エイチームHD、27年7月期は増収・営業減益計画もM&Aは織り込まず M&Aによる成長軸に既存事業の収益改善と並行して「非連続な成長」目指す

エイチームホールディングス<3662>は、9月4日、2027年7月期の連結決算について、売上高240億円(前期比4.4%増)、営業利益6億円(同45.3%減)、経常利益6億円(同2.8%増)、最終利益3億円(同16.5%減)を計画していることを明らかにした。M&Aを中心とした成長戦略と既存事業の収益改善を並行して進める方針だ。
・売上高:240億円(同4.4%増)
・営業利益:6億円(同45.3%減)
・経常利益:6億円(同2.8%増)
・最終利益:3億円(同16.5%減)
同社では、「創造性×技術力」を価値の源泉と位置付け、多角的な事業展開による事業ポートフォリオの構築・最適化を進めている。27年7月期も、積極的なM&Aに加え、既存事業の強化、他社との協業、新規事業の創出など、複数の施策を組み合わせて企業価値の向上を目指す。

【M&Aで「非連続な成長」へ】
今後の成長戦略で特に重視するのがM&Aだ。同社は、中期経営計画「FY2025-FY2028」の残り2年間で、約67億円のM&A投資を予定している。M&Aによるインオーガニックな成長を積極的に取り込むことで、既存事業の延長線上だけではない「非連続な成長」を目指す。
一方、M&Aについては案件の実行時期や規模などによって業績への影響が大きく変わることから、今回の業績予想にはM&Aによる業績影響を織り込んでいない。
また、単に投資額を増やすだけではなく、M&Aの実行体制を強化。規律ある投資を行うとともに、案件の探索から実行まで、M&Aプロセス全体の質とスピードを高めていく考えだ。
【既存事業では「効率化」と「投資最適化」】
M&Aによる成長を狙う一方、既存事業についても収益改善を進める。全社的には、業務の効率化や生産性の向上を進めるとともに、広告費などの投資についても最適化を図る。単純に事業規模を拡大するのではなく、投入するコストと得られる収益のバランスを見直し、既存事業の収益性を高めていく方針だ。
特に主要な既存メディアについては、Q3が繁忙期となることに加え、中期経営計画の達成に向けた事業成長をQ3以降に見込んでいることから、業績予想は下期偏重の計画となっている。
【デジタルマーケティングは収益基盤を強化】
「デジタルマーケティング事業」では、サブセグメントごとに収益基盤の強化を進める。「メディア・ソリューション」では、安定的な収益の確保を基本としながら、既存サービスの改善によって新たな収益機会を獲得する。
一方、「D2C」では、商品の拡充と継続顧客の積み上げに取り組み、単発的な売上ではなく、継続的に収益を生み出せる事業基盤の構築を目指す。
【エンターテインメントは協業案件を軸に】
「エンターテインメント事業」では、引き続き協業案件などを主体としたプロダクトポートフォリオへの入れ替えを進める。
ここでのポイントは、単純な新作タイトルの投入による成長を狙うのではなく、協業案件を活用することで開発費の負担を抑えながら、安定した利益を確保する事業構造への転換を進めていることだ。
同社は「開発費の負担を軽減しつつ安定的な利益確保を重視した事業運営」を掲げており、エンターテインメント事業についても、投資負担と収益性のバランスを重視する姿勢が鮮明になっている。
【暗号資産の価格変動は業績予想に織り込まず】
なお、業績予想の前提については、暗号資産価格について7月末時点から変動しないと仮定している。将来の暗号資産価格を合理的に予測することが困難であるためで、販売促進引当金繰入額および暗号資産評価損益についても業績予想には織り込んでいない。
今回の見通しを整理すると、27年7月期のエイチームHDは、「既存事業の収益改善で足元を整えながら、M&Aによって次の成長領域を獲得する」という二段構えの戦略を描いている。
既存事業では効率化や投資の最適化を進め、エンターテインメントでは協業型へのシフトによって開発負担を抑える。その一方で、中期経営計画の残り2年間では約67億円をM&Aに投じ、既存事業だけでは実現しにくい非連続な成長を狙う。
M&Aによる上振れ要素を業績予想にはあえて織り込んでいないことも含め、27年7月期は「既存事業の収益性を高めるフェーズ」と「M&Aによる次の成長の仕込み」を同時に進める1年となりそうだ。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチームホールディングス
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益8億4500万円、経常利益15億8500万円、最終利益10億3600万円(2025年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチームエンターテインメント
- 設立
- 2021年4月
- 代表者
- 代表取締役社長 中内 之公
