
ドリコム<3793>は、インディーゲームのパブリッシング事業を強化している。2026年5月にインディーゲームスタジオ「DRECOM CREATORS STUDIO」を始動し、9月にはパブリッシングタイトル3作品を発表。東京ゲームショウ2026にも出展した。ゲーム開発・運用で培ったノウハウを生かし、開発支援からマーケティング、アニメ化やコミカライズなどのメディアミックスまで一貫して支援することで、クリエイターとともに新たなIPの創出・育成を目指す。
同スタジオでは、9月に『TIMEMOON』(Kenkou Land)、『Beautiful Life Show』(Fukudanuki)、『散るプラネット(Chill Planet)』(aozorite)の3タイトルを発表した。ジャンルはそれぞれSFタイムトラベル・アドベンチャー、パズルプラットフォーマー・ホラーアドベンチャー、ビルド構築・アドベンチャーとなる。決算説明会では、さらに1タイトルを発表したことも明らかにしている。
同社は、インディーゲームスタジオとしては後発であると認識している。一方、クリエイターとの対話を通じて、ドリコムに期待されている支援領域も見えてきたという。
内藤裕紀社長は、インディーゲームの開発者には数人、あるいは1人で制作しているケースも多く、すべての工程を自力で担うことが難しいと説明する。例えば、Steam向けに開発したタイトルをコンソール向けに移植したい、あるいは多言語で展開したいといったニーズがある。こうした要望に対し、長年ゲームの開発・運用を手掛けてきた同社のノウハウを生かし、企画・設計から開発・運用まで支援していく。
また、開発面にとどまらず、マーケティング支援も行う。戦略立案からプロモーションまでをサポートし、ユーザーとの接点を創出することで、作品の認知拡大やブランド価値の向上を図る。
さらに、クリエイターの中には、自らが手掛けたゲームをコミカライズやアニメ化、グッズ展開などにつなげ、より長く、多くの人に愛されるIPに育てたいという意向もあるという。ドリコムは出版・アニメ事業などで培った知見を生かし、ゲームから多彩なメディアへ展開する取り組みも支援する方針だ。

こうした支援の背景には、クリエイターと長期的な関係を築き、作品をシリーズとして育てていくという同社の考えがある。内藤社長は、個々のタイトルについて短期的な収益性を測るだけではなく、クリエイターと長く付き合いながら、最初の作品で成果が出れば続編となる2作目、3作目を一緒に作っていくスタンスを重視していると説明した。こうした考え方に共感するクリエイターにとって、同社がパートナーとして選ばれる理由の一つになっているとの認識を示した。
同社は中期的なIP創出の取り組みとして、PC・コンソールゲームの開発・パブリッシングを進めている。2026年9月末時点で、発売済みタイトルは1本、開発中タイトルは5本となった。今期末の目標は発売済み2本、開発中6本としている。なお、これらには自社開発タイトルに加え、DRECOM CREATORS STUDIOを通じて社外クリエイターと協業するタイトルも含まれる。
ドリコムは、ゲームや出版など複数の領域で小さな挑戦を重ね、市場やユーザーの反応を早期に見極めながら、成長が期待できる作品に力を入れていく方針を示している。インディーゲームについても、単に作品をパブリッシングするだけでなく、開発者が抱える課題を補完し、マーケティングやメディアミックスを通じてIPの価値を高めていく考えだ。クリエイターとの継続的な協業から、どのような作品やシリーズが生まれてくるか注目される。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高175億4700万円、営業利益4億800万円、経常利益3億1800万円、最終利益2億1300万円(2026年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793