
ケイブ<3760>は、この日(10月10日)、2026年5月期第1四半期(2025年6月~8月)の決算補足資料を公表し、売上高は、前年同期比11.6%減の26億2700万円、営業損失は5億6500万円と、前年同期1億2900万円の利益計上から減収・赤字転落となった。でらゲーが損益計算書への連結を開始して以来、安定して利益計上を続けてきたが、今回、初めて営業赤字となった。新規タイトル『メテオアリーナ・スターズ』の改修費用やプロモーション費用が利益を圧迫したことに加えて、季節要因による売上の落ち込みや受託収益の減少が影響したという。

同社は、コストコントロールを重視しつつ、既存タイトルの強化と海外展開の推進に注力している。主力タイトル『東方幻想エクリプス』ではメインストーリー第二部が完結。2025年7月には台湾を中心に繁体字版の正式サービスを開始し、アジア地域での収益化が進み始めた。

また『メテオアリーナ・スターズ』は6月にタイトルを改めリブート版をリリース、コストマネジメントを徹底しながら再スタートを切った。

長期運営タイトルも堅調だ。『ゴシックは魔法乙女 ~さっさと契約しなさい!~』は夏の大型イベントを展開し、約4年ぶりとなるリアルスコア大会を11月に開催予定。『キングダム 乱 -天下統一への道-』では自社運営ストア『キングダム乱 WebStore』の利用者が増加しており、外部決済手段の導入による利益率向上が続いている。関連アニメ第6シリーズの放送開始も追い風となる見込みだ。


また、『モンスターストライク』では10月から初の地上波アニメが全国放送を予定。東京都渋谷区のふるさと納税返礼品にゲーム内アイテムが採用されるなど、話題性を高めている。世界累計利用者数は6400万人を突破した。

一方で、開発中の新作『OUTRANKERS(アウトランカーズ)』は、著名クリエイター陣を起用した奪い合いアクションバトルゲームとして注目を集めている。7月に事前登録を開始し、9月にはベータテストを実施。2025年の正式リリースを予定している。

また、自社IP活用も進む。20周年を迎えた『虫姫さま』や『鋳薔薇』の記念グッズをAmazonケイブオンラインショップで限定販売するなど、ブランド価値の強化に取り組んでいる。

グループ会社のサクセスプラスでは、パチンコ・パチスロの開発事業を展開。年間10タイトル以上のパチンコ機および3タイトル以上のパチスロ機の開発実績を持ち、遊技機分野でも安定した実績を維持している。

なお、2026年5月期の業績予想は非開示だが、年間配当は前期と同額の10円を予定しており、株主還元を維持する方針だ。業績予想については、合理的な業績見通しが可能になった時点で速やかに開示するとのこと。


会社情報
- 会社名
- 株式会社ケイブ
- 設立
- 1994年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
- 決算期
- 5月
- 直近業績
- 売上高139億6900万円、営業利益11億3300万円、経常利益11億3100万円、最終利益2億4600万円(2025年5月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3760