タカラトミー、23年3月期決算は売上高13%増、営業益6%増に 玩具出荷の堅調やアミューズメントマシンとガチャの人気継続が寄与

  • タカラトミー<7867>は、5月9日、2023年3月期の連結決算を発表、玩具出荷が堅調に推移し、タカラトミーアーツが展開するアミューズメントマシンおよびガチャの人気が継続したことに加え、小売事業も新型コロナウイルス感染症に対する諸規制の緩和に伴う人流の回復やキャラクター玩具の販売が伸長したことで増収となった。

    なお、経常利益が減益となっているのは為替差損の計上によるものとなる。

    売上高1872億9700万円(前々期比13.2%増)
    営業利益131億1900万円(同6.3%増)
    経常利益120億4300万円(同4.9%減)
    最終利益83億1400万円(同8.8%減)

    国内では、定番商品において、子どもだけでなく大人に向けても魅力ある商品の企画開発と販売強化に引き続き努め、「トミカ」では「変形出動!ビッグファイヤー&コマンドステーション」など子ども向けの大型商品を発売するとともに、大人向けではリアリティを追求した「トミカプレミアム」シリーズの新商品展開を積極的に進めた。さらに、11月に販売を開始した「スタジオジブリ」作品とのコラボレーションである「ドリームトミカ ジブリがいっぱい」シリーズでは、2023年3月に第2弾を発売するなど商品ラインの充実を図った。

    また、動かして遊べる動物フィギュア「アニア」が発売10周年を迎えるにあたり、新たな定番商品として拡販するとともに、2023年4月からテレビアニメ放送の開始を発表するなどブランドの強化に取り組んだ。

    今期発売20周年を迎えたトレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」は、9月にテレビアニメを6年ぶりに一新し、関連商品を発売するなどマーケティングを強化した。「トランスフォーマー」は、海外向け輸出が増加した。「ポケットモンスター」では、「モンコレ」をはじめとした関連商品が引き続き人気を博すとともに、ポケモンと遊びながら学べるキッズパソコン「ポケモン ピカッとアカデミー マウスでゲットパソコン プラス」が人気を博した。放送4年目となったテレビアニメ「パウ・パトロール」は、地上波での新シリーズ放送などにより人気がさらに拡大し、「パウ・パトロール にほんご・えいご・クイズも! おしゃべりパウフェクトずかん」など関連商品の販売が好調に推移した。

    また、テレビ・WEBでのIP展開として、4月からテレビアニメ「キャップ革命 ボトルマンDX」の放送を開始するとともに、「トミカヒーローズ ジョブレイバー 特装合体ロボ」はWEBアニメの配信を開始した。さらに、デジタルとリアルの遊びが融合した商品特徴と、豊富なキャラクターの魅力から高い人気の新触感液晶玩具「ぷにるんず」は、10月から玩具発オリジナルテレビアニメとして放送開始するとともに、関連商品も人気を集めた。「トミカ」「プラレール」「アニア」から生まれたキャラクター「ゴー!ゴー!びーくるずー」はタカラトミー公式YouTubeチャンネルに加えて2023年4月からテレビ放送の開始を発表するなど、保有するIPの積極展開に取り組んだ。

    「アソビ」をキーとした新たな取り組みとしては、AI音声合成技術により、実在の人物の声とそっくりな合成音声で読み聞かせをするスピーカー「coemo(コエモ)」を発売するなど、新技術を活用したオリジナリティの高い商品やサービスを展開した。また、メタバース(仮想空間)において玩具で遊ぶ「メタバース 黒ひげ危機一発」の展開を開始し、デジタル空間での新たなアソビ体験を提供した。

    タカラトミーアーツが展開するアミューズメントマシンでは、「ポケモンメザスタ」が引き続き好調に推移した。また、同社のガチャ事業においても、カプセル玩具の人気が高まっている市場環境の中、大型ガチャ売場の設置拡大とヒットコンテンツを使った大人向け商品の拡大等により売上が伸長するとともに、ぬいぐるみなどの販売も好評を博した。

    一方、欧米では「Ag Replicas」や「Ag Basic Toys」などの農耕車両玩具は販売が好調に推移したほか、日本においてタカラトミーアーツが展開するぬいぐるみシリーズ「もっちぃもっちぃ、海外商品名:Club Mocchi- Mocchi-」が伸長した。

    また、アジアでは、中国の一部の都市で実施されていたロックダウンなどの行動制限は緩和されたものの、新型コロナウイルスの感染再拡大が見られたなど、購買行動にも一時影響をもたらした。そのような中、日本における定番商品「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」そして「アニア」などの展開に取り組んでおり、特に「トミカ」単品や「ダイアクロン」などが好調に推移した。

    ■2024年3月期は増収増益の見込み
    2024年3月期通期の連結業績予想については、中期経営計画の達成に向けて「アソビ」を軸とした商品展開、事業領域の拡大に努めることで、以下のとおりの増収増益を見込んでいる。

    売上高1950億円(前期比3.3%増)
    営業利益135億円(同2.9%増)
    経常利益130億円(同7.9%増)
    最終利益90億円(同8.2%増)

株式会社タカラトミー
http://www.takaratomy.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社タカラトミー
設立
1953年1月
代表者
代表取締役会長CEO 富山 幹太郎/代表取締役社長COO 小島 一洋
決算期
3月
直近業績
売上高1872億9700万円、営業利益131億1900万円、経常利益120億4300万円、最終利益83億1400万円(2023年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7867
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