バンダイナムコHD、2Q(4~9月)決算は売上高5%増、営業益7%減 トイホビー事業の収益伸長で増収に リピートタイトル販売減少などで利益率は低下
バンダイナムコホールディングス<7832>は、11月6日、2026年3月期の第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表、トイホビー事業の収益が伸長したほか、アミューズメント事業が安定的に推移し、増収を確保した。
一方で、デジタル事業のリピートタイトルの販売減少による利益率低下や、映像音楽事業で前年同期に複数の劇場公開作品がヒットしたことによる反動などが影響し、各利益項目は減益にとどまった。
売上高6438億1600万円(前年同期比5.3%増)
営業利益1054億8100万円(同7.2%減)
経常利益1101億9600万円(同4.6%減)
最終利益789億900万円(同2.3%減)
主なセグメントごとの状況は以下のとおり。
①トイホビー事業 売上高3178億3000万円(前年同期比9.0%増)、セグメント利益650億3500万円(同8.9%増)
関税の影響を一部受けたものの、国内外における展開カテゴリーや商品ラインアップの拡大、リアルイベントや店舗によるタッチポイントの拡大、生産体制や流通の強化などをはかったことにより、好調に推移した。具体的には、ガンプラ(ガンダムシリーズのプラモデル)やコレクターズフィギュア、一番くじ(キャラクターくじ)などのハイターゲット(大人)層向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインアップの強化により好調に推移した。
また、トレーディングカードゲームなどのカード商材、ガシャポン(カプセルトイ)、菓子・食品などが商品ラインアップやターゲット層、展開地域の拡大に加え、顧客とのタッチポイントの強化などにより業績に貢献した。このほか、新商品「Tamagotchi Paradise」などの「たまごっち」関連商品が国内外で人気となった。
②デジタル事業 売上高2315億400万円(同1.3%増)、セグメント利益373億8600万円(同16.4%減)
ネットワークコンテンツは、新作アプリタイトル『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』が新たなファン層も獲得し好調に推移した。また、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」「アイドルマスター」シリーズなどの主力アプリタイトルがユーザーに向けた継続的な施策により安定的に推移した。
家庭用ゲームでは、新作タイトル『ELDEN RING NIGHTREIGN』がワールドワイドでヒットしたほか、『たまごっちのプチプチおみせっち おまちど~さま!』がトイホビー事業との話題の相乗効果により人気となった。一方、リピートタイトルの販売本数が前年同期に比べて減少するなど、家庭用ゲームのタイトル構成の違いが業績に影響した。
デジタル事業では引き続きクオリティを重視したファンの期待に応えるタイトル開発を目指し、バランスの取れた最適なタイトルポートフォリオの構築に取り組んでいく。
③映像音楽事業(旧IPプロデュース事業) 売上高410億7800万円(同0.5%減)、セグメント利益53億5900万円(同20.2%減)
ガンダムシリーズの新作映像作品「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」が既存ファンに加え新たなファン層を獲得し人気となり、劇場興行収入、グローバルでの映像配信や商品・サービスのライセンス展開が業績に貢献した。また、既存のガンダムシリーズや「ブルーロック」等のグローバル展開や映像配信などが安定的に推移した。映像音楽事業全体では、複数の劇場公開作品のヒットによる劇場興行収入が業績に大きく貢献した前年同期には及ばなかった。
④アミューズメント事業 売上高753億8000万円(同5.2%増)、セグメント利益70億4600万円(同3.4%減)
国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同期比で106.0%となった。また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携したバンダイナムコならではの施設、アクティビティ施設などが好調に推移した。業務用ゲームの販売では、『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2 インフィニットブースト』の販売が好調に推移した。
アミューズメント事業においては、グループの商品・サービスの認知を拡大するためのファンとのタッチポイントの役割をさらに強化していく。
■通期業績予想を上方修正
2026年3月期通期の連結業績予想については、第2四半期決算の発表と同時に予想の上方修正を実施しており、以下のとおり。
売上高1兆2000億円→1兆2500億円(増減率4.2%増、前期比0.7%増)
営業利益1450億円→1650億円(同13.8%増、同8.5%減)
経常利益1490億円→1720億円(同15.4%増、同7.8%減)
最終利益1000億円→1200億円(同20.0%増、同7.2%減)
※過去12四半期分の四半期業績推移のグラフを追加しました。


会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 浅古 有寿
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆2415億1300万円、営業利益1802億2900万円、経常利益1864億7000万円、最終利益1293億100万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832