラットフォームである「NCXC CameFiプラットフォーム」へブロックチェーンゲームの供給を行うことを発表するなど、ゲームアプリ開発ノウハウを活かしたGameFi領域への参入を予定している。
プラットフォーム事業は、主力事業である電話占い「カリス」がブランドの認知向上とともに引き続き大きく貢献した。2023年4月にはサイバーエージェント<4751>から「SATORI電話占い」の事業を譲受することも発表しており、続く2023年12月期も成長基調が続くことが期待される。
また、ヘルステックアプリ 「OWN.App」が高い継続率で課金ユーザーを順調に増加させたほか、物販EC領域の開拓に向け「OWN.Shop」をリリースするなど新規サービスの開発も進んでいる。
インターネット広告事業は、SEO事業などの新規商材の貢献もあって増収となった。ただ、コストの増加で費用が先行する形となっている。
なお、2023年12月期より、「メディア事業」と「プラットフォーム事業」の2つのセグメントに変更し、グループ全体の更なる成長を目指していく。また、4月には持株会社体制への移行を予定しており、コーポレート機能を担う持株会社とプロフィットセンターとしての各事業を分離することで、意思決定の迅速化を図っていく。
2023年12月期通期の連結業績予想については、以下のとおりで増収、営業利益と経常利益の黒字転換を見込んでいる。
売上高60億円(前期比18.3%増)
営業利益3000万円(前期5400万円の赤字)
経常利益1000万円(同4500万円の赤字)
最終損益1億1000万円の赤字(同2億6500万円の赤字)
会社情報
- 会社名
- 株式会社東京通信グループ
- 設立
- 2015年5月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 古屋 佑樹
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高62億1900万円、営業損益1億3300万円の赤字、経常利益3億5700万円、最終損益2億400万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7359