アピリッツ、24年1月期の決算は売上、利益ともに過去最高　全セグメント増益達成　ゲーム事業も減収抑えつつ運営効率化に成功

アピリッツ<4174>は、3月15日、2024年1月期(23年2月～24年1月)の連結決算を発表し、売上高84億2700万円(前の期比15.1%増)、営業利益5億9900万円(同29.6%増)、経常利益5億9600万円(同33.9%増)、最終利益3億8600万円(同83.8%増)だった。

・売上高:84億2700万円(同15.1%増)
・営業利益:5億9900万円(同29.6%増)
・経常利益:5億9600万円(同33.9%増)
・最終利益:3億8600万円(同83.8%増)

全事業が増益を達成した。2022年6月に運営移管した「UNI'S ON AIR(ユニゾンエアー)」について、当初計画した2年間での投資回収が難しいとの判断に至ったため、2000万円の減損損失を計上した。これにより25年1月期以降の償却費の負担がなくなる。

① Webソリューション事業
売上高は34億5800万円(同20.2%増)、セグメント利益は9億6700万円(同15.5%増)となった。

Webソリューション事業においては、顧客のニーズに合わせたサービス設計から開発・保守までの一連の流れで業務を請け負うことによりロイヤリティループを形成し、継続受注や複合サービスの提供案件を順調に伸ばしてきた。また、その開発を担う若手の成長が事業拡大の重要課題と捉えており、責任あるポジションを経験させることで開発エンジニアとしての技能の向上を図り、それをまた新たな若手に繋げていくという循環により成長スパイラルを形成している。その上で、Webソリューション事業は顧客のDX化を実現すパートナーとして継続案件での安定的な受注、活況な市場環境における順調な新規案件の獲得、案件自体の大型化による単価上昇により業績を順調に拡大してきた。

② デジタル人材育成派遣事業
売上高は19億3800万円(同57.9%増)、セグメント利益は1億1100万円(同17.4%増)となった。運営効率化を行い、減収率を抑えつつ、費用を低減することで2桁の増益を達成した。

デジタル人材育成派遣事業は、これまで「Webソリューション事業」及び「オンラインゲーム事業」の両セグメントに含まれていた、デジタル人材派遣事業の機能及び2022年7月に完全子会社化したY'sを統合して新たに立ち上げた事業。昨今のDX化に見られるように、急速に進むデジタルビジネスの進展とそれを支えるデジタル人材の需給ギャップは構造的な問題となっており、課題とされているデジタル人材不足に対するソリューションとして、機動的に対応できるように新たなセグメントとして区分した。

未経験に近い人員の採用を行い、過去から積み上げた質の高い教育を積極的に行うことで、質の高いデジタル人員を顧客に提供してきた。売上は昨対比で大幅に増加しており、また、採用・教育が一巡したことで、当初の計画のとおり下期にかけて採用・教育コストを吸収し、セグメント利益も順調に伸長している。

③ オンラインゲーム事業
売上高は30億8400万円(同4.2%減)、セグメント利益は1億8900万円(同30.6%増)となった。

オンラインゲーム事業は、自社ゲームタイトルにおいては、『ゴエティアクロス』が9月にサービス開始5周年を迎えたことを記念して周年イベントを開催するなど、売上維持に努めてきた。また、「式姫Project」の新作ゲームタイトルの開発も来年度中のリリースに向けて鋭意進めている。

運営移管タイトルにおいては、『けものフレンズ3』及び『UNI'S ON AIR』がいずれも9月にサービス開始4周年を迎えたことを記念して周年イベントを開催した。また、『UNI'S ON AIR』においては、年末年始イベントの開催が下期の売上に貢献した。さらに、運営移管後に運営体制の効率化や外注の内製化を継続して行っていることで、原価は低減している。

受託開発・運営においては、他社開発ゲームの受託開発及び運営保守並びに共同運営を行ってきた。4月には受託運営で請け負っていたマーベラスが提供する『千銃士:Rhodoknight』、10月には同社が提供する『一騎当千エクストラバースト』の運営に主体として参画することになった。

【追記】
第4四半期(23年11月～24年1月)の連結決算は、売上高21億1000万円(前年同期比2.5%増)、営業利益1億5000万円(同6.6%減)、経常利益1億4900万円(同5.6%減)、最終利益1億1400万円(同193.0%増)だった。

■2025年1月期の業績見通し

2025年1月期の業績は、売上高90億円(前期比6.8%増)、営業利益6億7800万円(同13.1%増)、経常利益6億7200万円(同12.7%増)、最終利益4億3000万円(同11.3%増)、EPS104.99円を見込む。

・売上高:90億円(同6.8%増)
・営業利益:6億7800万円(同13.1%増)
・経常利益:6億7200万円(同12.7%増)
・最終利益:4億3000万円(同11.3%増)
・EPS:104.99円