【ゲーム株概況(12/18)】ゼロ金利解除への警戒感 IGポート年初来高値更新 『呪術廻戦ファンパレ』好調のサイバー反発 下方修正のモバファクは下げ渋る

12月18日の東京株式市場は反落。日経平均株価は、前日比211円57銭安の3万2758円98銭で取引を終えた。日銀の金融政策決定会合の結果公表を明日に控えるなか、マイナス金利解除への警戒感からの売りが優勢となった。日経平均は、一時、400円を超える下げとなったが、下値では押し目買いが入り、200円安程度の水準まで下げ渋った。ただ、政治を巡る混乱もあり、上値追いの動きは限定ではないか、との見方もあった。

こうしたなか、ゲーム関連株を見ると、IGポート<3791>が年初来高値更新。アニメシリーズ「THE ONE PIECE」の制作を同社グループ会社のウィットスタジオが担当すると発表されたことが材料視されたようだ。直近の上昇から加熱感も出ており、上値では利益確定売りが断続的に出ているもよう。

集英社とフジテレビ、東映アニメーション<4816>は、12月17日、『ONE PIECE』の新しいアニメシリーズの製作委員会を立ち上げ、原作第1話から再アニメ化するアニメシリーズ「THE ONE PIECE」の制作をジャンプフェスタで発表した。その際、「SPY×FAMILY」や「進撃の巨人」などの大ヒットアニメを数多く手掛けてきたウィットスタジオが制作を担当することも大々的に発表となった。

サイバーエージェント<4751>が反発。グループ会社のサムザップと東宝<9602>の運営している『呪術廻戦 ファントムパレード(ファンパレ) 』がApp Storeセールスランキングで首位に立ったことが材料視されている。他方、東宝<9602>は5日続落も下げ渋る動きとなっている。

『ファンパレ』は、有力タイトルが積極的にイベントを仕掛けてくる週末にあっても首位を堅持しているほか、Google Playでも2位と首位を狙う位置にいるなど、新作タイトルとして力強さを見せている。首位獲得の日数はリリース直後よりも長くなるなど、人気の度合いを高めているようだ。

他方、アピリッツ<4174>が大幅反落。前週末12月15日の引け後に第3四半期の決算を発表したものの、決算期待から先回り買いが入っていたようだ。特に上方修正など新規の材料がなかったこともあって、この日は売りに押されているようだ。

同社が発表した第3四半期累計(23年2月~23年10月)の連結は、売上高63億1700万円(前年同期比20.0%増)、営業利益4億4900万円(同48.9%増)と大幅増益だった。ゲーム事業が減益となったが、WebソリューションがDX需要などで好調に推移し、業績拡大をけん引。また、デジタル人材育成派遣事業も大きく成長したという。

モバイルファクトリー<3912>が年初来安値を更新した。先週末、ブロックチェーン事業から撤退するとともに、2023年12月通期の最終利益の見通しを従来の6億2100万円から6700万円の赤字に下方修正したことが嫌気されたようだ。また2025年12月期を最終年度とする中期経営計画の取り下げも行った。

第3四半期の発表がすでに終了し、マーケットの関心が2024年12月期以降の業績に移っていることもあり、下値では押し目買いが入っており、引けにかけて下げ渋った。『駅メモ』を中心とする位置情報ゲームが堅調で、売上高と営業利益の見通しを引き上げている。ブロックチェーン事業への投資がなくなる分、利益にも寄与するのではとの見方もあるようだ。

なお、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、コーエーテクモホールディングス<3635>、モブキャストホールディングス<3664>、日本ファルコム<3723>、サイバーステップ<3810>、日本一ソフトウェア<3851>、gumi<3903>、coly<4175>、バンク・オブ・イノベーション<4393>、monoAI technology<5240>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>などが年初来安値を更新した。