
AI生成コンテンツであると分かった場合、約3人に1人が「途中で読む・視聴するのをやめる」――。
生成AIによるコンテンツ制作が急速に広がる一方、その受け手である生活者の反応は必ずしも肯定的とは限らないようだ。
調査PR・調査リリース代行サービスを提供するレイクルーが20代~50代の男女1,360人を対象に実施した「2026年度AI生成コンテンツに関する生活者意識調査」では、興味を持ったWebやアプリ上のコンテンツがAI生成であると分かった場合、34.3%が「途中で読む・視聴するのをやめる」と回答した。
最も多かったのは「書かれている内容が本当か、他の情報源で調べる」の44.3%だった。つまり、AI生成コンテンツに対して生活者は、そのまま受け入れるのではなく、情報の真偽を確かめるか、あるいはコンテンツそのものから離れるという行動を取っている。
AIによってコンテンツを大量かつ効率的に制作できる時代になったからこそ、「作れること」と「受け入れられること」は別の問題になりつつある。
■AI生成コンテンツは、すでに日常的な存在に
今回の調査ではまず、Webやアプリ上のデジタルコンテンツでAI生成コンテンツと思われるものをどの程度見かけるかを聞いた。
「ほぼ毎日見かける」が23.8%、「週に数回程度見かける」が25.7%となり、合計すると49.5%。20代~50代の男女の約半数が、AI生成と思われるコンテンツを「週に数回以上」目にしていることが分かった。
「月に数回程度見かける」も15.3%となっており、AI生成コンテンツは一部の先進的なユーザーだけが接するものではなく、すでに日常的なデジタルコンテンツの一部になっているといえる。

特に目にする機会が多いのは「画像・イラスト」で68.9%。続いて「動画・アニメーション」が56.8%、「テキスト・文章」が38.8%となった。
画像や動画といった視覚的なコンテンツが、生活者にとってAI生成を意識するきっかけになっているようだ。

■「AI生成」と見抜くポイントは、ラベルだけではない
では、生活者は何を見てAI生成コンテンツだと判断しているのか。最も多かったのは「独特な見た目や雰囲気(画風・音質など)」で65.6%。次いで「言い回しの不自然さ」が47.7%、「『AI生成』ラベルやタグの表示」が41.0%となった。
興味深いのは、AI生成であることを明示するラベルやタグ以上に、コンテンツそのものが持つ違和感が判断材料になっている点だ。「手や背景など、描写の歪み」も35.5%が挙げている。
生成AIの性能が向上し、以前のような分かりやすい破綻が減っているとはいえ、生活者はコンテンツの見た目や文章表現などから「AIっぽさ」を感じ取っている。
企業側がAIを使ってコンテンツを制作する場合、単純に「AI生成であることを隠すか、表示するか」という問題だけではなく、受け手がコンテンツそのものからどのような印象を受けるのかも重要になりそうだ。

■「便利だが素直に受け入れられない」――AIへの複雑な感情
AI生成コンテンツだと分かった際の感情については、「便利な反面、素直に受け入れられない複雑な思い」が30.8%で最多となった。
続いて「AIが作ったということへの抵抗感」が30.5%、「技術の進歩に対する驚きや感心」が28.0%、「情報が有益であれば問題ないという納得感」が26.8%となっている。
ここから見えるのは、AIに対する単純な賛否ではない。AIの利便性や技術的な進歩を評価する一方で、実際に自分が興味を持ったコンテンツがAIによって作られたものだと知ると、抵抗感や複雑な感情を抱く人も少なくない。
つまり、「AIだからダメ」という一枚岩の反応ではなく、「便利なのは分かる。しかし、自分が受け取るコンテンツとしてはどうなのか」という受け手側の葛藤が存在していると考えられる。

■最も多い行動は「他の情報源で調べる」
そして今回の調査で特に注目されるのが、AI生成コンテンツだと分かった後の行動だ。最多は「書かれている内容が本当か、他の情報源で調べる」で44.3%。
AIによって作られたコンテンツだからといって、必ずしも即座に拒絶するわけではない。むしろ、まず情報の信頼性を確認するという行動が最も多かった。
一方で、34.3%は「途中で読む・視聴するのをやめる」と回答している。これは、AI生成コンテンツをめぐる企業のコミュニケーションを考えるうえで、見過ごせない数字だろう。コンテンツに興味を持ってもらうところまでは成功していたとしても、それがAI生成であると分かった時点で、約3人に1人がコンテンツから離脱する可能性があるからだ。
さらに「どこの企業や人物が発信しているか(発信元)を確認する」も26.9%となった。AI時代には、コンテンツそのものだけでなく、「誰が発信しているのか」「その情報は本当に正しいのか」という発信元や情報の裏付けが、これまで以上に重要になっていることがうかがえる。

■AI時代は「量産」より「信頼」が問われる
生成AIの普及によって、画像、動画、文章、音声など、デジタルコンテンツを制作するコストは大きく変わりつつある。企業にとっては、これまで人手や時間が必要だったコンテンツを効率的に制作できることが大きなメリットになる。
しかし今回の調査結果を見る限り、制作コストを下げ、コンテンツを量産できることが、そのまま生活者からの評価につながるわけではない。
AI生成コンテンツを日常的に目にする人が増えるなか、生活者自身も「AIらしさ」を見抜き、必要に応じて情報の裏付けを取り、場合によってはコンテンツから離脱するようになっている。
特に「他の情報源で調べる」が44.3%、「途中で読む・視聴するのをやめる」が34.3%という結果は、AI時代の情報発信において重要な意味を持つ。
これからは「AIを使って効率よくコンテンツを作る」だけではなく、AIを使って作ったコンテンツを、どうすれば生活者に信頼して受け取ってもらえるのかが問われることになりそうだ。
AIがコンテンツ制作を容易にするほど、逆説的に価値を持つのが、事実に基づく情報や発信者の信頼性、そして人間が責任を持って発信していることなのかもしれない。
今回の調査は、AI生成コンテンツがすでに生活者の日常に入り込んでいる一方で、その受け入れについてはまだ慎重な目が向けられていることを示している。
AIによるコンテンツ制作が当たり前になっていくなか、企業のデジタルコミュニケーションにも、そんな発想の転換が求められるのかもしれない。
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