-
HEROZ<4382>は、3月13日、2025年4月期の第3四半期累計(5~1月)の連結決算を発表、BtoC事業・BtoB事業の成長に加え、2024年3月にグループ化したティファナ・ドットコムの貢献などもあり、2ケタ超の増収を達成した。
一方、利益面については、「HEROZ ASK」「JOINT」など新規SaaSへの各種投資を上期に強化していたことで費用が先行し、大幅な営業・経常減益となった。
売上高43億4600万円(前年同期比19.7%増)
営業利益1億5800万円(同60.7%減)
経常利益9100万円(同73.3%減)
最終損益1億8000万円の赤字(前年同期9億2100万円の赤字)①AI/DX事業
将棋への注目度向上や「将棋ウォーズ」の機能アップデート、稼働案件数・引き合いの増加や大型案件の受注などにより、収益が拡大した。BtoC領域については、もともと市場において有している圧倒的なネットワーク外部性に加え、将棋への注目度向上が続いたこともあり、「将棋ウォーズ」「棋神アナリティクス」「棋神ラーニング」ともに安定した収益を上げた。第3四半期期間は、「棋神ラーニング」のアップデートに加え、棋神のバージョンアップおよびそれに伴うキャンペーンを実施し、第3四半期後半にかけて売上・MAU(月次アクティブユーザー数)が増加した。また、BtoB領域は、国内における労働人口不足などにより、AIやITに関する投資拡大・注目度向上が起きていることを受け、引き合い・収益が拡大した。上期は、契約開始時期のズレ等により売上計上の進捗に遅延が見られていたが、第3四半期期間は徐々に案件が開始してきており、売上・稼働案件数ともに前年同期を大きく上回る成長を達成した。そのほか、「HEROZ ASK」「AIさくらさん」などのリカーリング売上も引き続き増加しているほか、「JOINT iPaaS for SaaS」も下期にかけて徐々に売上が拡大した。BtoB領域においては、第4四半期以降も見込み案件が多く、また大型案件の開始見込みもあり、前期を上回る成長を目指していく。
②AI Security事業
2024年7月にクラウドからオフィス環境まで対応した、中堅・中小企業の規模に合ったゼロトラストセキュリティサービスとして、「Vario Ultimate Zero」をリリースし、8月より販売を開始した。これを新たな主力サービスとして、新規でグループ入りしたVOIQとも連携しつつ拡販活動を進めている。また、2024年2月期から2026年2月期にかけて、中期経営方針のもと「マネージドサービスの対応領域拡大・競争力強化」「成長セキュリティ市場への参入」「既存販売網と異なる新規営業体制の強化」を掲げ、人材の獲得、サービス企画・事業開発の強化、ソフトウェア開発等の事業投資を行う計画を公表し、実現に向けての取り組みを行った。
-
■通期業績予想は変更なし
-
2024年4月期通期の連結業績予想については、従来予想から変更なく、以下のとおり。
売上高60億円(前期比23.9%増)
営業利益5億円(同10.8%増)
経常利益4億5000万円(同22.0%増)
最終利益3000万円(前期11億3400万円の赤字)
会社情報
- 会社名
- HEROZ株式会社
- 設立
- 2009年4月
- 代表者
- 代表取締役Co-CEO 林 隆弘/代表取締役Co-CEO 髙橋 知裕
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高48億4100万円、営業利益4億5100万円、経常利益3億6800万円、最終損益:11億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4382