
ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、2025年3月期 第3四半期の決算説明会をオンラインで配信し、岡村信悟社長が説明にあたった。発表された第3四半期(24年10~12月期)の決算は、売上収益が前年同期比60%増の465億円と大幅な増収となり、営業利益は前年同期324億円の赤字から155億円の黒字に転じた。
業績の急拡大をけん引したのはゲーム事業だ。ポケモン、クリーチャーズと共同で開始した『Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』が150の国と地域でサービスを開始し、6000万ダウンロードを達成し、各国のセールスラキングで1位を獲得するなど大きな成功を収めた。
また、『ポケポケ』ばかりが注目を集めているが、その他の事業も着実に成長している。ライブストリーミング事業はこの四半期で黒字化を達成し、スポーツ事業は横浜DeNAベイスターズが日本一に輝き、そして観客動員数が236万人と球団史上最多を記録し、売上、利益ともに拡大した。
続く2025年3月通期の業績見通しについては合理的な数値の算出が困難であることを理由に非開示としているが、前期比で増収増益を見込んでいるという。
※読みやすくするため、一部言い回しなどを変更しております。

決算説明会にご参加いただきましてありがとうございます。2025年3月期第3四半期(24年10~12月)の説明になります。いつも通り、業績のサマリーからご説明いたしましょう。
まず第3四半期の売上収益が465億円、営業利益がIFRSで155億円、Non-GAAPでも同じ155億円となっております。
【第3四半期業績(IFRS)】
・売上収益:465億円(前年同期比60%増)
・営業利益:155億円(前年同期は324億円の損失計上)
・税引前利益:171億円(同399億円の損失計上)
・最終利益:128億円(同386億円の損失計上)


セグメント別にご覧いただきましょう。ゲームが第3四半期は売上収益が280億円、セグメント損益が186億円ということで前四半期比、それから前年同期比と比べても飛躍的に増加しております。
【ゲーム事業】
・売上収益:280億円(同120%増)
・営業利益:186億円(同2億円の損失計上)
またスポーツにつきましても、トータルで第3四半期までの累計では売り上げが伸びているところもご覧いただけるかと思います。
【スポーツ事業】
・売上収益:4900万円(同104%増)
・営業損失:2400万円(同3000万円の損失計上)
【スポーツ事業・第3四半期累計】
・売上高:265億円(同12%増)
・営業利益:50億円(同15%増)

そして業績のサマリーで費用構成については特段コメントすることはないかなと思っております。

以上が業績のサマリーでございますが、続いて各事業の進捗という形でご説明をさせてください。
まず、ゲーム事業でございます。第3四半期のユーザー消費額が946億円、セグメント損益は186億円と前四半期比でも前年同期比でも大幅に増加しております。
先ほどのサマリーでもそれが大きく貢献していることは見て取れるかと思います。10月30日に配信を開始した『Pokémon Trading Card Game Pocket』いわゆる『ポケポケ』が非常に順調に立ち上がったため、国内のアプリ、海外のアプリのトップラインが大きく増加し、利益もそれに呼応する形となりました。この『ポケポケ』についてもう少し次のページでお伝えしたいと思います。

本タイトルは、10月30日より150の国と地域とグローバルで正式にサービスを開始いたしました。2024年、昨年12月12日に公表の通り、配信開始一ヶ月強で全世界累計6000万ダウンロードを超えるなど非常に順調なスタートを切っております。
国内だけではなく海外でも活発にご利用いただいており、多くの国と地域で手応えを感じているところでございます。またこれまで当社が手がけてきたタイトルと比べても、いわゆる継続率は非常に高い状況が続いており、また、プレミアムパスのサブスクリプションも多くの方にご利用いただくなど、幅広いユーザーに日常的に手を取っていただき、楽しんでいただいてるということをこれも実感しております。
配信開始以降も1月末にかけて、各種のイベントの開催、トレード機能の実装、新たな拡張パックの追加などを順次行ってまいりましたが、今後も多くの皆様に長く楽しんでいただけるよう、様々な施策を重ねて取り組んでいきたいと思っております。以上がゲーム事業でございます。

続きまして、ライブストリーミング事業です。これは前回のご説明でも申し上げました通り、下期からはより収益性を重視した事業運営としております。ライブストリーミング事業の売上収益、それと事業損益ですけれども、右側をご覧いただければ、第3四半期は黒字で着地してるということが見て取れるかと思います。

