カプコン、9月中間決算は減益も計画上回る着地…大型新作『モンハンワイルズ』投入で通期目標達成に全社一丸で取り組む(書き起こし)

カプコン<9697>の2025年3月期 9月中間決算の第2四半期の決算記者会見が2024年10月29日に行われた。代表取締役 副社長執行役員最高人事責任者の宮崎 智史氏、執行役員 財経・広報統括の嶋内 義和氏が出席し、決算概要を報告した。

【概況】
・売上高:564億0200万円(前年同期比24.7%減)
・営業利益:207億2600万円(同38.7%減)
・経常利益:207億0600万円(同42.7%減)
・最終利益:152億7500万円(同39.6%減)

【25年3月通期見通し】
・売上高:1650億円(前期比8.3%増)
・営業利益:640億円(同12.1%増)
・経常利益:630億円(同6.0%増)
・最終利益:460億円(同6.1%増)
・EPS:109.98円

宮崎氏は、通期12期連続増益と10期連続2桁増益を目指す中、計画を若干上回る決算だったと述べた。デジタルコンテンツ事業では、中間期の販売本数が2025万本に達し、リピートタイトルが1,890万本と前年比で増加した。とりわけ『モンスターハンター』シリーズが特に好調で、累計1億本を達成した。

嶋内氏も、上期の計画に対して、実績としては利益項目を達成していると説明した。通期の業績予想は変更なく、売上高1650億円、営業利益640億円を見込んでいる。大型新作『モンスターハンターワイルズ』の投入などを通じて、通期目標の達成に向けて全社一丸となって取り組む方針を示した。

決算説明会の状況は以下のとおり(※読みやすくするため一部表現を変更しています)

 

 

【宮崎 智史氏】
まず2025年3月期 第2四半期決算の概要を申し上げますが、当期は通期で12期連続の増益、それから10期連続の2桁勝利を目指しているわけですが、それに向けては計画を若干上回る堅調な決算だったと考えております。

事業セグメント別に申し上げますと、主力のデジタルコンテンツ事業に関しましては、複数の新作とリピート販売の拡大により、中間期の販売本数は2002万本、そのうちリピートタイトルは1895万本ということで、前年比で増加しております。

その中でさらに前年の新作を除いたベースで、前期と今期の旧作を比べてみると、126%と大きく本数を伸ばしております。グローバルな拡販が今期も引き続ききちんとできた、ということかと思います。

そのうち、特に『モンスターハンター』シリーズが非常に堅調です。『モンスターハンター』シリーズは累計1億本の販売本数に到達したと発表しましたが、来年2月の『モンスターハンターワイルズ』の投入に向けて、ブランドの価値向上に非常に寄与したと考えております。

その他事業もアミューズメント施設事業では、効率的な店舗運営が奏功し、非常に堅調に推移しました。アミューズメント機器事業も、スマート機器の投入や既存のIPの活用と継続により、堅調に推移して全体の決算を支えております。

今期は、来年2月に発売する予定の大型の新作『モンスターハンターワイルズ』をしっかり販売していくことによって、通期で12期連続増益、10期連続2ケタ増益、8期連続の全ての利益項目での過去最高益をしっかり達成していきたいと考えております。 

 

【嶋内 義和氏】
2025年3月期 第2四半期 決算短信に基づいてご説明申し上げます。まず連結経営成績です。売上高564億0200万円で前期比マイナス24.7%、営業利益が207億2600万円でマイナス38.7%、経常利益は207億0600万円で42.7%のマイナス、親会社株主に帰属する中間純利益は152億7500万円で39.6%のマイナスという状況でした。

いずれも前期比でマイナスとなっておりますが、今期は下期偏重ということをかねがね申し上げておりますので、半期で公表している計画に対しましては、利益項目はいずれも達成している状況です。

 

連結財政状態です。総資産2457億8200万円で24年3月期比で23億円ほど増加しております。純資産が1989億0700万円と同じく3月期比で38億2600万増加しております。その結果、自己資本比率は80.9%という状況です。

