家庭用ゲーム大手、第1四半期決算は6社中4社がゲーム事業増益 『プラグマタ』ヒットのカプコン大幅増益 コナミGは大型イベントとの連携光る

木村英彦 取締役 編集長
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家庭用ゲームソフト大手6社の2027年3月期 第1四半期決算が出揃った。6社全社が、本業の儲けを示す営業利益が前年同期比で増益または黒字転換を達成した。コーエーテクモホールディングス<3635>やバンダイナムコホールディングス<7832>、スクエニホールディングス<9684>、カプコン<9697>、コナミグループ<9766>が増益、セガサミーホールディングス<6460>が黒字転換を達成した(以下、ホールディングスやグループなどは省略表記する)。

 

ゲーム事業にフォーカスすると状況が少し変わってくる。コーエーテクモHDとスクエニHD、カプコン、コナミGが増益を達成した一方で、バンダイナムコHDとセガサミーHDが減益となった。

 

ゲーム事業が好調で増益となったのは4社で、バンダイナムコHDとセガサミーHDは非ゲーム事業の伸びで増益を達成した。バンダイナムコHDは、トイホビーを中心に業績を伸ばした一方、セガサミーHDは、パチンコ・パチスロなどの遊技機事業の業績回復で黒字転換を達成したとのこと。

家庭用ゲーム大手は、近年、AAAタイトルなど莫大な開発費をかけた大型タイトルの少数投入して年間の収益の多くを稼ぐことが多くなっている。このため、新作のリリース時期の違いによって変動が出やすいことに留意する必要がある。

例えば、今期は第1四半期に新作をリリースして売上、利益を大きく伸ばしすことに成功したが、翌期になると第4四半期に新作をリリースする計画であるため、第1四半期は大幅な減益になってしまう、ということがしばしば起こる。減益となった2社はこのケースに該当する。下期に投入する予定の新作次第といえるだろう。

よって、四半期ベースでの減益や赤字が出たからといって、その会社の業績や業況が悪い、などとすぐに判断するのではなく、その原因を理解すること、そして大手ゲーム会社の決算についてはあくまで年間ベースの数字で評価がしていくのが望ましいだろう。

 

各社のゲーム事業の動向は以下のとおり。

 

■コーエーテクモHD

業績:売上高159億3000万円(同17.3%増)、営業利益52億8800万円(同42.7%増)

概況:エンタテインメント事業の業績は大幅増益となった。前期もだが、この四半期では大きな新作タイトルの発売がなかったものの、前期に発売したタイトルやバックカタログの販売が好調だった、としている。オンライン・モバイルも伸びた。

『ぽこ あ ポケモン』やそのDLCである『ぽこ あ ポケモン エキスパンションパス』が貢献した模様だ。オンライン・モバイルの売上高も2ケタ増収を達成した。『信長の野望 出陣』など既存タイトルが貢献したほか、許諾ロイヤリティも堅調だったとのこと。

 

■セガサミーHD

業績:売上高433億円(同2.9%減)、営業利益13億円(同75.0%減)

概況:ゲーム事業を展開する「コンシューマ」は大幅減益となった。フルゲームのリピート販売が堅調だったものの、新作のリリースタイミングの違いが主な要因だった。そして第3四半期以降に投入する予定の新作のプロモーションも開始したとのこと。

第3四半期以降は『STRANGER THAN HEAVEN』や『ペルソナ4 リバイバル』などを発売する予定。同社では、ウィッシュリスト登録数や関連動画視聴数等の先行指標は好調に推移していることを明かし、引き続き発売に向けた期待感を醸成し、販売の最大化を図っていきたい、としている。

 

■バンダイナムコHD

業績:売上高909億0100万円(同15.7%減)、営業利益150億1100万円(同30.8%減)

概況:ゲーム事業を展開する「デジタル事業」は減収・減益だった。家庭用ゲームソフトの販売本数、売上ともに落ち込みが目立った。これは前年同期にフロム・ソフトウェアとの共同タイトル『ELDEN RING NIGHTREIGN』が発売初日に世界累計出荷本数200万本を記録するなどワールドワイドでヒットしていた。つまりタイトル編成の違いが数字に出た格好だ。下期に新作を投入する予定で、次の第2四半期までは費用・投資が選考することになりそうだ。

下期に『ACE COMBAT 8:WINGS OF THEVE』(2026年10月2日発売)や『テイルズ オブ エターニア リマスター』(2026年10月15日発売)、『ONE PIECE 海のごちそうレストラン』(2026年10月22日)をリリースする予定だ。今期中にリリースされるかどうかは不明だが、『ドラゴンボール ゼノバース 3』(27年)や『動戦士ガンダム RGプロジェクト「GUNDAM ROGUE ORBIT」』(27年)なども控えている。

 

■スクエニHD

業績:売上高499億6000万円(同51.8%増)、営業利益155億8300万円(同91.8%増)