このライブストリーミング事業は、『Pococha』と『IRIAM』という二つのサービスから主に成り立っておりますが、『Pococha』は下期からマーケティング施策等のコストの見直しを行い、ユーザーのエンゲージメントの維持向上と収益性の確保に注力しております。
一方、『IRIAM』は順調に伸びておりましてコミュニティの健全な発展に取り組みつつ、売り上げの増加や早期の黒字化に取り組んでまいりたいと思っております。2024年12月末のダウンロード数は、『Pococha』が652万、『IRIAM』が425万でございます。

続きましてスポーツ事業についてです。スポーツ事業は、プロ野球を中心に好調に推移しており、増収増益となっております。コロナ禍以降、順調に回復して伸びていることが明瞭にご覧いただけるのではないかと思います。このスポーツ事業、とりわけ好調だったのは横浜DeNAベイスターズでございます。

ベイスターズを振り返ってみますと、2024年シーズンの主催試合における観客動員数は、236万人と、球団史上最多を記録してございます。ベイスターズは、2024年JERAクライマックスシリーズで優勝し、SMBC日本シリーズ2024優勝と、いわゆる日本一に26年ぶりに輝きました。
こうした中で、複層的に強い事業構造を着実に形成しているところをご覧いただきたいと思い、この図を用意いたしました。プロ野球の興行は、スポンサーやグッズ、飲食、チケットその他で成り立ってるとお考えいただきたいと思いますが、どの領域もしっかりと伸びており、構造的な強みができつつあることが見て取れるかと思います。

続きまして、ヘルスケアメディカル事業でございます。これは再三再四申し上げておりますけれども、第4四半期に成果が集中するという形で、年度内の前半から半ばにかけては仕込みが重要になっております。各領域とも通期での増収増益に向けて仕込みは堅調ですので、次の第4四半期の中で成果についてお話をできたらと思っております。

個別に見ますと、ヘルスケア領域でございます。ヘルスケア領域は、二つの領域にわかれています。データの利活用とデータヘルス事業です。グラフ色の濃い色の部分がデータ利活用で、1Q、2Q、3Qと積み上がっております。これがしっかりと第4四半期で成果が出ていくなど、結果をお示しできればと思っております。積み上がりは順調でございます。
一方、データヘルス事業は、これも何度か申し上げているんですけれども、自治体と向き合って行っている事業です。今年度は、データヘルス計画の策定年度に該当しないため、受注件数は前々期並みの減少を見込んでおりまして、コスト効率化を推進しつつ、この事業自体の強みということを考えたときにしっかり筋肉質にしていきながら、来期以降の成長にも繋げていこうと取り組んでいるところです。

続いてメディカル領域です。これについては、アルムが主要な取り組みを行っており、国が進める医療のDX化や働き方改革の支援など、各種政策により各地域で施設ごとの導入が加速しております。
具体的には、2024年12月末の国内のJoin導入施設数は528となりました。また、都道府県の補助事業におけるJoinの採択事例は17にまで上りました。このように順調に積み上がっております。地域的な医療資源不足に対してJoinとポータブルの医療機器を組み合わせたJoin Mobile Careを活用したプロジェクトは、おそらく今期の貢献に向けて具体的に議論が進捗しております。このあたりにつきましても、次の説明会のときに成果としてお話ができればと思っております。

以上、各事業領域についてご説明いたしました。
2025年3月期の見通しについてお話をいたしたいと思います。2025年3月期連結業績の見通しは、まず全体として合理的な数値の算出が困難であるため、開示は見合わせております。
売上収益は、事業ポートフォリオの変化・強化を伴いながら、前期に続き、増収の見通しでございます。また、Non-GAAP営業利益は、前期から増益、黒字の見込みでございます。ゲーム事業では第3四半期までの進捗を踏まえ、現時点での合理的・具体的な見通しの算出は困難であるものの、前期比で大幅な増収増益の見通しでございます。
なお、第4四半期につきましては新規タイトルの予定はございません。
ライブストリーミング事業については、第3四半期までの進捗を踏まえ、前期比減収の見通しでございます。下期からは、これもコストの見直しと収益性の確保に向けた取り組みを推進中でございます。
この他の事業につきましては、成長に向けた投資も行いつつ、前期比で増収増益を目指したいと思っております。

以上です。ありがとうございました。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1639億9700万円、営業利益289億7300万円、税引前利益318億1700万円、最終利益241億9300万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432