ゲームソフトの受託開発大手のトーセ<4728>は、10月9日、2025年8月期の連結決算を発表し、売上高が前の期比43.8%増の66億3600万円と大幅増収を達成した。複数のゲームプロジェクトの開発が活発なフェーズに入り、売り上げが伸びた。
営業利益は6億8900万円となり、前の期5億2200万円の赤字から黒字転換に成功した。増収効果に加えて、前年同期に発生した開発トラブルに伴う損失計上がなかったことも収益改善につながった。
同様に、経常利益は6億7700万円(同5億0100万円の損失計上)、最終利益2億5000万円(同2億6000万円の損失計上)と黒字転換した。
・売上高:66億3600万円(同43.8%増)
・営業利益:6億8900万円(同5億2200万円の損失計上)
・経常利益:6億7700万円(同5億0100万円の損失計上)
・最終利益:2億5000万円(同2億6000万円の損失計上)
同社では、主力のゲーム事業で複数のプロジェクトが活発に進行し、開発活動が最も活発なフェーズに入ったことで、売上が大幅に増加した、としている。特に家庭用ゲーム機・PC関連の開発売上が大きく伸長した。スマートフォン関連は微減だった。
利益面では、前の期に発生した開発トラブル2件による損失の影響が当期にはなく、主要な開発プロジェクトが順調に進捗し収益性が想定を上回ったこと、またレベニューシェアの一時的な増加が増益に貢献した、としている。
なお、長岡京トーセビルの建て替え計画に伴う減損損失3億1400万円が特別損失として発生したとのこと。
■2026年8月期の見通し
2026年8月期の業績は、売上高65億1000万円(前期比1.9%減)、営業利益4億0500万円(同41.3%減)、経常利益4億1000万円(同39.5%減)、最終利益7億9000万円(同215.7%増)、EPS104.23円を見込む。
・売上高:65億1000万円(同1.9%減)
・営業利益:4億0500万円(同41.3%減)
・経常利益:4億1000万円(同39.5%減)
・最終利益:7億9000万円(同215.7%増)
・EPS:104.23円
スマートフォンゲームよりも家庭用ゲーム機向けの開発依頼を優先し、Nintendo Switch 2 の普及に伴う開発の活発化に対応していく方針。そのなかでは、レベニューシェアは減少する見込みであり、そのため営業減益を予想しているという。
非ゲーム領域では、教育関連分野やメンタル・ウェルビーイング分野を中心に新しいビジネス創出を進め、市場調査や研究開発に注力する投資フェーズとなる見込み。
なお、最終利益が大きく伸びるが、長岡京トーセビル建て替えに伴う土地の一部売却による特別利益7億8900万円が発生することによる。
【18時06分追記】
業績推移のグラフは以下の通り。


会社情報
- 会社名
- 株式会社トーセ
- 設立
- 1979年11月
- 代表者
- 代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高66億3600万円、営業利益6億8900万円、経常利益6億7700万円、最終利益2億5000万円(2025年8月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4728