円谷フィールズHD、第3四半期(4~12月)決算は売上高37%増、営業益30%増に Netflixと長編CGアニメ映画「ウルトラマン: ライジング」を共同制作

  • 円谷フィールズホールディングス<2767>は、2月9日、2024年3月期の第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表、スマートパチスロ機の好調でPS事業セグメントが大幅な増収増益となり、業績をけん引した。

    売上高1232億600万円(前年同期比37.5%増)
    営業利益123億2000万円(同30.0%増)
    経常利益134億5600万円(同38.0%増)
    最終利益95億3200万円(同68.8%増)

    主なセグメントごとの状況は以下のとおり。

    ①コンテンツ&デジタル事業セグメント 売上高114億6600万円(前年同期比7.5%増)、営業利益30億円(同21.2%減)
    2022年5月に公開した映画「シン・ウルトラマン」のヒットにより、新たなファンの拡大につながり、親子3世代へのファンの拡大に寄与している。また、2023年7月に放送を開始したテレビ番組「ウルトラマンブレーザー」は、世界6ヵ国・地域で現地語吹替版、YouTubeにおいて13ヵ国語による字幕、吹替版のサイマル配信を実施することで、世界レベルでの新たなウルトラマンファンの獲得につながっている。

    それがきっかけとなり、従来の映像作品の視聴にも結びついた。結果としてオフィシャルグッズの販売や他社とのライセンス商品の拡充などにつながり購買意欲を一層掻き立てている。映像作品による認知拡大や好感度の向上により、中国では4ヵ所のテーマパークに常設ステージを備えたウルトラマンエリアが開設され、ファン拡大の起爆剤となっている。さらに国内外でも積極的にイベントが開催され、多くの方が来場した結果、映像・イベント事業は増収となるとともに、ファン層の拡大に合わせて拡充した商品カテゴリーでのウルトラマングッズの販売も好調だった。

    カードゲームは、現在、中国においてコレクションニーズ主体の商品が人気であり、このカードゲームのファン層をより幅広い年齢層まで広げ、グローバルに拡大するために、世界大会も視野に入れたゲーム性の高いトレーディングカードゲームを今夏より全世界に向けて販売することを発表した。この動きに伴い、現在販売されているカードゲームでは在庫調整の動きも見られた。

    また、Netflixとの共同制作による長編CGアニメーション映画「ウルトラマン: ライジング」は本年全世界に配信される予定。作品に合わせた様々な商品展開に向けパートナー企業とともに準備を進めている。

    最先端のCG映像制作技術を有するデジタル・フロンティアは、Netflix、大型アニメ映画やゲーム案件の順調な受注に加え、実写と見分けがつかないほど精工に作られた3DCGモデル「デジタル・ヒューマン」技術を活用した新規領域での取り組みを進めている。1月には、ヤクルト本社の商品「Yakult(ヤクルト)1000」のテレビCMにおいて、同社が再現した「坂本龍馬」の3DCGモデルが起用されている。今後CM動画や映画など様々なカテゴリーでの活用が期待されている。

    ②PS事業セグメント 売上高1109億5200万円(同42.9%増)、営業利益109億7800万円(同81.1%増)
    第3四半期累計期間におけるパチンコ・パチスロ業界では、パチスロ市場はスマートパチスロ機で継続してヒット機種が登場し、好調な稼働を維持しており、良好な状況が続いている。これに伴いパーラーの売上も順調に回復している。

    一方、パチンコ市場は、スマートパチンコ機において複数のヒット機種が登場しているものの、スマート機へのシフト本格化には至らず、稼働をけん引する新規タイトルが乏しいことから、パチスロ市場との比較ではやや低調な推移となった。このような環境の中、2023年12月に発売した「ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン」(販売台数6.1万台)は好評で、2021年12月に販売した「P 新世紀エヴァンゲリオン ~未来への咆哮~」と合わせ「エヴァンゲリオン」シリーズの稼働シェアおよび設置シェアは第一位(2023年12月末時点)と、ユーザーに愛されるシリーズに育っている。

    引き続き自社が保有するキャラクターの魅力を引き出す製品の開発を進めることで、さらなるファンの獲得と拡大を見込んでいる。

  • ■通期予想は据え置き

  • 2024年3月期通期の業績予想については、従来予想から変更なく、以下のとおり。

    売上高1230億円(前期比5.0%増)
    営業利益120億円(同9.6%増)
    経常利益122億円(同8.7%増)
    最終利益85億円(同3.4%増)

円谷フィールズホールディングス株式会社
https://www.tsuburaya-fields.co.jp/

会社情報

会社名
円谷フィールズホールディングス株式会社
設立
1988年6月
代表者
代表取締役社長 グループ最高経営責任者 山本 英俊
決算期
3月
直近業績
売上高1419億2300万円、営業利益118億2700万円、経常利益129億4700万円、最終利益115億5100万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2767
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