デジタルハーツHD、2Q(4~9月)決算は昨年12月に売却した子会社の連結除外の影響で売上高は減収 収益性の改善で営業益は74%増に
デジタルハーツホールディングス<3676>は、11月6日、2026年3月期の第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表、2024年12月に売却した子会社の連結除外の影響や、AGESTグループ事業で行った収益性の低い事業の戦略的縮小などの影響により減収となった。
一方で、利益面では収益性の高い国内デバッグサービスの増収による影響や、AGESTグループ事業の収益性の改善で大幅な増収となった。
売上高191億1200万円(前年同期比4.0%減)
営業利益14億3800万円(同74.2%増)
経常利益14億2200万円(同75.7%増)
最終利益7億5700万円(同66.5%増)
各セグメントごとの状況は以下のとおり。
①DHグループ事業 売上高113億2100万千円(前年同期比7.0%減)、セグメント利益11億5400万円(同38.8%増)
豊富なテスト人材プールや前期末にいち早く調達した600台を超える新型ハード専用テスト機材などを強みに積極的な営業活動を展開することで、コンソールゲーム向けデバッグの新規案件を多数獲得するなど、国内デバッグサービスが好調に推移した。
また、グローバルおよびその他のサービスにおいても、今期から独自のゲーム特化型AI翻訳エンジン“ella”を活用したソリューションを本格展開したこともあり翻訳・LQAの新規案件が着実に増加するとともに、Nintendo Switch 2向けの新作タイトルを含むゲーム開発支援案件の稼働が高水準で推移するなど、順調に事業が進捗した。
さらに、グローバル領域におけるさらなる成長に向け、タイにローカライゼーションを中核事業とする子会社の設立準備を進めるとともに、グループ一丸となって海外クライアントに向けたプロモーション活動を強化するなど、グローバルソリューションの強化・拡充や海外顧客基盤拡大に向けた取り組みを積極化した。
②AGESTグループ事業 売上高79億500万円(同0.3%減)、セグメント利益2億8300万円(前年同期600万円の赤字)
成長ドライバーと位置付けるQAソリューションにおいて、引き続きハイスキルエンジニアの採用・育成に注力するとともに、開発の上流工程から品質向上を支援するシフトレフト型テストサービス“QA for Development”や、運用フェーズの品質向上を支援するシフトライト型テストサービス“QA for DevOps”といった高付加価値ソリューションの提供に努めることで、着実に新規案件を獲得した。
また、AI機能を標準搭載した独自のテストツール「TFACT(ティファクト)」を2025年9月1日付で正式にローンチするなど、テスト領域におけるAI活用をいち早く推進するとともに、今後需要拡大が見込まれる純国産のSBOM(Software Bill of Materials)ツールの開発に着手するなど、“テック”企業としての技術力強化や競合他社との差別化に努めた。
さらに、今後の成長に向けた事業の選択と集中の一環として、保守・運用支援をはじめとする収益性の低いビジネスの戦略的縮小などを継続推進した。
■通期業績予想は変更なし
2025年3月期通期の業績予想については、従来予想から変更なく、以下のとおり。
売上高397億5000万円(前期比横ばい)
営業利益26億4000万円(同8.6%増)
経常利益26億4000万円(同15.9%増)
最終利益16億6000万円(同163.7%増)
会社情報
- 会社名
- 株式会社デジタルハーツホールディングス
- 設立
- 2013年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 宮澤 栄一/代表取締役社長CEO 筑紫 敏矢
- 決算期
- 3月
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3676