IP創出に挑むエンタメ企業図鑑②|アニメ・総合エンタメで世界に挑む注目企業5選 サイバーエージェント、バンダイナムコHD、東映アニメ、ブシロード、グリーHD

ゲーム業界では近年、「ゲームを作る会社」から「IP(知的財産)を創出・育成する会社」へとビジネスモデルが進化している。
第1回ではゲーム企業5社を紹介した。今回はその続編として、アニメ・映像・玩具・ライブ・配信など、多彩なメディアを組み合わせながらIPを世界へ展開する総合エンターテインメント企業に焦点を当てる。
アニメ業界では現在、作品を制作するだけでなく、ゲーム、映画、音楽、ライブ、グッズ、配信などへ展開し、一つのIPを長期的に育成するビジネスモデルが主流となっている。
制作会社だけでなく、企画、ライセンス、海外事業、マーケティングなど幅広い職種が活躍しており、近年は世界市場の拡大を背景に、自社でIPを創出・育成する企業への注目も高まっている。
本記事では、アニメ・総合エンターテインメント分野で独自IPを育て、国内外へ展開している注目企業5社を紹介する。
①サイバーエージェント
◆ゲーム・アニメ・メディアを横断し、新たなIPを創出する総合エンターテインメント企業
サイバーエージェントはインターネット広告事業を中核としながら、ゲーム、映像、メディア事業へと領域を広げてきた。近年はアニメ事業を成長領域の一つと位置付け、グループ各社が企画から制作、プロモーション、配信まで一貫して手掛ける体制を構築している。2024年には「アニメ&IP事業本部」を新設し、アニメ企画・制作・プロデュース機能をグループ横断で強化。ゲーム・配信・映像制作を連携させたIP創出体制を加速させている。
同社の特徴は、ゲーム事業で培ったIP創出力と、動画配信サービス「ABEMA」の発信力を組み合わせられる点にある。オリジナル作品への投資も積極的で、企画段階からゲーム化や商品化、海外展開まで視野に入れたプロジェクトが増えている。
採用職種もアニメプロデューサーや制作進行だけでなく、ライセンス、宣伝、マーケティング、海外事業など多岐にわたる。IPを総合的にプロデュースしたい人にとって魅力的な環境である。
<こんな人に向いている>
・アニメとゲームの両方に携わりたい人
・新規IPの立ち上げに挑戦したい人
・メディアミックス戦略を学びたい人
②バンダイナムコホールディングス
◆「IP軸戦略」で世界市場を切り拓くエンタメ業界最大級の企業グループ
バンダイナムコホールディングスは、ゲーム、玩具、アニメ、ライブイベント、アミューズメント施設など、多彩な事業を展開する国内有数のエンターテインメントグループである。
同社の最大の特徴は、「IP軸戦略」を経営の中心に据えている点だ。ゲームや映像、玩具など各事業会社が連携し、一つのIPをさまざまな形で展開することで、長期的なブランド価値の向上を図っている。
世界的な人気IPを数多く保有しており、自社オリジナルIPの創出にも積極的である。海外売上比率も高く、グローバル市場を見据えた事業展開が進んでいる。
採用ではゲームや映像制作だけでなく、商品企画、ライセンス、海外マーケティング、経営企画など幅広い職種が活躍している。
<こんな人に向いている>
・世界市場を視野に仕事をしたい人
・IPビジネス全体を学びたい人
・多様な事業を横断してキャリアを築きたい人
③東映アニメーション
◆世界に通用するアニメIPを育て続けるリーディングカンパニー
東映アニメーションは、日本を代表するアニメーション制作会社の一つであり、数多くの人気作品を国内外へ送り出してきた。
近年はアニメ制作会社の枠を超え、ライセンスビジネスや海外配信、商品化などを含めたIPビジネスを積極的に展開している。自社で制作した作品を世界中へ届ける体制を整えており、海外市場の拡大とともに存在感を高めている。
制作現場だけでなく、営業、ライセンス管理、海外事業、商品化など、IPを長く育てるための専門職も充実している点が特徴である。
<こんな人に向いている>
・アニメ制作に携わりたい人
・北米・欧州・アジアなど海外展開するIPに関わりたい人
・ライセンスビジネスを学びたい人
④ブシロード
◆カードゲームからライブまで、多面的なIP展開を得意とする企業
ブシロードは、トレーディングカードゲーム事業を基盤に成長し、現在ではアニメ、ゲーム、音楽ライブ、舞台、声優マネジメントなど幅広い事業を展開している。
同社の強みは、一つのIPをゲームだけで終わらせず、ライブイベントや音楽、舞台などリアルエンターテインメントへ広げるプロデュース力である。ファンとの接点を増やすことで、IPの価値を高めるビジネスモデルを構築している。
職種もゲーム・アニメ制作だけでなく、イベント企画、グッズ制作、宣伝、ライセンス、音楽事業など多彩である。
<こんな人に向いている>
・ライブイベントや音楽にも携わりたい人
・ファンコミュニティを育てる仕事がしたい人
