【決算レポート】coly、第4四半期(11~1月)は営業益73%減に 人件費と研究開発費の増加で利益率が低下 2月に新作『&0』のサービスを早期終了

柴田正之 編集部記者
/

coly<4175>の2023年1月期の第4四半期(11~1月)の決算(非連結)は、既存タイトルの『スタンドマイヒーローズ』と『魔法使いの約束』の売上の伸び悩みに加え、新作『&0』のサービス終了を判断したことにより減収となった。

加えて、組織体制強化に伴う人件費や、新規作品開発のための研究開発費が増加し、営業利益と経常利益は大幅な減益となった。なお、最終損益が赤字となっているのは、なお、最終赤字が膨らんでいるのは、投資有価証券評価損6800万円などを特別損失として計上したことなどが影響している。

売上高18億4200万円(前年同期比6.4%減)
営業利益1億1600万円(同73.1%減)
経常利益1億1600万円(同73.1%減)
最終損益1億1600万円の赤字(前年同期2億9700万円の黒字)

この四半期のゲーム事業の大きなトピックは、やはり新作『&0』のサービスを2月1日をもって早期終了したことだろう。『&0』については、サービス終了後もユーザーに楽しんでもらえる仕組み作りを行っていくとしている。

既存タイトルの『魔法使いの約束』は、11月にリリース3周年を記念したイベントやキャンペーンを展開した。また、メインストーリー第2部の配信を定期的に行っており、DAU(日次アクティブユーザー数)は上昇傾向にあるという。

新作パイプラインは、フジテレビとの協業案件である『永久少年 Side Project -トワイライトなスピカ-』の2023年初旬リリース予定と、大手エンターテインメント企業との協業案件の2026年1月期リリース予定は変化はなく、開発が進められていた『ドラッグ王子とマトリ姫 for Nintendo Switch』は先日3月9日にリリースされた。

そして、新たに2024年1月期リリース目標の自社IP作品が新たに開発中ステータスに加わった。こちらについては詳細が後日発表される予定となっているようだ。

MD事業は、2022年12月から2023年1月にかけて、『魔法使いの約束』の特別上映会を開催するなどリアルイベントを展開した。リアルイベントの展開は、足元のイベントの開催制限の緩和がプラスに働くことも予想されるだけに、同社もその恩恵を受けることができるのか注目されるポイントとなりそうだ。

また、前期は自社運営の飲食店ブランド「Sugar Dia」の立ち上げなどを実施したが、今期も4月19日に自社運営の飲食店「coly cafe!」をオープンする予定だ。

■2024年1月期の業績予想は非開示

なお、2024年1月期通期の業績予想は、合理的かつ信頼性のある業績予想の提示が困難なため、非開示としている。

ただ、新規開発/新規事業の人員確保に一定の目途がついたため、採用スピードについては前期と比較すると緩やかになる想定だという。

株式会社coly(コリー)
https://colyinc.com/

会社情報

会社名
株式会社coly(コリー)
設立
2014年2月
代表者
代表取締役社長 中島 杏奈/共同創業者 代表取締役副社長 中島 瑞木
決算期
1月
直近業績
売上高50億6400万円、営業損益8億1300万円の赤字、経常損益7億9400万円の赤字、最終損益8億3000万円の赤字(2023年1月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
4175
企業データを見る