東映アニメ、第3四半期(4~12月)決算は売上高が過去最高、減益も営業利益は過去2番目の水準に 大型劇場3作品の大ヒットによる波及効果が継続 通期予想は上方修正に

  • 東映アニメーション<4816>は、1月29日、2024年3月期の第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表、前年同期に公開した大型劇場3作品の大ヒットによる波及効果が継続し、商品販売事業に加え、海外における配信権販売が業績をけん引し、売上高は第3四半期累計として過去最高を更新した。

    なお、営業減益となっているのは、第1四半期における「聖闘士星矢 The Beginning」の棚卸資産の評価損計上による影響だが、営業利益の数字自体は大型劇場3作品を公開した前年度に次ぐ過去2番目の水準となっている。

    売上高671億1700万円(前年同期比3.2%増)
    営業利益177億7200万円(同18.5%減)
    経常利益203億円(同10.9%減)
    最終利益145億9300万円(同11.6%減)

    各セグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①映像製作・販売事業 売上高264億6400万円(前年同期比9.6%減)、セグメント利益48億6900万円(同42.9%減)
    劇場アニメ部門では、4月に「聖闘士星矢 The Beginning」、6月に劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos《前編》」、劇場版「美少女戦士セーラームーンCosmos《後編》」、9月に「映画プリキュアオールスターズF」、10月に「デジモンアドベンチャー 02 THE BEGINNING」、11月に映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」を公開した。「映画プリキュアオールスターズF」、映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が好調に推移したものの、前年同期に公開し、大ヒットした映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」「ONE PIECE FILM RED」「THEFIRST SLAM DUNK」の反動により、大幅な減収となった。

    テレビアニメ部門では、「ひろがるスカイ!プリキュア」「ワンピース」「逃走中 グレートミッション」「キボウノチカラ~オトナプリキュア'23~」「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」「おしりたんてい」「いきものさん」の7作品を放映した。前年同期と比較して放映作品数が減少したことから、若干の減収となった。

    コンテンツ部門では、「ONE PIECE FILM RED」のブルーレイ・DVD発売により、若干の増収となった。

    海外映像部門では、前年同期に好調に稼働した映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」の海外上映権販売の反動減があったものの、「ワンピース」の海外配信権販売、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の海外上映権販売が好調だったことから、増収となった。

    その他部門では、国内の映像配信権販売が前年同期の勢いには至らなかったことなどから、減収となった。

    セグメント利益については、「聖闘士星矢 The Beginning」の棚卸資産の評価損を計上した。

    ②版権事業 売上高301億2900万円(同3.6%減)、セグメント利益143億2700万円(同8.8%減)
    国内版権部門では、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が前年同期の勢いには至らなかったものの、「ワンピース」のゲーム化権販売、商品化権販売が好調に稼働したことなどから、ほぼ横ばいとなった。

    海外版権部門では、「ワンピース」の商品化権販売が好調に稼働したものの、「デジモン」シリーズ、「ドラゴンボール」シリーズの商品化権販売が前年同期の勢いには至らなかったことなどから、減収となった。

    ③商品販売事業 売上高84億3200万円(同139.6%増)、セグメント利益14億7300万円(同619.6%増)
    商品販売部門では、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の劇場物販およびEコマース、「ワンピース」「プリキュア」シリーズのショップ事業が好調に稼働したことなどから、大幅な増収となった。

    ④その他事業 売上高24億3100万円(同105.0%増)、セグメント利益1600万円(同65.9%減)
    その他部門では、催事イベントやキャラクターショー等を展開しました。「プリキュア」シリーズの催事が好調に稼働したことから、大幅な増収となったが、イベント事業全体にかかる販売費増などにより大幅な減益となった。

  • ■通期予想を上方修正

  • 2024年3月期通期の連結業績予想は、前年度に公開した映画の波及効果が継続し、国内における配信権販売や商品化権販売、並びに商品販売事業が期初見込みを上回り好調に推移したことから、以下のとおり上方修正している。

    売上高820億円→830億円(増減率1.2%増、前期比5.1%減)
    営業利益190億円→205億円(同7.9%増、同28.5%減)
    経常利益200億円→215億円(同7.5%増、同27.8%減)
    最終利益135億円→155億円(同14.8%増、同25.8%減)

東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/

会社情報

会社名
東映アニメーション株式会社
設立
1948年1月
代表者
代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
決算期
3月
直近業績
売上高874億5700万円、営業利益286億6900万円、経常利益297億9100万円、最終利益209億円(2023年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4816
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