概況:ゲーム事業を展開する『デジタルエンタテインメント事業』が大幅増収増益を達成し、全体をけん引した。売上はHDゲーム、MMO、スマートデバイス・PCブラウザ等の各カテゴリーで前年同期を上回った。

家庭用ゲームでは、『ファイナルファンタジーVII リバース』や『冒険家エリオットの千年物語』など新作タイトルが底堅く推移し、『 ファイナルファンタジーVII リベレーション』発表に伴いカタログ販売も伸長したとのこと。

また、MMOは『ファイナルファンタジーXIV』の最新拡張パッケージの発表を受けてアクティブユーザー数が改善し売上を伸ばし、スマホゲームも『ディシディア デュエルム ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエストスマッシュグロウ』が業績拡大をけん引した。

 

■カプコン

業績:売上高546億4800万円(同83.0%増)、営業利益375億9700万円(同87.5%増)

概況:大幅な増収増益を達成した。4月に発売した完全新規IP『プラグマタ』と、「バイオハザード」シリーズを中心とするリピート販売が好調だった。『プラグマタ』は第1四半期だけで251万本を販売。新作タイトルの販売本数は前年同期比222.8%増の255万本に拡大した。また、リピート販売も同59.1%増の2126万本と四半期ベースで過去最高を記録した。

映像ビジネスとの相乗効果も生まれており、オリジナルアニメ『Devil May Cry』シーズン2が好評だったことを受けて、シリーズタイトルが売上好調だった。『ストリートファイター/ザ・ムービー』でも同様の活躍が期待される。『モンスターハンターワイルズ』については超大型拡張コンテンツを投入する予定で、『モンスターハンター:ワールド』を上回る販売本数を目指す。第2四半期には新作『鬼武者 Way of the Sword』を投入する。

 

■コナミG

業績:売上高1000億8300万円(同36.5%増)、営業利益438億7000万円(同57.4%増)

概況:過去最高の業績だった。ゲーム事業を展開する「デジタルエンタテインメント事業」では主力タイトルが好調で大幅増益を達成した。サッカー・ワールドカップによる盛り上がりを受け『eFootball』が好調に推移したとのこと。ワールド・ベースボール・クラシックでも記憶に新しいが、大規模スポーツイベントと連動した、卓越した運営能力は他社を大きく引き離している。

また、期中は家庭用ゲーム『パワフルプロ野球2026-2027』や『eFootball Kick-Off!』などを発売した。「遊戯王カードゲーム」ではプロモーションショートアニメシリーズ「Yu-Gi-Oh! CARD GAME THE CHRONICLES」と連動したカードなどを発売した。

 

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株式会社カプコン
http://www.capcom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社カプコン
設立
1983年6月
代表者
代表取締役会長 最高経営責任者(CEO) 辻本 憲三/代表取締役社長 最高執行責任者(COO) 辻本 春弘/代表取締役 副社長執行役員 兼 最高人事責任者(CHO) 宮崎 智史
決算期
3月
直近業績
売上高1953億6500万円、営業利益752億9500万円、経常利益741億3400万円、最終利益545億8700万円(2026年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9697
企業データを見る
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
https://www.hd.square-enix.com/jpn/

会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス
設立
1975年9月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高2976億6100万円、営業利益547億3600万円、経常利益644億6900万円、最終利益296億1600万円(2026年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
9684
企業データを見る
コナミグループ株式会社
http://www.konami.com/

会社情報

会社名
コナミグループ株式会社
設立
1973年3月
代表者
代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
決算期
3月
直近業績
売上高4936億7700万円、営業利益1358億9100万円、最終利益1000億1300万円(2026年3月期)
上場区分
東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
証券コード
9766
企業データを見る
コーエーテクモホールディングス株式会社
https://www.koeitecmo.co.jp/

会社情報

会社名
コーエーテクモホールディングス株式会社
設立
2009年4月
代表者
代表取締役会長 兼 取締役会議長 襟川 陽一/代表取締役 社長執行役員CEO 鯉沼 久史
決算期
3月
直近業績
売上高883億9300万円、営業利益371億6800万円、経常利益570億円、最終利益428億3000万円(2026年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3635
企業データを見る
株式会社バンダイナムコホールディングス
http://www.bandainamco.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンダイナムコホールディングス
設立
2005年9月
代表者
代表取締役社長 浅古 有寿
決算期
3月
直近業績
売上高1兆3482億4600万円、営業利益1895億1700万円、経常利益2019億2300万円、最終利益1406億5100万円(2026年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7832
企業データを見る
セガサミーホールディングス株式会社
http://www.segasammy.co.jp

会社情報

会社名
セガサミーホールディングス株式会社
設立
2004年10月
代表者
代表取締役社長 グループCEO 里見 治紀
決算期
3月
直近業績
売上高4875億4200万円、営業利益471億2800万円、経常利益542億500万円、最終損益57億5600万円の赤字(2026年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
6460
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