ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、この日(10月31日)、第2四半期の決算発表を行うとともに、決算説明会資料を開示した。非常に見所の多い資料となっているが、当サイトでは、内製ゲームとオープンゲーム、スマートフォン対応の現状が主な関心事となっているため、今回の記事ではこうした点を中心にまとめてみた。
まず、ひとつめの問題意識だが、当サイトでは先日、「Mobage」ランキングに占める内製タイトルの比率が2010年に比べて上がった旨の記事を掲載した(関連記事)。それではコイン消費量に占める内製ゲームの比率が上がったのだろうか。開示された資料によれば、Mobageプラットフォームにおけるモバコイン消費量の内訳をみると、オープンゲームと内製ゲームの比率がほぼ同等になったことが明らかになった。
第2四半期(7~9月期)のコイン消費量は、前四半期比10.7%増の370億円だったが、内製ゲームのコイン消費量は、前四半期比でマイナスになったとのことだった。オープンゲームでカードバトル型タイトルがコイン消費をけん引する一方、内製ゲームは、大型IPタイトルの投入の遅れやカードバトル型への対応の遅れが生じた、としている。
また、スマートフォン対応については、第2四半期現在、スマートフォン向けのゲームタイトルが163タイトルとなり、第1四半期の49タイトルから大幅に伸びている。第1四半期段階ではスマートフォンのタイトル数の比率は、5%にすぎなかったが、第2四半期では14%となり、急速に普及するスマートフォンへの対応が進んでいることが伺える。
ARPUについては、まだフィーチャフォンがメインになっているようだ。それでも第1四半期では、フィーチャフォンの半分程度であったスマートフォンのARPUが3分の2弱まで伸びていることが伺える。スマートフォンでは、アプリ版ではなく、ブラウザ版の貢献が大半になっているという。「GREE」では『探検ドリランド』のアプリ版がApp Storeでトップセールス1位を獲得したが、「Mobage」ではブラウザベースで遊んでいる人が多いようである。
前四半期比でゲーム関連の売上高に伸び悩みの傾向が見られるなど、DeNAにとってはマイナス面はあるものの、オープンゲームのコイン消費量が伸びていて、かつ急速に普及するスマートフォンへの対応も順調に進んでいる。外部のディベロッパーにとっては「Mobage」というプラットフォームの魅力が増しているといえよう。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432