
マーベラス<7844>は、2026年3月期第2四半期(25年4月~9月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比157.5%増の202億8100万円と大幅な増収を記録。コンシューマ新作3タイトルの発売やアミューズメント事業の好調が寄与した。一方で、開発費負担が重く営業利益は同38.2%減の2億2600万円となった。費用を見ると、販売管理費は同3.6%増の59億円と微増にとどまったが、売上原価は同114.8%増の75億6500万円と大きく伸びた。

・売上高:202億8100万円(同57.5%増)
・事業利益:2億2600万円(同61.8%減)
・営業利益:3億8000万円(同2.0%増)
・最終利益:1億8400万円(同134.7%増)



主力タイトルのうち、『龍の国ルーンファクトリー』および『牧場物語 Let's! 風のグランドバザール』は計画を上回る販売ペースで推移し、前倒しで収益に貢献した。一方で『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』は販売が伸び悩んだ。経常利益と最終利益は、前年同期に計上した為替差損が為替差益へ転じたことなどにより増益となっている。
セグメント別動向は以下の通り。

■デジタルコンテンツ事業
・売上高:124億1400万円(同98.7%増)
・事業損失:10億7000万円(前年同期は1億0400万円の利益計上)
売上高が大きく伸長したが、開発費の先行投資が重く、セグメント損益は赤字となった。
『龍の国 ルーンファクトリー』と『牧場物語 Let's!風のグランドバザール』がいずれも50万本を突破するなど好調なセールスを記録した一方、『DAEMON X MACHINA TITANIC SCION』については、低調なスタートとなったとのこと。

続いて、第3四半期以降のラインナップは、『ブラウザ三国志』の完全新作スマートフォンアプリ『ブラウザ三国志 天』を10月22日にリリースした。さらに子会社ジー・モードからは、オリジナルIP『千銃士:Rhodoknight』の Nintendo Switch版を2月に発売する予定だ。
あわせて上期にリリースしたコンシューマの新作3タイトルについては、追加コンテンツの配信等により、引き続き拡販に注力していく考え。

■アミューズメント事業
・売上高:59億8200万円(同36.3%増)
・事業利益:17億0200万円(同41.2%増)
日本国内で稼動中のポケモンキッズアミューズメントマシン『ポケモンフレンダ』が7月10日より新弾を投入し、引き続き人気を博しているほか、4月より稼動を開始した『ポケモンメザスタ』の海外展開も引き続き好調な推移となっているという。
今後も、「アミューズメント エキスポ」への『ポケモンフレンダ』出展をはじめ、イベントやキャンペーン等、プロモーションを積極的に行い、新規・既存ユーザーの獲得、活性化に努めていきたい、としている。

■音楽映像事業
・売上高:18億8300万円(同16.0%減)
・事業利益:4億8300万円(同283.6%増)
減収ながら大幅な黒字転換を果たした。前期の不採算事業整理により減収となったものの、採算改善効果に加えて、舞台公演でのヒット作に恵まれたこと、テレビアニメの過去作の二次利用収入を計上したため、と説明している。
同社によると、舞台公演では、「ミュージカル『テニスの王子様』4th シーズン」や「舞台『刀剣乱舞』」の新作公演を実施したほか、今期の新作「舞台『日本三國』」、「舞台『賭ケグルイ』」の公演を実施した。
9月に公開となった『キミとアイドルプリキュア♪』の劇場版について、の劇場版に続く、3作品連続での興行収入10億円超えを達成するなど好調だった。TVアニメについては『9-nine -Ruler's Crown』と『ブスに花束を。』を7月から9月まで放送した。

今後のラインナップとしては、テレビアニメでは『素材採取家の異世界旅行記』と『転生悪女の黒歴史』を10月より放送開始した。
舞台公演では、「ミュージカル『新テニスの王子様』」、『Dancing☆Star プリキュア』などの人気シリーズの新作公演や「ミュージカル『薄桜鬼』」のライブ公演に加え、新たに舞台化となる「ミュージカル『PandoraHearts』」、「ミュージカル『スキップとローファー』」等を予定している。
■ 通期見通し
2026年3月通期の業績は、売上高350億円(前期比25.2%増)、事業利益20億円(同10.0%増)、営業利益20億円(同11.1%増)、最終利益14億円(同71.0%増)、EPS23.11円を見込む。
・売上高:350億円(同25.2%増)
・事業利益:20億円(同10.0%増)
・営業利益:20億円(同11.1%増)
・最終利益:14億円(同71.0%増)
・EPS:23.11円
【通期計画に対する進捗率】
・売上高:57.9%
・事業利益:11.3%
・営業利益:19.0%
・最終利益:13.1%
新作基幹タイトル4作品のうち3作品がすでに発売され、一部に不振もあったが総じて計画通りに進捗しているという。残るオンラインタイトルの展開や既存作の収益強化を進め、通期目標の達成を目指すとしている。