・エンタメを横断的にプロデュースしたい人
⑤グリーホールディングス
◆ゲーム会社から「IPプロデュース企業」へ。グループ横断でコンテンツ展開を加速
グリーグループは、かつてソーシャルゲームで急成長した企業である。現在はゲーム事業で培ったノウハウを基盤に、アニメ、Webtoon、出版、ライセンスなどを横断する「IPプロデュース企業」への転換を進めている。
グループ内にはアニメ制作・プロデュースを担う企業や、Webtoon・漫画事業、IPマネジメントを担う企業があり、それぞれが連携することで、オリジナルIPの企画から映像化、商品化、海外展開までを一貫して進める体制を構築している。経済産業省の「IP360 -Toward 20 Trillion Yen-」採択企業としても注目されており、日本発IPのグローバル展開を見据えた取り組みを強化している。
採用ではゲーム開発職に加え、IPプロデューサー、アニメプロデューサー、ライセンス、事業開発、海外ビジネスなど、多様なポジションで人材を募集している。ゲームだけでなく、複数のメディアを横断してIPを育てる仕事に挑戦したい人にとって魅力的な環境である。
<こんな人に向いている>
・ゲーム・アニメ・出版を横断するIPビジネスに携わりたい人
・新規IPの企画・プロデュースに挑戦したい人
・グローバル市場を見据えたコンテンツビジネスに関わりたい人

■まとめ
アニメ・総合エンターテインメント企業では、作品を制作するだけでなく、IPを長期的に育成し、国内外へ展開することが重要なミッションとなっている。
今回紹介した5社は、それぞれ異なる強みを持ちながらも、「IPを軸に事業を広げる」という共通の戦略を掲げている。ゲームとの連携、海外展開、ライブイベント、商品化など、自分がどの領域でIPに関わりたいのかを意識して企業を比較することが、転職先選びの重要なポイントとなる。
次回は、「VTuber・デジタルIP企業編」として、配信やショート動画を起点に新たなIPを創出する注目企業5社を紹介する。
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会社情報
- 会社名
- グリーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 最高経営責任者 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高571億1100万円、営業利益48億6000万円、経常利益37億6000万円、最終利益11億9400万円(2025年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- 株式会社サイバーエージェント
- 設立
- 1998年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 藤田 晋/代表取締役社長 山内 隆裕
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高8740億3000万円、営業利益717億0200万円、経常利益717億4300万円、最終利益316億6700万円(2025年9月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4751
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高561億7500万円、営業利益48億6800万円、経常利益48億4400万円、最終利益34億1800万円(2025年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコホールディングス
- 設立
- 2005年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 浅古 有寿
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1兆3482億4600万円、営業利益1895億1700万円、経常利益2019億2300万円、最終利益1406億5100万円(2026年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7832
会社情報
- 会社名
- 東映アニメーション株式会社
- 設立
- 1948年1月
- 代表者
- 代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高936億6900万円、営業利益310億1800万円、経常利益334億6200万円、最終利益250億7000万円(2026年3月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4816