
カプコン<9697>のアミューズメント施設事業が2026年3月期も好調だった。既存店運営の強化に加え、新業態店舗やキャラクターグッズ店舗の展開が寄与し、売上高・営業利益ともにコロナ禍後の成長基調を維持した。主力のゲーム事業の成長ばかりが注目されやすいが、アミューズメント施設も顕著な伸びを見せている。
同事業の売上高は256億5600万円となり、前期比12.8%増。営業利益は32億100万円で、同31.6%増となった。既存店売上高も前年同期比108%と堅調に推移しており、インバウンド需要や体験型消費への回帰を背景に、リアル店舗事業の存在感を高めている。


カプコンは、既存店の安定運営に加えて、新業態による差別化を積極的に推進した。2025年7月には、大阪府に体感型施設「CAPCOM CONNECT SPACE(カプコンコネクトスペース)」をオープン。同施設には、同社の最新情報を体験できる「DIVE!CAPCOM」などを併設し、ゲームIPを活用したリアル体験の強化を図った。
さらに2026年3月には、人気キャラクターをテーマとしたアトラクションを展開する「CAPCOMIX あべのHoop店」を大阪府に出店。ゲームセンター業態にとどまらず、IP体験型施設としての色合いを強めている。
物販領域でも展開を拡大した。2025年4月には「カプコンストアセンダイ」を宮城県にオープンし、2026年2月には東京都に「カプコンストアイケブクロ」を開業。加えて、2026年3月には台湾に海外初の直営店「CAPCOM STORE TAIPEI」(画像)を出店した。国内外で自社IPグッズ需要を取り込む狙いがあるとみられる。
このほか、総合キャラクターグッズ専門店やカプセルトイ専門店などを含め、年間で9店舗を出店。一方で1店舗を閉鎖し、期末時点の施設数は61店舗となった。また、一部既存店をクレーンゲーム専門店「ツカモーヨ」へ転換するなど、足元の消費動向に合わせた店舗刷新も進めている。

近年のアミューズメント業界では、プライズゲームやカプセルトイ、キャラクター物販など“リアル接点”を活用した収益モデルが存在感を高めている。カプコンも、自社IPを活用した体験型施設や物販店舗を強化することで、家庭用ゲームやモバイル事業とのシナジー創出を進めている格好だ。
同社のアミューズメント施設事業は、コロナ禍で一時的に大きな影響を受けたものの、その後は回復基調が続いており、足元では売上・利益ともに右肩上がりの成長を見せている。ゲームIPのリアル展開を軸とした戦略が、今後の収益拡大につながるか注目される。
会社情報
- 会社名
- 株式会社カプコン
- 設立
- 1983年6月
- 代表者
- 代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1696億400万円、営業利益657億7700万円、経常利益656億3500万円、最終利益484億5300万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9697