GFA<8783>は、6月25日、新任取締役候補として発表していた山中徹氏の代表取締役会長就任に関する情報について、公式見解とこれまでの経緯を詳細に説明した。これは、山中徹氏が代表取締役を務めるケンコー・トキナーのコーポレートサイトにおいて、GFAの発表が事実と異なる旨の言及があったことを受けたものだ。
GFAは、5月22日付で山中徹氏の代表取締役会長への就任が内定したことを公表していたが、山中徹氏本人およびその代理人から「最高顧問、代表取締役その他いかなる役職にも就任した事実はない」との通知をFAXで受領。
GFAは代理人に対し意向の再確認を依頼するも、再び明確な否認通知を受け取っていた。そして、6月23日にはケンコー・トキナーのサイトで公式に「事実無根」との発表がなされ、今回の経緯説明に至ったとしている。
■事実経緯と認識
1. 協業の発端と山中徹氏との関係
事の発端は、2025年4月に山中裕氏(山中徹氏の息子)からの紹介で、山中徹氏とGFAの間で包括的な協業に向けた対話が始まったことだった。まず、山中裕氏が代表取締役を務める企業とGFAとの事業連携を強化し、「少数株ファンド」の創設も視野に入れた協議が開始され、GFAは5月初旬に同社に株式買取資金の融資を実行している。
2. 山中徹氏との面談と投資意向
その後、山中裕氏より「父・山中徹氏がGFAに強い関心を持ち、資金的に潤沢であり、安定株主として長期保有および取締役会長就任も視野に入れている」との打診があったとのこと。これを受け、2025年5月8日、GFA専務取締役と仲介役が山中徹氏と面談を実施。GFAの事業説明の後、安定株主および取締役就任の提案が行われ、山中徹氏本人から「前向きに検討する」との回答があったとGFAは説明している。また、山中徹氏から「本件に関する以後の調整は息子である山中裕氏を通じて行ってほしい」との確認も得たとしている。
3. 協業提案と一連の開示
山中徹氏との面談後、山中裕氏より「山中徹氏の最高顧問就任、その後の取締役会長就任」「山中明子氏(山中徹氏の娘)の取締役就任」「ケンコー・トキナー及びその関連会社との不動産事業連携」「バイオファンドの共同設立」といった具体的な提案があったとGFAは述べている。GFAはこれらの提案が中長期的な事業拡大に資する内容と判断し、取締役就任予定を含むプレスリリースを適宜行ったとのこと。
4. 否定FAXとその後の対応
GFAの開示直後、山中徹氏側からの否認通知を受領。GFAが山中裕氏に確認したところ、「山中徹氏本人の意向は変わっておらず、家族内または関係企業からの圧力によるものであり、調整に時間が欲しい」との回答があったと説明している。GFAは再度、山中徹氏の代理人に本人の意向の再確認を依頼したが、6月12日に再び明確な否認通知を受領したとのこと。
5. 家族内調整による待機
山中裕氏が「完全に家族内問題であり、解決まで時間を欲しい」と要請したため、GFAは山中裕氏の意向を尊重し、連絡を待っていたとしている。一方で、GFAは公表済み内容を前提としていたため、「仮に就任が難しいとするならば、辞退の具体的理由並びにタイミングについて協議をお願いしたい」との意向を山中裕氏に伝えていたことも明らかにした。
6. ケンコー・トキナーの発表を受けて
GFAは、ここまでの間、協議を踏まえて進行を希望していたが、6月23日にケンコー・トキナーがコーポレートサイトで「GFAによる役員就任発表は事実無根である」とする内容を掲載したことで、今回の説明に至ったと締めくくっている。
■GFAの立場と今後の対応
GFAは、「事実に基づいた慎重な調整と本人との直接面談、並びに可能な限り入手しうる関係者(親族)からの情報に基づいてリリースを行っており、不実な内容を故意に公表した意図も事実も、一切ございません」と強調している。
今後については、本件の事実確認を継続しつつ、必要に応じて適切な訂正リリースの検討、そして株主・関係者・投資家への丁寧かつ迅速な情報提供を進めていくとしている。GFAは「株主には心配をおかけし大変申し訳ございません。忸怩たる思いではありますが、本件を真摯に受け止め、適切に対応してまいります」と表明した。
【追記】
これまでの経緯を踏まえ、6月30日開催予定の第24回定時株主総会で付議予定だった、山中 徹氏(代表取締役会長候補者)と山中 明子氏(取締役候補者)の選任提案を撤回するとのこと。
会社情報
- 会社名
- GFA株式会社
- 設立
- 2002年1月
- 代表者
- 代表取締役 片田 朋希
- 決算期
- 3月
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 8783