配当の状況については変更ありません。上期18円、下期18円の合計36円です。前期の実績は70円でしたが、これは4月に株式分割を実施しておりますのでご了解いただければと思います(編集注:1対2株、実質的に増配)。

連結業績予想ですが、こちらも変更ありません。売上高が1650億円、営業利益が640億円、経常利益が630億円、当期純利益が460億円、1株当たり当期純利益が109.98円という状況です。

 

また、バランスシートで前期の3月末より数字が大きく変わっているところがありますのでご説明を申し上げます。流動資産における売掛金が253億8300万円から137億5900万円まで減少しておりますが、これは3月終わりに発売しました『ドラゴンズドグマ 2』の売掛金の回収が進んだためです。

一方でゲームソフト仕掛品が390億3500万円から492億6300万円と100億円ほど増えておりますが、これは現在開発しているゲームソフトの仕掛品が積み上がっているという状況です。

今申し上げました売掛金と仕掛品がそれぞれ100億円とほぼ相殺した形で、全体では総資産23億の増加で大きく変化はありません。

また損益計算書で1点だけ触れさせていただきます。営業外費用の中に社会貢献関連費用ということで、9億4000万円を計上しておりますが、このうちの9億1000万円が来年の大阪関西万博への出展費用として計上しております。

それではセグメント別の状況です。まずデジタルコンテンツですが、売上高が397億7500万円、セグメント損益は206億4000万円で、前期からはマイナスとなっております。

 

これは前回(第1四半期)の決算発表でご案内の通り、前期は大型タイトル『ストリートファイター6』があり、この上半期については逆に大型タイトルはなく、中小型のタイトルが複数ありまして、数字としては減少しておりますが、計画は達成している状況です。

 

販売本数ですが、全体で2002万本でした。そのうちの新作の販売本数が107万4000本ということで前期よりは落ちております。一方でリピートは1895万本ということで、前期1760万本から7.7%増加しておりまして、その中でも我々のビジネスのコアとなります、いわゆる2年前の作品、去年発売した新作を除く旧作の部分については126%ということで、全世界マーケットでの着実な販売が広がっています。通期については第4四半期の『モンスターハンターワイルズ』の発売をはじめ、今期の新作タイトルの拡販とリピート販売を引き続き拡大することで、年間で5000万本を目指してまいります。

 

次はアミューズメント施設です。売上高が109億9100万円、セグメント損益は16億6700万円という状況です。アミューズメント施設については今年度2店舗の出店しておりまして、合計51店舗で展開しております。

この夏は大変暑い日が続いておりまして、猛暑の中で各テナントさんが各自治体からですクーリングシェルター機能が推奨されている中で、温度を下げて夏の気象のいわゆる避難場所という形で運営されていたこともありまして、来客数が増加しております。また各来客単価も上昇していることから、増収増益という結果になりました。通期についても引き続き新規の出店を継続いたしまして、また店舗運営の効率化、多様化を図っていくことで、しっかり増収増益の計画を達成したいという状況です。

 

次は、アミューズメント機器です。パチスロ事業です。売上高31億7600万円、セグメント損益が15億8700万円となりました。この上半期についてはスマートスロット2筐体『ストリートファイター5』と『鬼武者3』を発売し、トータルで1万7000台を販売しました。

これは現場の努力もありまして、共通部材等の調達等もあって、原価が低減してそれが奏功した状況です。通期については、まずこの第3四半期で『モンスターハンターライズ』をすぐに発売する予定です。第4四半期も1筐体投入する準備を進めているという状況でして、しっかり通期の計画をクリアする見込みを立てております。

 

トータルでは繰り返しになりますが、今年度については、下期偏重ということで、前半の数字としては、進捗は予定通りという状況でございまして、計画では営業利益200億円、経常利益190億円、当期利益140億円を掲げておりましたが、いずれも達成しているという状況です。通期目標達成に向けて、全社一丸となって引き続き努力してまいります。

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1524億1000万円、営業利益570億8100万円、経常利益594億2200万円、最終利益433億7400万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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