東映<9605>は、2月14日、2025年3月期 第3四半期累計の連結決算を発表し、売上高1304億1000万円(前年同期比1.6%増)、営業利益253億5200万円(同14.3%増)、経常利益295億4300万円(同8.0%増)、最終利益112億9800万円(同4.8%増)だった。
・売上高:1304億1000万円(同1.6%増)
・営業利益:253億5200万円(同14.3%増)
・経常利益:295億4300万円(同8.0%増)
・最終利益:112億9800万円(同4.8%増)
映像コンテンツのマルチユース展開(商品販売、版権販売、放送・配信権許諾販売、イベント、海外販売等)が引き続き好調だった。また劇場用映画『帰ってきた あぶない刑事』『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!』がヒットし、売上高は好調だった前期を超えたという。また、前期計上していた劇場用映画『聖闘士星矢The Beginning 』の製作品評価損が消失し、営業利益が増加した。
■セグメント別の状況
セグメントごとの経営成績は、次のとおり。
① 映像関連事業
売上高は966億5800万円(同1.1%増)、営業利益は239億3600万円(同20.3%増)となった。
映画事業では、提携製作作品等29本を配給し、このうち、『帰ってきた あぶない刑事』、『わびたふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキゲームの世界で大冒険!』がヒットし、『THE FIRST SLAM DUNK 復活上映』、『映画 仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク/爆上戦隊ブンブンジャー 劇場BOON! プロミス・ザ・サーキット』が好稼働した。また、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版』、『十一人の賊軍』、『逃走中 THE MOVIE』、『【推しの子】-The Final Act-』、『BELIEVE 日本バスケを諦めなかった男たち』、前の期に公開した『劇場版アイドリッシュセブン LIVE4bit BEYOND THE PERiOD』の再上映が堅調に稼働した。
ドラマ事業では、『科捜研の女 season24』、『特捜9season7』、『相棒 season23』、『君とゆきて咲く~新選組青春録~』、『仮面ライダーガッチャード』、『仮面ライダーガヴ』、『爆上戦隊ブンブンジャー』、『わびたふるぷりきゅあ!』、『ブラック・ジャック』等を製作して作品内容の充実と受注本数の確保に努め、特撮キャラクターの国内商品化権営業は玩具等に関する消費者の嗜好が多様化するなか、堅調に推移した。
コンテンツ事業では、国内においては、新作旧作を含む劇場用映画・テレビ映画等の地上波・BS・CS放映権販売、配信事業者向けの配信権販売及びビデオ化権等の販売を行い、『THE FIRST SLAM DUNK』、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』、『ワンピース』劇場版シリーズ、『ドラゴンボール』劇場版シリーズ等の配信権販売が好調に推移したことに加え、配信向け映画である『七夕の国』が売上高に貢献した。
また、『【推しの子】』が日本におけるAmazonオリジナル作品として配信後の30日間・国内視聴数歴代1位を記録した。ビデオソフト販売においては、業界全体が縮小傾向にある中、同社のパッケージ事業を連結子会社・東映ビデオに移管することで経営資源を集約し、経営効率の向上を図った。さらに、新作旧作を含む劇場用映画・テレビ映画等の海外販売、商品化権販売も行い、『仮面ライダーガヴ』、『ビーロボカブタック』、『動物戦隊ジュウオウジャー』、『ワンピース』、『ドラゴンボール』シリーズ、『デジモン』シリーズ等が好調に稼働した。
その他、撮影所事業では、劇場用映画・テレビ映画等の受注製作、部分請負等を行った。
② 興行関連事業
売上高は141億6100万円(同6.8%減)、営業利益は8億円(同47.3%減)となった。映画興行業では、連結子会社・ティ・ジョイによるシネマコンプレックス(9月24日に開業した「T・ジョイ エミテラス所沢」含め23サイト230スクリーン。共同経営・共同運営含む)の運営が事業の中心となっており、『名探偵コナン100万ドルの五稜星』『キングダム 大将軍の帰還』『ルックバック』『ラストマイル』『はたらく細胞』『モアナと伝説の海2』等の大ヒットが業績を牽引したものの、好調だった前年同期に比して反動減となった。
③ 催事関連事業
売上高は88億800万円(同30.2%増)、営業利益は12億8800万円(前年同期16.0%増)となった。催事事業では、『王様戦隊キングオージャー ファイナルライブツアー2024』、『わびたふるぷりきゅあ!いっしょにあそぼ♪わびたふるワールド』や人気キャラクターショー等の各種催ことが好調に稼働し、また、映画関連商品及び催事関連商品の販売並びにオンラインストアでの販売が堅調に推移した。東映太秦映画村においては、リニューアル工事により営業エリアの一部を制限しているものの、インバウンド需要や団体需要が業績を牽引した。
④ 観光不動産事業
売上高は49億6200万円(同5.1%増)、営業利益は18億800万円(同5.1%減)となった。不動産賃貸業では、全国に所有する「東映プラザ(渋谷・福岡・広島・仙台)」「新宿三丁目イーストビル」等の複合商業施設、マンション等の賃貸運営が堅調に推移した。ホテル業においては、インバウンド需要や団体利用の回復が見られる反面、光熱費等の物価高の影響を受けている。このような状況のなか、価格改定やコスト管理の徹底に努め、収益の確保に努めた。
⑤ 建築内装事業
売上高は58億1900万円(同4.1%減)、営業利益は3億2200万円(同78.9%増)となった。建築内装事業では、建設資材費等の高止まりや労務費の上昇等による影響があり、厳しい経営環境が続いた。このような状況であるが、従来の顧客の確保及び受注拡大を目指して積極的な営業活動を行い、シネコン関係、老健施設の工事等を手掛けた。
■2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の業績は、売上高1716億円(前期比0.1%増)、営業利益318億円(同8.4%増)、経常利益347億円(同1.7%減)、最終利益134億円(同4.1%減)、EPS216.44円を見込む。株価収益率は27.0倍となる。
・売上高:1716億円(同0.1%増)
・営業利益:318億円(同8.4%増)
・経常利益:347億円(同1.7%減)
・最終利益:134億円(同4.1%減)
・EPS:216.44円
【通期計画に対する進捗率】
・売上高:76.0%
・営業利益:79.7%
・経常利益:85.1%
・最終利益:84.3%
会社情報
- 会社名
- 東映株式会社
- 設立
- 1949年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 多田 憲之/代表取締役社長 吉村 文雄
- 決算期
- 3月
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9605