
ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>は、2026年12月期 第1四半期決算資料を公開し、株主還元の強化やガバナンス改革、グローバル展開の進捗について説明した。第1四半期は主力タイトル『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』の安定した運営に加え、韓国子会社Gravityの新作タイトルが業績に大きく貢献し、増収増益となった。
【業績】
・売上高: 265億9400万円(前年同期比11.9%増)
・営業利益: 36億9300万円(同30.5%増)
・経常利益: 45億7500万円(同41.9%増)
・最終利益: 17億円(同5.6%増)
同社は今年2月、新たな株主還元方針を策定。DOE(株主資本配当率)4%以上かつ連結配当性向50%以上を基準とし、2025年度の配当は1株当たり90円を予定している。また、50億円または210万株を上限とする自己株式取得を実施したほか、取得済み株式を含む1600万株を6月30日に消却する予定だ。
ガンホーはこれまでも安定配当や機動的な自己株取得を実施してきたが、今回の方針見直しは株主還元をより明確に示すものとなる。同時に、社外取締役や女性取締役の増員などガバナンス体制の強化も進めており、企業価値向上に向けた取り組みを加速させている。
■グローバル企業への転換が進展
説明会では中長期戦略についても重点的に説明した。同社は2016年頃から国内スマートフォンゲーム中心の事業構造から転換し、グローバル市場を見据えたコンソール・PC向けタイトルの開発を強化してきた。特にアクションゲーム分野を強みと位置付け、新規オリジナルIPの創出に取り組んでいる。
その中で大きな成長エンジンとなっているのが韓国子会社Gravityだ。『ラグナロクオンライン』開発元として知られるGravityは、2017年以降、『Ragnarok』シリーズのモバイルゲームを台湾や東南アジアを中心に展開し、大きく成長した。『Ragnarok M: Eternal Love』や『Ragnarok Origin』などのヒットを重ねた結果、ガンホーグループ全体の海外売上比率は2016年の約11%から2025年には65%へ上昇。2026年第1四半期には67%に達している。
かつては『パズドラ』を中心とした国内スマートフォンゲーム企業という印象が強かったガンホーだが、現在は海外市場の比重が大きく高まっており、グローバルゲーム企業への転換が着実に進んでいることを示した形だ。

■『パズドラ』は14周年施策が奏功
第1四半期の国内事業では、『パズドラ』が2月に14周年を迎えた。前年はコラボイベントの空白期間が業績に影響したが、今期は周年施策に加え、コラボイベントを含む各種施策を計画通り実施できたことで、売上は堅調に推移したという。
また、『ラグナロクオンライン』も23周年施策や各種キャンペーンが好調に推移。今後はGravityとの連携強化を通じて、『ラグナロクオンライン3』を含むラグナロク関連タイトルの国内展開も強化していく方針だ。
■Gravity新作が業績を牽引
Gravityでは、1月に台湾・香港・マカオでサービスを開始した『Ragnarok: The New World』が好調なスタートを切った。同タイトルは各ストアのダウンロードランキングや売上ランキングで上位を獲得し、第1四半期業績に大きく貢献した。また、3月にサービスを開始した『Ragnarok Origin Classic』も順調な立ち上がりを見せている。
さらに、『Ragnarok: The New World』は今後、東南アジアでの展開も予定しており、『Ragnarok ABYSS』『Ragnarok Zero』など複数の新作も控えている。ラグナロクIPを軸としたグローバル展開は引き続き成長ドライバーとなりそうだ。

■次世代の柱を育成へ 新作9タイトルを開発
ガンホーは現在、コンソール、PC、モバイル向けにグローバル展開を前提とした新作パイプライン9本を開発している。開発体制の強化に伴い、人件費や業務委託費などの先行投資が発生しているが、将来の成長に向けた投資と位置付けている。
同社はこれまで『パズドラ』や『サモンズボード』、『LET IT DIE』、『ニンジャラ』など新規タイトルを継続的に投入してきた。特に近年はアクションゲーム分野を重視しており、グローバル市場を見据えた新規IP開発を進めている。

一方で、現在のグループ成長を支えているGravityの成功は、単発タイトルではなく『ラグナロク』というIPを長年にわたり展開し続けてきたことによる部分が大きい。ガンホーとしても、次なる成長段階に向けて継続的なシリーズ展開が可能な新たなIPの創出を目指しているとみられる。

第1四半期は『パズドラ』の安定運営とGravity新作のヒットによって好調なスタートを切った。アクティビスト対応で終わらせず、株主還元強化とグローバル成長投資の両立を打ち出し、今後は開発中の新作群から次世代の主力タイトルが生まれるかが注目されそうだ。
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会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 坂井 一也
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高932億4200万円、営業利益50億5600万円、経常利益67億8000万円、最終利益14億700万円(2025年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765





