今回の記事は、各国AppStoreトップセールス(ゲームカテゴリー)を比較したシリーズの9回目である。App Storeにおいて世界的にフリーミアム化が進むのか、各国でどういったコンテンツが流行しているのか、日本のコンテンツが流行しているとすればどういったタイトルなのか、という問題意識から継続的にウォッチしていこうという趣旨で始めたが、今回からシンガポールとカナダを追加した。
■F2Pコンテンツの比率は引き続き増加傾向
まず、比較対象国におけるトップセールス上位20タイトルに占めるフリーミアムタイトルの数字を示したものは以下の表のとおり。日本やシンガポールは上位20タイトルすべてがフリーミアムコンテンツとなっているほか。その比率が低かったドイツや中国、フランスでも着実に上がっている。毎月のように書いているが、F2Pが主流になるのは世界的なトレンドといってよさそうだ。
■「Rage of Bahamut」は世界のヒットタイトルのひとつに
各国のヒットチャートを見ていると、やはり「Rage of Bahamut」の存在が目に付く。アメリカで4位、イギリスで11位、カナダで9位、シンガポール3位、フランス14位にランクイン。いまや「DragonVale」や「Kingdoms of Camelot: Battle for the North」、「Poker by Zynga」などと並ぶ世界的なヒットコンテンツのひとつとなっている。
また、カナダでエイチームの「Dark Summoner」、シンガポールで「Legend of the Cryptids」や「Ninja Royale」もランクインしている。年初の段階は、日本企業のゲームは、「Smurfs' Village」や「-KingdomConquest-」が有名だったが、ここにきてさまざまなタイトルがランキング入りしている。
もうひとつ、グリーの買収したFunzioも引き続き堅調に推移していることも指摘しておこう。モバイルソーシャルゲームのM&A動向を見ていると、買収された後、主力タイトルのランキングを大きく落とすケースが散見される。このあたりはM&Aの難しさでもあるが、買収後も好調を維持しており、M&A経験の豊富なグリーの経営手腕を示しているといえよう。
このほか、全体的な傾向としては、米国を中心にカジノ系のアプリの比率が高いと感じる。「Slotomania」や「Poker by Zynga 」が世界各国で人気となっている。例外は、日本と中国。「DragonVale」など世界的なヒットコンテンツもランキング上位に入らない傾向が続いている。
また、現在、サッカーの「ユーロ2012」が開催されているが、AppStoreのランキングにも影響が出ている模様で、欧州ではサッカーに関連したタイトルが人気だ。イギリスでは「New Star Soccer」(4位)、「Football Manager Handheld™ 2012 」(19位)、フランスでは「FIFA Superstars」(2位)、ドイツでは「FIFA 12 by EA SPORTS」(7位)、「FIFA Superstars」(19位)となっている。前回(5/20)はドイツとイギリスで1タイトルずつ入っていた程度だった。
■ランキング表(太字は日本企業のコンテンツ)
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662
会社情報
- 会社名
- Zynga