トーセ、2月中間決算は営業損失4億5900万円と前年同期2億5800万円の利益計上から赤字転落 開発中の2案件でコスト増加、他案件の開発着手の遅れにも

トーセ<4728>は、4月11日、2024年8月期 第2四半期累計(23年9月~24年2月)の連結決算を発表し、売上高20億1300万円(前年同期比33.7%減)、営業損失4億5900万円(前年同期は2億5800万円の利益計上)、経常損失4億5100万円(同2億7400万円の利益計上)、最終損失3億1500万円(同2億0100万円の利益計上)だった。

・売上高:20億1300万円(同33.7%減)
・営業損失:4億5900万円(同2億5800万円の利益計上)
・経常損失:4億5100万円(同2億7400万円の利益計上)
・最終損失:3億1500万円(同2億0100万円の利益計上)

 

■事業の概況

主力のゲームの受託開発でゲームソフト・モバイルコンテンツ関連双方で開発コストが大きく増加した案件が発生し、収益を圧迫した。案件の開発工数の増加に伴い、他の開発案件に着手に遅れが出るなど影響が出た。

①デジタルエンタテインメント事業
売上高は18億4100万円(同35.3%減)、営業損失4億9800万円(同営業利益2億2500万円)となった。

想定外の問題が発生した開発案件2件は、解決に向けて進めており、並行して再発防止のために、プロジェクト管理ルールの強化と徹底に取り組んでいる。一方で、前期末から立ち上がってきた大型案件等については、第3四半期以降、売上・利益双方への貢献度がより高まってくることを予定している。

▼ゲームソフト関連
売上高は10億8700万円(同44.3%減)となった。PlayStation5やSteamを含むマルチプラットフォームの大型案件を中心に、家庭用ゲーム機向けの複数のソフト開発案件に取り組んでいる。第1四半期には売上への貢献がまだ小さかった案件も、一部は徐々に本格化してきている。

一方、開発終盤の案件で、顧客とともにゲームの品質向上に取り組んでいたなか、開発要件の大幅な増加によって作業が急増し、開発期間が延びることとなった。当該案件の作業増加に関する対価については現在も顧客と調整中であることから、多額のコストを計上した一方で第2四半期累計に収益の増加は発生していない。加えて当該案件の作業増加により、別の開発案件への着手が遅れ、全体的な売上・利益への影響が出ている。

▼モバイルコンテンツ関連
売上高は7億5300万円(同15.7%減)となった。継続してサービスしている運営案件は引き続き堅調に推移し、運営及びロイヤリティの売上は、前年同期を上回る状況が継続している。一方、開発に取り組んでいるスマートフォンゲーム案件で、開発中にサーバーの大規模な増強が必要となり、付随して手戻りも発生したことから、開発コストが大きく増加し、開発スケジュールが遅延している。

②その他事業
売上高は1億7200万円(同9.7%減)、営業利益3900万円(同20.0%増)となった。家庭用カラオケ楽曲配信事業は、安定して高水準な収益を維持している。SI事業では、想定していた案件の一部を失注したことや、開発遅延が発生していることなどにより、開発売上が減少したが、売上総利益率は改善している。引き続き、新規顧客の獲得に向けた活動を進めている。

 

■2024年8月期の業績見通し

2024年8月期の業績は、売上高55億2000万円(前期比4.5%減)、営業利益2000万円(同95.9%減)、経常利益2000万円(同96.2%減)、最終利益5400万円(同89.2%減)、EPS7.12円を見込む。従来予想から下方修正を行った(関連記事)。

・売上高:55億2000万円(同4.5%減)
・営業利益:2000万円(同95.9%減)
・経常利益:2000万円(同96.2%減)
・最終利益:5400万円(同89.2%減)
・EPS:7.12円

株式会社トーセ
http://www.tose.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社トーセ
設立
1979年11月
代表者
代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
決算期
8月
直近業績
売上高56億6200万円、営業利益4億6900万円、経常利益5億500万円、最終利益3億1000万円(2022年8月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4728
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