アピリッツ、25年1月期決算はWeb開発受託の"炎上案件"で営業益69％減…デジタル人材派遣とオンラインゲームは大幅増益

 アピリッツ<4174>は、本日3月17日、2025年1月期の連結決算を発表し、売上高90億0800万円(前の期比6.9%増)、営業利益1億8500万円(同69.0%減)、経常利益1億8500万円(同68.9%減)、最終利益4500万円(同88.1%減)だった。

・売上高:90億0800万円(同6.9%増)
・営業利益:1億8500万円(同69.0%減)
・経常利益:1億8500万円(同68.9%減)
・最終利益:4500万円(同88.1%減)

デジタル人材育成派遣事業とオンラインゲーム事業が大幅な増益を達成したものの、Webソリューション事業で不採算プロジェクトの発生したことで大幅な減益となった。ただ、当該プロジェクトの問題は収束しており、26年1月期の業績には影響しない見通しだ。

■Webソリューション事業

売上高は35億2500万円(同1.9%増)、セグメント利益は4億3700万円(同54.7%減)となった。

期中に発生した大型案件の納期遅延への対応にあたり、大幅な人員投下等による当該案件の不採算化、人員投下に伴うリソース不足の発生による新規案件獲得の低下が見られたが、当該案件は9月に収束した。

その後、第4四半期においては、四半期における過去最高の売上となる大幅な業績の回復が見られたが、営業利益以下の段階損益は、業績予想の達成には至らなかった。

なお、今回の不採算プロジェクトの発生を契機に、開発プロジェクトにおけるミドルマネジメント層の充実やプロジェクトの問題点を的確にエスカレーションできる体制の強化を進めており、プロジェクト体制・収益性ともに、来期以降は不採算プロジェクトの影響は残らない見込み。

■デジタル人材育成派遣事業

売上高は21億8300万円(同12.6%増)、セグメント利益は1億5600万円(同41.1%増)となった。

未経験に近い人員の採用を行い、過去から積み上げた質の高い教育を積極的に行うことで、質の高いデジタル人材を顧客に提供している。

前期においてもデジタル人材の派遣の需要は引き続き堅調に推移している。同社単体においては、12月から開始したオンラインゲーム事業における大型共同運営タイトルへの人員異動等により、第3四半期以降の売上高は減少傾向にあるものの、グループ会社における業績が順調に推移したことで、同社グループ全体の業績としては好調なものとなった。

■オンラインゲーム事業

売上高は33億7000万円(同9.2%増)、セグメント利益は3億6600万円(同93.3%増)となった。

オンラインゲーム事業は、運営移管タイトルにおいては、『けものフレンズ3』及び『UNI'S ON AIR(ユニゾンエアー)』がいずれも9月にサービス開始5周年を迎えたことを記念して周年イベントを開催し売上に貢献した。また、運営移管後に運営体制の効率化や外注の内製化を継続して行っていることで、原価は低減傾向にある。

受託開発・運営においては、他社開発ゲームの受託開発及び運営保守並びに共同運営を行ってきた。自社ゲームタイトルや運営移管タイトルの開発で獲得したノウハウを活かし、他社ゲーム開発の受注が安定的に推移した。また、4月にはブシロードが提供する『新テニスの王子様 RisingBeat』、12月にはgumiが提供する『乃木坂的フラクタル』の運営に参画するなどを行った。

自社ゲームタイトルにおいては、『ゴエティアクロス』が9月にサービス開始6周年を迎えたことを記念して周年イベントを開催した。

■2026年1月期の見通し

2026年1月期の業績は、売上高104億6400万円(同16.2%増)、営業利益6億1000万円(同229.0%増)、経常利益6億円(同223.4%増)、最終利益3億7200万円(同710.6%増)、EPS92.95円を見込む。株価収益率は9.2倍となる。

・売上高:104億6400万円(同16.2%増)
・営業利益:6億1000万円(同229.0%増)
・経常利益:6億円(同223.4%増)
・最終利益:3億7200万円(同710.6%増)
・EPS:92.95円

【3月17日18時35分追記】
年次売上高と利益の推移を示すグラフは以下の通り。今期(26年1月期)は売上高、営業利益、経常利益が過去最高を更新する見通し。