アエリア<3758>の海外事業の売上が急速に拡大している。2010年12月期の売上高は、前の期に比べて、69.1%増の3529万ドルとなった。海外の売上比率は21.8%から44.3%に上昇。本サイトでもたびたび触れているように、アエリアのオンラインゲームの売上高は順調に伸びているが、海外事業に限ったときの状況はどうなっているのか。同社の発表した決算説明会資料に基づいて、その状況をまとめてみた。
アエリアの海外展開を担うのは、海外子会社Aeria Games & EntertainmentとAeria Games Europeの2社だ。アエリアの場合、原則、自社でIP(知的財産権)を保有するタイトルを展開するのではなく、他社から運営ライセンスを取得し、それを運営して収益を稼ぐという手法を採用しているようだ。同業のガーラ<4777>などは、韓国のオンラインゲーム開発会社を買収してライセンスを取得し、現地法人などを使って運営サービスを提供したり、ライセンス販売を行うことで収益を稼いでいる。
話を戻すと、アエリアは、北米ではAeria Games & Entertainment、欧州ではAeria Games Europeを通じて、オンラインゲームを配信しており、配信タイトルは、「グランドファンタジア」や「シャイヤ」、「女神転生IMGINE」など10タイトル以上となっている。2007年第1四半期(1-3月期)に開始した当初、四半期の売上高は約7万ドルだったが、2008年第1四半期には197万ドル、2009年第3四半期(7-9月期)には544万ドル、2010年第4四半期(10-12月期)には1079万ドルまで伸ばしている。
また、同様に海外売上の比率も上昇し続けており、2010年第4四半期の全体の売上に占める割合は、45.0%にまで伸びている。海外事業の開始当初は、1%に満たない水準であったが、2008年第3四半期には13.6%と10%を超え、2010年第4四半期には45%を超えるなど、海外売上高の比率は半分近くにまで伸びている。
利益面では、北米事業(Aeria Games & Entertainment)は、売上高22億6300万円、営業利益5億1200万円となり、前の期の14億4800万円、7200万円から大幅に伸びている。欧州事業(Aeria Games Europe)についてはまだ費用先行で、約5億0700万円の営業損失となっている。欧州はまだ費用が先行する可能性があるが、北米については、本格的な回収期に入ったと見ているようだ。
アエリアでは、今後、北米と欧州での配信タイトルを増やすだけでなく、サービス地域を増やすことで、海外売上高のさらなる拡大を目指している。すでに2010年11月にブラジル支社Aeria Games Do Brasil Servicos Digitaisを設立し、南米でのオンラインゲームの配信を開始している。
(※)本記事で使った資料は、全てアエリアの開示した決算短信と決算説明会資料に基づいております。
会社情報
- 会社名
- 株式会社アエリア
- 設立
- 2002年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 長嶋 貴之/代表取締役社長 小林 祐介
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高226億7100万円、営業利益4億7300万円、経常利益7億5200万円、最終利益4億8000万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3758