【ユークス決算レポ】26年1月期は受託開発の回復と自社開発の立ち上がりで増収増益を達成 アクアプラス加入で収益構造の転換期に

 

ユークス<4334>は、2026年1月期の決算資料を公開し、受託開発の回復とIPビジネスの立ち上がりを背景に増収増益を達成したことを明らかにした。「収益構造転換の初年度」と位置付けた同年度は、従来の受託依存から、自社IPを組み合わせたハイブリッド型モデルへの転換が進んだ一年となった。 

 

■受託回復とIP寄与で増収増益

2026年1月期の連結業績は、売上高が前の期比31.7%増の42億8800万円、営業利益は同106.2%増の1億8100万円と大幅な増収増益となった。経常利益は1億8400万円(同12.6%増)、一方で当期純利益は1億7600万円(同10.9%減)と減益となったが、これは主にのれん償却などの影響によるものとみられる。

・売上高:42億8800万円(同31.7%増)
・営業利益:1億8100万円(同106.2%増)
・経常利益:1億8400万円(同12.6%増)
・最終利益:1億7600万円(同10.9%減)

調整後EBITDAは2億9900万円(同204.7%増)と大きく伸長。自己資本比率も63.0%と高水準を維持し、財務の健全性も確保した。

業績拡大の主因は、受託開発の受注回復(前期比46.8%増)に加え、2025年8月に子会社化したアクアプラスの連結寄与だ。これによりIP収益(自社開発)比率は14.7%まで上昇した。

 

■受託開発は一時的な稼働低下も回復

セグメント別に見ると、受託開発は全体として回復基調となった。

ゲーム・XR分野では、プロトタイプ案件の開発中止により第3四半期に稼働率が一時低下したものの、その後の営業強化により回復。通期では前期比8.8%増と増収を確保した。

遊技機分野では、前期に発生したプロジェクトトラブルの影響が残ったものの、下期以降は回復し、売上高は同16.3%増。プロジェクトマネージャーの育成や開発ラインの拡充が寄与した。

なお、同社が関与したタイトルとしては、2026年1月期にパチンコ6タイトル、遊技機2タイトルがリリースされている。

 

■アクアプラス連結でIPビジネス本格化

自社開発領域では、アクアプラスの連結によりIPビジネスが本格的に立ち上がった。特にモバイルゲーム「うたわれるもの ロストフラグ」が売上に寄与し、これまで弱かったIP収益の柱を補完する形となった。

一方で、同タイトルは2026年2月にサービス終了が発表されており、2027年1月期にはクロージングコストの計上が予定されている。この費用は一時的なものであるが、短期的には利益成長の抑制要因となる見込みだ。

 

■「受託+IP」のハイブリッドモデルへ

同社は今後、受託開発による安定収益をベースに、自社IPによる収益拡大を図るハイブリッド型収益モデルへの転換を加速する方針だ。

アクアプラスの既存IP活用や新規タイトル「うたわれるもの 白への道標」の開発に加え、ユークス本体でも社内公募制度などを活用したIP創出を推進。IPの創出から展開までをグループ一体で担う体制を整えていく。

また、2026年1月期には国内営業で11件の案件を獲得しており、2027年1月期以降の稼働は概ね確保済み。海外案件については未成約ながら、エージェント活用などにより引き続き開拓を進める。

 

■人材確保も競争力の源泉に

人材面では、エンジニアの獲得と定着を最重要課題と位置付ける。社内調査では高い従業員満足度を維持しており、離職率は業界平均を下回る水準にあるという。

同社は今後も厳選採用と育成を進めることで、安定した開発体制と競争優位性の維持を図る。

 

■2027年1月期は増収増益見通し

2027年1月期は、売上高53億円(前期比23.6%増)、営業利益2億7500万円(同51.8%増)と増収増益を見込む。IP収益比率は23.8%まで引き上げる計画で、収益構造の転換を一段と進める。

・売上高:53億円(同23.6%増)
・営業利益:2億7500万円(同51.8%増)
・経常利益:2億9000万円(同57.2%増)
・最終利益:2億8000万円(同58.5%増)
・EPS:33.26円

自社開発では新作ゲームのリリースや既存IPの移植展開を予定しており、中長期的な収益性向上に向けた基盤整備が続く。

また、株主還元については配当性向30%を目安とし、1株当たり10円の配当を予定している。

 

■転換点にあるユークスのビジネス

受託開発を主軸としてきたゲーム会社にとって、自社IPの保有とパブリッシングへの参入によるビジネスモデルの確立はひとつの目標だ。ユークスもまた、その転換点に立っている。

アクアプラスのグループ化により、強力なIP資産と開発力を取り込んだことで、同社は「受託+IP」の両輪による成長戦略を現実的なものとした。今後は、両社の開発力やIP運用ノウハウをいかに融合させ、シナジーを創出できるかが問われる局面となる。

IP収益比率の引き上げという明確な目標を掲げるなかで、ユークスがどのように自社IPビジネスを育て、持続的な成長軌道を描いていくのか。その取り組みの進捗が、今後の評価を大きく左右しそうだ。

株式会社ユークス
https://www.yukes.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ユークス
設立
1993年2月
代表者
代表取締役社長 谷口 行規
決算期
1月
直近業績
売上高32億5500万円、営業利益8700万円、経常利益1億6300万円、最終利益1億9800万円(2025年1月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4334
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