【決算レポ】カプコン、9月中間期は過去最高の売上・営業利益を達成 ゲーム事業中心に全事業増収増益 13期連続営業増益へ順調に進捗

カプコン<9697>は、10月29日、2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比43.9%増の811億5200万円、営業利益は同89.8%増の393億3300万円と、大幅な増収増益を達成。上期としては過去最高の業績となった。

・売上高:811億5200万円(同43.9%増)
・営業利益:393億3300万円(同89.8%増)
・経常利益:365億4300万円(同76.5%増)
・最終利益:275億1400万円(同80.1%増)

 

全セグメントが増収増益となったが、宮崎聡 代表取締役副社長(CFO)は「通期では13期連続の営業増益、11期連続の2桁増益を目指しており、非常に順調に進捗している」と述べた。

 

■主力のデジタルコンテンツ事業が好調、過去最高の販売本数に

主力のデジタルコンテンツ事業では、売上高は498億5200万円(同25.3%増)、営業利益は313億7800万円(同52.0%増)と大幅増益を達成した。販売本数が前年同期の2002万本から2385万本へと約19%増加し、上期として過去最高を記録した。とくにリピート販売が堅調で、既存シリーズの再評価が進んでいる。

 

販売タイトル1位は、『デビル メイ クライ 5』だった。Netflixで配信されたアニメとの相乗効果を発揮し、第2四半期でも売上を伸ばした。第1四半期では178万2000本を販売し、第2四半期においても35万2000本の販売を記録した。

26年2月発売予定の『バイオハザード レクイエム』が「gamescom award 2025」において最多の4冠を受賞したことを受けて、シリーズの過去作品も好調に推移したという。『バイオハザード ヴィレッジ 』が156万6000本、『バイオハザード RE:4』が126万6000本、『バイオハザード 7 レジデント イービル』が114万7000本などミリオンを達成した。『ストリートファイター6』も108万5000本を販売した。

さらに『ストリートファイター6』についても上期だけで販売本数が100万本を突破し、累計で575万9000本を突破した。同社では、Nintendo Switch 2向け移植やYear3の新キャラクター投入効果で販売を拡大した、とコメントした。

 

 

■アミューズメント事業も堅調、猛暑やインバウンド需要が追い風に

アミューズメント施設事業は、売上高が124億5000万円(同13.3%増)、営業利益が20億1900万円(同21.1%増)と2ケタ増収増益を達成した。大阪の「KITTE」ビルに出店した新業態「カプコン コネクトスペース」など、グッズ販売とカプセルトイを併設した店舗展開が奏功した。猛暑による屋内施設需要の増加やインバウンド効果も寄与し、増収増益を達成している。

 

また、アミューズメント機器事業は、売上高が151億9100万円(同378.3%増)、営業利益が90億7800万円(同471.9%増)と売上、営業利益が大きく伸びた。『モンスターハンターライズ』の高稼働に加え、『デビルメイクライ5』関連機種や10月稼働予定の新機種『新鬼武者3』の出荷が寄与し、上期に3万8600台を販売。大幅な増収増益となった。

 

 

■その他事業も堅調、万博出展など社会的取り組みも進展

その他事業あh、売上高は36億5700万円(同48.7%増)、営業利益は20億8000万円(同74.0%増)となった。キャラクターライセンス・映像・eスポーツを含むその他事業も好調に推移し、連結全体では社内計画を上回る進捗を見せた。また、10月には大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」に出展した「スター・ハンターブリッジ」が連日ほぼ満員となり、国内外から好評を得ているという。

  

■財務面でも健全性を維持、借入金ゼロに

財務状況では、現金および預金が期首比で360億円減少した一方、150億円分の日本国債購入を実施。研究開発オフィス用を視野に入れた本社近隣の土地取得により固定資産も増加した。また、長期借入金30億円を全額返済し、銀行借入金はゼロとなった。自己資本比率は82%と、引き続き高水準を維持している。財務体質の健全性と開発力強化を同時に図った。

  

■通期見通しは据え置き、過去最高益を目指す

通期業績予想は第1四半期発表時点から変更なく、過去最高益の更新を見込む。宮崎氏は「新作投入とリピート拡充を進め、通期でも過去最高益を目指す」と強調した。

【26年3月通期の業績予想】
・売上高:1900億円(同12.0%増)
・営業利益:730億円(同11.0%増)
・経常利益:700億円(同6.6%増)
・最終利益:510億円(同5.3%増)
・EPS:121.93円

【通期計画に対する進捗率】
・売上高:42.7%
・営業利益:53.9%
・経常利益:52.2%
・最終利益:53.9%

 

株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1696億400万円、営業利益657億7700万円、経常利益656億3500万円、最終利益484億5300万円(2025年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
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